軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

エピローグ(第一章)

「まだ油がお腹の中に残ってる……ような……」

慢心していた。

17年ぶりどころか、この体で初めて食べたラーメンはさすがに重かった。

明日の自分が何とかしてくれるだろうとロゼリア号に帰ってきたはいいものの、動く気力が湧いてこず、自室に転がること数時間。ようやく体が軽くなってきた。

今日はもう休むつもりなので、半分微睡ながら携帯端末を手に取る。

普段食堂にいる時は映像で地球の様子を見ているが、インターネットを覗く時はやはり手元で操作出来るものがいい。

そういえばあの大学生の兄ちゃんは、結局俺の写真を投稿したんだろうか?

調べてみたら物凄い閲覧数がついて、嘘か本当か議論していた。

あー……そりゃそうなるか、目撃者が少ないもんな。

ところで何で俺とラーメンでネタ画像が作られたり大喜利が流行ってるんだ……?

まぁ楽しそうだしいっか。

それはそれとして、東京摩天楼の第五層がついに攻略されたことも世間を賑わしているようだ。「快挙!日本がウィズ・ダンジョン時代を独走」「やはり五層では終わらなかった!気になる新層の行方は?」「第一攻略班に聞く!ゴブリンキング討伐のヒミツとは」などニュース記事が上がっている。

仕掛け人として、そんな世間の反応を眺めるのも面白いもんだ。

SNSや掲示板を見てもこの話題で一色だった。

日本人が大真面目にダンジョンの話をしていることが、何だか可笑しい。

「…………」

そんな世界を俺が作ったんだ。

普段考えないようにしているけれど、時たま、ぞくりとさせられる。

自分が本当に正しい道――楽しい道を歩めているか。

――天使さま、ありがとう。

何気なく目に入ったその言葉に、俺は笑う。

「ふふ……」

窓の向こうに浮かぶのは、月ではなく丸い地球だ。

その青い星で生まれた俺。

何の因果か遠い星で転生し、こうして戻ってきた。

いつか地球の文明レベルが上がるその日まで。

俺はこの星にファンタジーを届け続けよう。

ダンジョンの管理者として。

不思議な縁を持つ、元地球人として。

「…………すぅ」

考えなきゃいけないことも、やらなきゃいけないことも山積みだけれど。

今日はもう眠いから、また明日。