軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

また移動。のんびり人力車の旅

とてつもない試行錯誤の結果、味噌や醤油を作ることには成功したらしい。

なんと納豆もあるそうな。……米は無いのに。

米のない和食はちょっと色々キツイ。多少饅頭生地に合うよう調整はされてるけど、やっぱり米だわ……

……ワコークに流す用に米の産出増やしてもいい気がしてきた。団子や大福のためにうるち米だけじゃなくてもち米も増やしてもいい。食って大事だ。米を流して研究してもらうのもアリか。

……いやまて。

別に俺はダンジョン機能で日本の食事をとれる。

米も餅も団子も大福もDPで食べられるわけだし、研究してもらう必要とかもなかったな。やっぱり現状維持で……いや、ちょっとだけ増やしてあげるか。

もしやそう思わせるワタルの策略? いや、まさかな。でも【超幸運】の影響はありそうだ。良いぜ乗ってやるよ。

さて、そんな感じでやはり米の商業戦略的な重要性を再認識し、お風呂にも入って宿のオフトンを堪能した。あ。風呂はワタルと二人で大風呂を貸し切り状態だったよ。

……オフトンも、神の寝具には流石に勝てないものの……俺が普段使い古してるオフトンより高級な感じがした。

これは自分用に購入するのもアリだな。

朝飯はまた饅頭だった。中身はウナギの蒲焼。

お、これはアリだな。蒲焼のタレを饅頭の生地が吸って、いい具合に肉まんっぽさがある。ウナギまんだな。

朝食を終えて、宿を出る。

「お待たせケーマ」

「お。今日は草履なんだなロクコ」

「さすがにあの下駄はこりごりよ。ケーマに堂々と抱き着けるのは良いんだけど、歩きにくすぎたわ」

「……普通に抱き着いていいから」

「ええ、そのつもりよ!」

ふふんっと腕に上機嫌に抱き着いてくるロクコ。

「ワタルさんー? 今日はどちらへいくのですかー?」

「ああ。今日はヤマタノオロチの被害が出ている村、の間近の町へと行こうかと。お二人にはそこで待機していただき、僕とケーマさんでサクッと解決します」

俺が居なくてもサクッと解決できる自信がありそうだし、俺も町で留守番したいな……

「というわけで今日はこちらの移動手段を用意しました!!」

そこにあったのは人力車だった。

「……ワタルが 曳(ひ) くんだよな?」

「はい。3人には車に乗ってもらってボクが曳きます」

「パヴェーラに向かう時に馬車をワタルに曳かせようかみたいな話があったけど、まさか本当にやる気だとは……」

「まさにそれが発案ですね! いやぁ、よく考えたら馬に走らせるより僕が走った方が早いんですよねぇ……」

馬車を借りる予定だったが急遽人力車に変更したらしい。よく変更してもらえたなぁ。

「というわけでさぁ! 乗ってください!! 3人シートです!!!」

「んじゃ、ロクコが真ん中でいいな。俺とネルネで脇を固めよう」

「え? ケーマが真ん中で両側に私とネルネの方がバランス良いわよ?」

「私が真ん中でー、ワタルさんに鞭を打つのもアリですねー?」

特に希望があるわけでもなかったので、真ん中に座りたいネルネが中央に座ることになった。

……尚、速度が出るのは良かったが、揺れも輪をかけて酷かったので俺とロクコはコッソリと【収納】ダンジョンに座って揺れを誤魔化したのはここだけの話。

目的の町には昼過ぎに着いた。アルコーウェルより小さな町だ。

「よく考えたらワタルの【収納】に入れてもらって一人で走ってもらった方が早かったんじゃないか?」

「え? 【収納】って生き物入れられるんですか!?」

「入るよ。じゃなきゃ植物の種とかも【収納】に入れられないだろ」

そういうとワタルは「確かに!?」と驚いていた。知らなかったのか。

「てっきりそういうものかと……」

「聖王国の商人ギルドなんかでは【収納】を覚えさせた奴隷を【収納】することで大量在庫を管理したりしてるらしいぞ」

「そのレベルで常識だったんですね……!?」

「時間停止を生かして瀕死の怪我人や病人の延命とかに使えるから覚えておくといいぞ」

「……代々受け継がれるご先祖様(ご本人)とかも居たりするんでしょうかね?」

いるかもしれないなぁ、そういうのも。

「勇者イシダカとか、神様レベルの人は実は保管されてたりしてもおかしくないですよね……ハッ! もしやオフトン教教祖のケーマさんも将来は……!?」

「あっ。俺はそのうち神様になる予定だから保管されるまでもなく不老不死になるわ」

「え!? そうなんですか!?」

「神の寝具ってそのためのアイテムなんだよ。……ほら、ロクコがハクさんの妹ってことはハクさんと同じくらい長生きなわけだよ。分かるか?」

「ああ……なるほど。ロクコさんと一緒にいるため、ですか。愛ですねぇ」

うんうん、と頷くワタル。

「もし連続で使えるならワタルもなっとくか? 神様。……ネルネも多分長生きだぞ」

「えっ。ネルネさん普通の人間じゃなかったんですか?」

ダンジョンモンスターだからなぁ。ダンジョンで出したネズミが長生きなことを考えると、多分ネルネも……といったところだ。

「うーん、まぁ、その時はお借りするかもしれません。が、『神の武具』というのもあるらしいので自力で目指すのもありかもしれないですね!」

「武具。そういうのもあるのか」

知らなかった。案外とこの世界には神へ至る道がホイホイあるらしい。

「あー。ワタルさんが死んでー、私が長生きするならー、死体は有効活用してあげますのでご安心をー?」

「……それ、ネクロマンサーになったら僕のこと使役してくださいね!」

「それもアリですねぇー!」

いいのかそれで?……まぁ本人達がいいならいいか。