軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第80話 人材を探していると

しばらく自由時間を貰うことになった。

皇帝と謁見したその日は、旅の疲れがかなりあったので、宿を借りて休んだ。

そして翌日。

私は帝都を歩き回って人材探しをしてみることにした。

思ったよりも帝都には貧民がいたので、スカウトしたら家臣になる者もいるかもしれない。

戦で勝ちを収めれば私はカナレ郡の郡長になるようなので、家臣に出来る人数も増えるだろう。何人か有能な人材を部下にしておくのも、悪くはないはずだ。

護衛のシャーロットと二人で行こうと思ったのだが、リシアも付いてきた。

「あの、今回は人材探しなので、あまり一緒にいても楽しめないと思いますよ」

「そんなことありませんわ。アルス様と一緒ならどんなことでも楽しいですもの」

リシアは微笑みながらそう言った。

「それにアルス様が力を使うところ、もっと見てみたいと思いまして」

「力を使うところと言われましても……ただ見るだけですよ?」

「本当にただ見るだけですの? 実は何か特別なことをしていたりは?」

「しておりませんね」

もしかして鑑定の正体を見極めたいのだろうか?

「ではあちらの男性の能力を見ていただけませんか?」

リシアは見るからに力持ちそうな男を指さして尋ねた。

私は言われた通り、鑑定を使って男を見る。その間、リシアが私をじっと見つめてきて若干やり辛い。

男の能力は武勇は平均より上だったが、ほかが壊滅的な脳筋能力値だった。

「見ましたよ」

「もうですか?」

「はい。見た目通り戦いの力はありますね。しかし、兵を率いたり、物事を深く考えたりする才能はあまりないようです」

「そうですか……」

リシアはまだじっと私を見ている。

「確かに特別な何かをしているようには見えませんでしたね。実はこっそり魔法を使ってらっしゃるかもとも思ってたのですが」

「そんな魔法があるのですか?」

「聞いたことはありませんが、新しい魔法は常に開発されていくものですからね。しかし、本当に魔法でもなく見るだけなら、なぜアルス様にだけそんな力があるのかとても不思議ですわ。生まれつきもってらっしゃったのでしょうか?」

「ええ、そうですね。でもリシア様にも、他人の好意を測る力がおありでしょう?」

「わたくしの特技は、生まれつきのものではなく、人間観察をしていたら身に付いたものですわ。頑張れば誰にでも身に付けられると思いますが、アルス様の力は無理でしょう。アルス様は神様に愛されているのでしょうか?」

誰でもが身に付けるのは不可能だとは思うが……まあ、確かに私の鑑定スキルは努力で身に付けられる範囲を超えているか。

別世界からの転生者だという特異な境遇が、私に能力を持たせているのだろうか。それとも物凄くレアなだけで、世の中には鑑定スキルや他の能力を持った者たちがいるのかもしれない。

私はその後も、リシアに見つめられながら人材探しを行う。

「ねーねー、アルス様、人材を見つけるなら、魔法使える人捜してくれない?」

途中シャーロットがそう要求してきた。

「魔法が使える人材か……まあ、有用ではあるがお前がいるから問題ないと思っていたが」

「わたしは何回か戦に行ったけど、やっぱ魔法が強いのは凄い大事なんだよね。確かにわたしは魔法に関しては最強だけど、ほかにあんまり上手な人がいないから、もっと増やすべきだと思うよ」

確かに一理あるな。

戦には未だに出たことのない私だが、魔法が重要であるとは何度も聞く話である。

だが、魔法の才能がある人材は、物凄く少ない。

高くてBだ。そのBも数えるほどしかいない。

A以上あるものなんて、今までシャーロット以外見ていないか?

そういえばシャドーのベンがAだったような気がする。少なくともSは見た事ないだろう。

「魔法を使える人材を探すというのは良いんだが、中々いないからな……」

「そうなんだ」

「プレイド家の家臣にも、中々魔法が上手な方はいらっしゃいませんし、シャーロット様は本当に特別なお方なのですね」

「特別……いい響き……」

シャーロットはリシアに褒められて、凄く鼻を高くしている。

それから帝都を歩き回って人材を探すが、魔法の才能がある人材は見つからなかった。

歩き疲れたので宿に戻ろうとしたその時、

「頼みます!! お願いやからわしに金を貸してくれへんか!?」

と商人のような身なりの男に土下座をする男を見つけた。

あれは……

小柄の身なりの悪い男。

飛行船を作ると言っているという、シン・セイマーロだった。