軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

レイドダンジョンバトル(10)

10番コア率いる15コアの同時多発ダンジョンバトルに対抗するべく、ソトにダンジョンバトルを手伝ってもらっているわけだが……10番コアが可哀そうになるくらい完封してしまっていた。

「パパ、これとんでもなく弱い者イジメしてる気分ですよ?」

「言うてやるなソト。相手はファーストロット、格上なんだぞ一応」

だが、送り込まれるモンスターは全員もれなくソトの【収納】ダンジョンに放り込まれ時が止まる。普通の【収納】なら押し入れ程度の容量なのであっという間に限界を迎えるところだが……【収納】ダンジョンはダンジョンだ。ぶっちゃけ1万DPも使えば『ダンジョンの部屋拡張』くらいいくらでもできる。

今尚【収納】ダンジョンにモンスターが送り込まれ続けていたのだが、まだまだ容量は余裕だし、足りなかったら更に広げればいいだけ。これは経費としてあとでハクさんに請求もできるので、遠慮する必要もない。

ゲートは お父様(闇神) にお願いして闘技場エリアに15個纏めてもらった(さすがに『欲望の洞窟』に申し込まれているのに『白の砂浜』の方へつなげて欲しいというのは許可が下りなかった)。

そのゲート達に対して、それぞれ【収納】ダンジョンを被せたわけだが……うーん、1つくらいそのままウチのダンジョンに誘い込んで処理してもよかったかもしれないな! まぁ、そんな油断のできる相手じゃないんだけど。

「ちなみに止まった敵はどんな感じなんだ?」

「えーっと、色々ですよパパ。狼とか、猿とか、ゴーレムとか。ただ、どれも腐ってたり崩れかけてたり毒っぽかったりする感じですが」

そう言ってソトはメニューからモニターを開く。真っ暗で何も見えないのだが、ソトがちょいちょいと操作すると敵モンスターの姿が出てきた。時間が止まっていてピクリとも動かない。

ソトの言う通り、そこにはウルフ系やトカゲ系の動物系モンスターや、ゴブリンやオークのような亜人系モンスター、動く食人植物な植物系や、ゴーレム、リビングアーマーの無生物系もいる。15ダンジョン分、それぞれからバラバラのモンスター達。そして、そのいずれもがボロボロで、死体のような雰囲気を纏っている。

止まっていてピクリとも動かないのがゾンビっぽさにますます拍車をかけているな。

「……出てくるモンスターもアンデッドってことなのかな?」

「あー、それっぽいですパパ。ぬもっとしたアンデッドの感じ!」

「実際、姉様曰く死んでるコアらしいし……死んでるコアの出すモンスターは死骸っぽくなるもんなのかしらね?」

聖王国で手に入れたフルーツは別に腐った感じはしていなかったので、単に10番コアの趣味である可能性もある。……果物なんかは腐りかけが一番うまいとか言うから、果物には逆に丁度良かったのかもしれないけど。

……あれ毒入ってないよな? 大丈夫だよな? 何個か食っちまってるぞ。

そして、完全に敵の侵攻を止めている【収納】ダンジョンを見てロクコが呟く。

「……にしてもケーマ、一方的すぎるわコレ。私達の娘ながらソトってばとんでもないわね」

「まぁな。とはいえ、欠点もあるぞ」

「欠点? こんな完璧に相手を封じてるのに?」

「ああ。このままでも負けはしないが、ダンジョンバトルは攻撃しないと勝てないもんなんだ」

あらかじめ時間制限とかルールで別途勝利条件がある場合は別だが、今回はデスマッチと言っていい。そして下手したら10番コアがやられても使役するダンジョン達は止まらないという可能性もある。

仮にダンジョン達が止まらなかった場合、闘技場エリアに15個のゲートが繋がりっぱなしになってしまう。ほぼ人の来ない闘技場エリアだが、それでもダンジョンバトルのゲートを繋ぎっぱなしにしていていい道理はないだろう。ここから敵を制圧して勝利していく必要があるのだ。

……いや、もし完全に10番コアが沈黙して完全に放置された状態なら、逆にギミックとして残すのもアリか?……いや、ダンジョンの改装ができなくなる。やっぱりナシで。

「というわけで、これから俺が直接殴り込みに行く」

「殴り込み……って、ケーマが?」

「まぁ、正確にはナリキンに『憑依』して、だな」

ネームドのダンジョンモンスターであれば死んでも復活させることができる。そりゃもちろんDPはかかるわけだが、そこは今回ハクさんが全面バックアップしてくれるわけだから全く問題ない。もちろん、死なせるつもりもない。

そう。神の名のもとに無敵の防御力を誇る『神の毛布』を装備させておけば、それだけでもう手を出せる奴はいなくなる。しかもナリキンはリビングアーマーなので、唯一の弱点である睡魔を誘うスキルも完全に跳ねのけられる。

そしてナリキンの身体でも俺が憑依すれば【エレメンタルショット】を使えるし、神の寝具の共通効果、体力・魔力の回復によって弾数も無限。

つまり、俺とナリキンが手を組めば、最強無敵な移動砲台が完成するのだ!!

加えて言えば、敵のダンジョンコアを完全破壊してダンジョンの崩壊に巻き込まれても大丈夫。

ソトの力で生き埋め状態から【収納】ダンジョンへと回収できる。

なんという無敵移動砲台、無限コンティニュー。

「というわけだソト。聖王国のナリキンをこっそり呼んでくれ」

「了解ですパパ。トイちゃんにバレないようにこっそりですね!」

その通りだ。言わなくても分かってるあたり流石俺の娘。

「ならロクファも一緒に行かせた方が良いかしら?」

「いや、【収納】ダンジョン経由で帰るのにロクファ置いとく必要があるから……あとロクコには俺が敵ダンジョンに行っている間のサポートを頼みたいし」

「ん、ならしょうがないわね。ふふ、まかせてケーマ」

上機嫌でロクコはふふんと笑う。

さぁて、俺もナリキンに渡す装備を出すか。『神の毛布』だけじゃなくてダンジョン攻略のための装備も欲しい……

……いやまて、DP持たせておけば現地でメニューから道具と交換できるし、【収納】ダンジョン経由でアイテムもやりとりできるし、軽装でもいいのか。

ソトってばホントにダンジョンの天敵すぎる……能力がバレたら今度はすべてのダンジョンからソトが狙われかねないな。

最大の庇護者であるハクさんには、敵じゃないことをアピールしておこう。そのためにも、敵ダンジョンは破壊しつくしてやらないとな。クックック。