軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

解散! からの……

10番コアのダンジョン最奥、本体のコアを破壊すると同時に10番コアのダンジョンは崩壊を始めた。俺達の変形合体ゴーレム、Gテストールも生き埋めになった。

これらの被害はハクさんの方で補填してくれるため、全く問題ない。

尚、ソトの力でコッソリ回収してあるので丸儲けでもある。

『……10番の死亡を確認しました』

ちなみに生存確認は念には念を入れてダンジョンバトルを再申請し、通らない事を確認するというシステム的に確実なものだ。これで間違いなく10番コアは居なくなった。

『これをもって本作戦は完遂とします。皆、ご苦労様でした』

裏切者派閥のアバター達、皆の前でハクさんがそう宣言する。

ハクさんの宣言により、これによって10番コア討伐のレイドダンジョンバトルが終了した。

緊張していた空気が、ふわっとほどけた心地だ。俺もゴーレムアバターでその発言を聞いていて、無意識に入りっぱなしになっていた肩の力が抜けるのを感じた。

参加したダンジョンコア達はそれぞれハクさんに一言挨拶をして各々接続を切っていった。補填した軍資金とは別に、褒賞は後日秘密裏に届けられる予定だ。

『さて、ゴーレム後輩。僕たちもお別れだ。縁があったらまた会おう』

『これほど大規模な作戦は無いだろうから、もう会わないかもだけど。あ、10番の言ってた番号はデタラメだから忘れなさい! いいわね!……でもコッソリ会いに来てもいいからね?』

『ゴーレムのは大活躍してたし、お互い報酬が楽しみだな! じゃあな!』

一緒に10番コアダンジョンを攻略した先輩たちも去っていった。

『いやー、めっちゃ偽物とはいえ10番コア出てきてビビッたっきゅよ。ね、564番』

『お、俺様はビビッてないのである! 俺様をビビらせたら大したものであるよ!』

ちなみにミカンはアバターとしてウサギを使っているわけだが、564番コアは隠さず本人がそのままだ。(尚、他の先輩方からとかには魔王派閥からの出向と思われている様子)

そして、大量の10番コアは当然偽物。ドッペルゲンガーによる影武者だったようだ。

『崩壊のときはビビッてたっきゅよね?』

『……さすが10番、大した奴であるな!』

ちなみに564番コアは本人がそのまま出ていたので崩壊に巻き込まれて埋まるところだったが、ミカンの方で『回収』することができたので無事生き延びた。マスタースレイブ関係ってそういう事もできるのか、ちょっと便利。

『んじゃ、ボクらも帰るきゅね! またきゅよー』

『サラバである! 報酬が楽しみであるなー』

「ああ。またな」

ミカン達も帰り、残ったのは俺達のアバターとハクさんだけになった。

『お疲れ様です、ロクコちゃん。ケーマさん。……こちらの想定以上の大活躍でしたね』

「いやぁ、アンデッドコア達にダンジョンバトルを仕掛けられたときは死ぬかと思いましたが何とかなりましたよ」

『よく言います。耐えて時間稼ぎするどころか、一人で全て殲滅するとは……それに10番コア本人を引き付けていたのも大きいです』

一体どれほどの報酬を渡せばいいのかしら、とこめかみに手を当てて言うハクさん。

と、俺はふとハクさんの姿に違和感を覚えた。

「ところでハクさん、そんなアクセサリーつけてましたっけ? ふともものところに」

『ん? アクセサリー?』

ボディラインがくっきりわかるアオザイのようなドレス。そのふとももが良く見えるスリットのところに、白い宝石のアクセサリーが付いていたのである。

……たしか、あんなの無かったよなぁ。

『アクセサリーなんて付けてないけれど。ねぇクロウェ?』

『……いえ、確かについてます……まさか、認識阻害? これは、呪いの類でしょうか。私も言われるまで気付きませんでした』

『え? それってかなりマズくないかしら? 私の防御を抜けてくるとか相当強い呪いってことじゃないの。10番コア最後のあがきだとしたら、どんな呪いか分かったもんじゃないわ』

少し慌てた様子のハクさんとクロウェさんに、俺は声をかける。

「呪いなら解除できますよ。『神の目覚まし時計』あるんで」

『あら。じゃあお願いするわ。砂浜で落ち合いましょう。報酬についての話し合いもしたいわ。ロクコちゃんも連れてきてね』

「……了解です」

目覚ましを持たせたナリキンを向かわせるだけでもいいんじゃないかと思ったが、そういうことになった。

* * *

かくして、俺達は『白の砂浜』までやってきた。既にハクさんとクロウェさんはパラソルにテーブルとティーセットを展開している。お茶会の構えだ。

「お疲れ様です、ハク姉様!」

「ええ、ロクコちゃんもお疲れ様……っと、まってロクコちゃん。抱擁の前に解呪しないと。伝染する呪いだったら危ないもの。今は私の防御を突破するのでだいぶ弱ってるみたいだけど」

「あ、そうですね。ケーマ」

「はいよ」

俺はロクコに促されて『神の目覚まし』を【収納】から取り出す。

と、ここで俺は一つあることに気付いた。俺がここで解呪しなかったら――まぁハクさんの事だから他の方法で解呪するんだろうけど、それでもロクコとのハグがお預けになる。報酬を吊り上げることができるのではなかろうか、と。

「……ところで、この解呪も報酬っていただけるんですかね?」

「良いわよ。要望はある?」

さらりと答えるハクさんに、俺はゴクリと喉を鳴らす。

……この解呪とダンジョンバトルの報酬と併せて、いい加減ロクコとのお付き合いを認めてもらうことはできないだろうか。随分と活躍したし。

俺はそんな事を考えていた。

言っても大丈夫だろうか……ロクコの居る手前、即座に無礼打ちとかいうことは無いと思うけど……やばい、喉が渇いてくる。

「えーと、じゃあ……あー、その」

「あ、姉様。ケーマに私と結婚するように言ってもらってもいいかしら。解呪の報酬はそれでいいわ」

「ちょ、ロクコ!?」

俺が緊張して言い淀んでると、ロクコが横からとんでもない事を言い出した。

にこりと笑うロクコ。

「いいじゃない。どうせ目覚まし鳴らすだけで大した手間でもないんだから、このくらいの報酬で」

「いや、このくらいって、おま」

「ね。この調子なのよ。お願い姉様」

お付き合いを通り越して、け、結婚!?

「あらあら……まぁいいわよ。ケーマさん。ロクコちゃんがこう言ってるし、結婚してあげなさい」

「……!?」

そしてハクさんはハクさんで、ノータイムにそう返したのである。

……え? ハクさん……ロクコに洗脳されていらっしゃる?