軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

新装備案

「全軍崖の上に注意しながら前進! え、あ、嘘、突っ込んできた!?」

「はい全滅、インベーダーには不意打ちしてくる奴もいるが音速超えてすっ飛んでくるのもいるからこういう狭い所は迂回するか、上を取るのが正解。ちなみに今回は上を取ってたら頭出した奴からカモ撃ちにされてたけど、全滅はしなかったな」

途中でインベーダーが弾切れおこして、飛んできた奴を各個撃破して終わりだった。

そんなシミュレーションを用意したが凜は見事に引っかかってくれたのだ。

狭くても通れる場所があるなら通ろうと考えて、一つの事にしか注意していなかったのが敗因だ。

「もっとインベーダーについて調べろ。オペレーターならそれが前提だし、パイロットやるにしてもその辺の知識は無駄にならない。凜の適性を生かすなら両方やるべきで、知ってて当然の知識になる」

「うぅ……」

一応、まだこの世界で確認されたタイプのインベーダーしか使ってないんだがな。

それこそボスクラスの奴らだしたら大混乱になる。

いや、適当に誤魔化して出してもいいんだけど、本物とエンカウントした時に説明が面倒くさいから。

「今度こそ!」

「おう、どんどんやれ」

シミュレーターに食らいつく勢いで頑張っている凜を見て一安心。

実戦で機体動かしながらで心折れたりしてないかと思ったが、案外大丈夫みたいだ。

から元気だとしてもそりゃ元気のうちだからな。

時折クリスや良平がアドバイス投げてるのも見かけるが、良平はともかくクリスはちょっと……意見具申にしても突撃ばかりじゃねえか。

しかもインベーダー知識が凛とどっこいどっこい。

良平はその辺も詳しいんだが、横でニコニコ見守って失敗した時に理由を教えてるな。

俺と同じやり方だけど、良平の場合ねちねちと詰めていくから怖い。

さて、これで今俺ができる事は終わりだ。

データはコピーしたし学園に戻れば同じものが練習できるようになっている。

俺にできるのは鬼畜難易度のシミュレーションを用意するくらいだが、ゲームで言うなら8割が死亡したボス戦の再現とかかな。

あと俺が参加した最終決戦とかも。

ただそこまでできるようになるとエース超えた化物でしかねえんだよな……。

「化物か……」

ふと思った。

そんなラスボスや鬼畜ボス相手にツクヨミ改やスサノオは通用するか。

無理だ。

最低でもツクヨミ改レベルの機体を操れるパイロットを数百人集めないといけない。

スサノオを使うにしても、クリスや良平程度の腕前ではボス級相手でも倒せるのは限られてくる。

ならば、パイロットの育成には時間がかかるならば、やる事は一つ。

機体の強化だ。

まずおやっさんにメッセージを飛ばす。

確認次第連絡をくれと。

別々のテントに隔離されているし、トイレは併設された仮設の物。

風呂もそうだ。

だから連絡するには端末しかないが、向こうは帰ってきていない可能性がある。

そもそも軍属だから上から子細なデータをよこすように言われているかもしれない。

とにかく時間がとれるかどうかが問題だが……すぐに連絡が帰ってきた。

「おやっさん、忙しくないか?」

『おうよ、レポート提出させられた程度だ。機体周りに関しても報告書は既にあげてたからな』

「そっか、じゃあ一つ確認というか頼みごとなんだが」

『また面倒な機体を思いついたか?』

「機体じゃない、強化用装備だ」

『聞いてやる』

「ギア本体を動かしながらバックパックとしても機能して、だけどバックパック付けた状態でもジョイントできるパーツが欲しい。可能なら大型サーベルの数倍の長さまで伸ばせるビームサーベル、本体とは別に動かせる腕が数本、大量のミサイルとビーム砲、ドローン搭載システムと百単位のドローン、スピーダーより速度が出て旋回能力もあるのが理想」

『無茶言うんじゃねえよ……寝ぼけてるのか?』

「いや、理論上は可能なんだ。ただその、予算の問題で難しいってだけで……」

『いくらだ』

「スサノオ20機分」

『馬鹿、お前、馬鹿……』

おやっさんの罵倒が途切れない。

いや、うん、言いたくなる気持ちはわかる。

ただ俺が想定した追加装備が完成すれば1機で戦場を塗り替えられるし、ボスも序盤の奴らならどうにかできるポテンシャルを持っている。

本当に金銭的な問題だけなんだ。

「まぁ落ち着いて聞いてくれおやっさん。金の問題さえクリアすればこいつは戦場を一新させる。その代わり作りすぎると国が干上がるような代物なんだ」

『わかる。聞いている限り無茶な注文だが無理じゃねえ。だがその金をどこから捻出するかって話だ』

「そういうのに詳しいパトロンとかいませんかね……」

『いたら儂が真っ先に捕まえてる』

ですよねー。

おやっさんも大概メカ馬鹿だから。

ツクヨミ改もスサノオも予算の範疇で収められるから作っただけだ。

正確に言うなら俺の機体を用意する名目で出された予算+コンペに出すという理由で量産始めたスサノオの経費の一部でツクヨミ改を仕上げて、残りの予算でスサノオの数を減らしてでも解決した感じになっている。

まぁ、言うなれば横流し……。

「宝くじ当たっても難しいんだよなぁ……」

『まぁ最低でも億単位だな。しかもそのパーツは聞く限りギアじゃねえのにリアクター積むんだろ。それでコックピットも無いと来た。盗まれたら一大事だぞ』

「ばらして売るならともかく、使うのは普通のギアじゃ無理だ。それこそ最低ラインがツクヨミ改」

『……つまりなんだ? お前のために馬鹿みたいな値段のパーツを用意しろと』

「可能なら」

『……一応聞いてやる。何に対してそんな怯えてやがる』

「しいて言うなら未知に対して」

俺にとっては既知だが、おやっさん達にとっての未知だ。

早めに手を打っておけるならそれに越したことは無い。

『最低で持って行ったな。最高ならどの程度だ』

「え? あ、えぇと……ツクヨミ改で妥協した部分全部直して、リアクターも1から見直してもっと効率がいいのを用意しつつ配線や配管も総とっかえ。最高速度は今の10倍くらい目指したところかな?」

『……パイロットの安全はどうする』

「無視していい」

『はぁ……大将に話してみる。だが全部が全部その通りになるとは思うなよ。少なくともスサノオがコンペで受かったらの話だ」

「流石おやっさん!」

『それと、上からツクヨミ改のバックパックの情報開示命令が来ているが開示していいな』

「命令だから仕方ないっしょ。というかスサノオのデータも送っていいよ。コンペに出してなかった部分も。クリスが自爆ぶちかましたから戦法としてこういうのもあるぞって』

仕様外の使い方ではあるんだがな。

今までの機体より無茶しやすい所はある。

『わかった。それを条件にどうにか話を進めてみるが……期待するなよ』

「あぁ、最終目標ってやつだ。できるだけの事をしておきたいだけだしな」

さて、この拘束期間が終わったら叔父の所でバイトでもするか……。