軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

レイドダンジョンバトル(4)

というわけで墓場エリアを越えて、さらに奥へと進軍していく。

再びバラバラに分離してダンジョンの通路を走行していて、ふと侵攻状況が気になった。

「そういえば他はどんな感じなんだ?」

「姉様の方でマップが更新されてるからそっち見れば分かるわよ」

ロクコに言われて、それもそうだと預けてあるモンスターを通じてハクさんの所のマップを見る。

なるほど、全部で何階層かは分からないが、現在5階層は攻略――制圧できたらしい。

今回はただ奥に行けばいいわけではなく、完膚なきまでに叩き潰す必要がある。

故に制圧なのだが、さすがに複数のコアが全力で挑めばこのくらいのペースで攻略もできるか。

「推定何階層くらいなんだ?」

「10番と同じ 初期生産(ファーストロット) コアのハク姉様のダンジョンで150階層越えてるって話だから、10番コアも同じくらい、じゃないかしら?」

「だとしたら、まだまだ序盤もいいところだな……ちょっとスピード上げるか」

俺はミカンの方に通信で声をかける。

「おーいミカン、そっちはどうだ?」

『おー、ケーマきゅか。順調きゅよー』

ミカンは俺達から少し先行して周囲の索敵を行っている。マップを見せてくる。

……うん、とりあえずこのフロアはマップ探索が終わっているようだ。

「フロア以降の探索はどうだ?」

『こんな感じっきゅね』

「……ふむ。6階層目がこのくらいか。5層までの広さと比べると半分ってとこか?

思ってたより進んでないなぁ」

『リスじゃいけないような場所が結構多くて、そこを避けたりしてるからきゅね』

主に毒沼らしい。なるほど、それは遅れても仕方ない。

しかしだ。

「強引に進んだらいいだろ? リスを足場にリスを渡せばいい」

『んきゅあ!? そ、それは……さすがに可哀そうきゅよ』

「ダンジョンに突っ込ませてるのに何を今更」

『そういわれちゃったら、そうなんきゅけどぉ……』

進む中で仕方なく犠牲が出るのはともかく、意図的に犠牲を出して進むのは心情的に抵抗があるってことか。意外とピュアじゃないか。

……いや、俺の方が荒んでいるんだろうか?

「それなら少し効率は悪いかもしれないが、集団の中に工兵を混ぜようか」

『工兵、っきゅか? なんきゅかそれ』

「人間の兵士だと、穴を掘ったり橋を架けたりってヤツだ」

『ふぅんー……でも、リスが穴掘ったり橋掛けたりするんきゅか? たかが知れてるし時間もめっちゃかかるきゅよそれ』

「ネームドにしてカタログ権限を渡すんだ。木の板でもだせるようにDPを渡しておけば、沼に板を置いて渡るって事もできるだろ」

『おお! それは便利っきゅね!』

ネームドに名前を付ける手間はあるし、あらかじめDPを預けておかないといけないし、その分だけリスの『安さ』という強みが減ってしまうし、工兵が弱みになってしまう欠点もある。

だが、なるべく仲間の犠牲を減らしたいミカンには良いだろう。

「なんなら減ったリスを現地で増やしたりもできるかな」

『おおー。もう工兵っていうより隊長っきゅね。目印にたすきでもかけとくきゅか?』

「そんなの良い的になるだけだ。見た目は同じままにしとけ」

『わかったきゅよー。さっそく後続の補充リス部隊に混ぜておくきゅよ!』

これでミカンの探索もスピードが上がるだろう。

「こちらでもネズミ部隊を走らせるか。案外 G(ジャイアント) テストールの方が余裕だし」

「そうね、これならイチカあたりをネズミに回してもいいわ」

「というわけだ、頼むぞイチカ」

「了解やー。……ソト様にゴーレムの中につなげてもろて、そこからスタートとかしたら駄目?」

「最初から入ってました、って言うには数に限りもあるだろ。出し惜しみたいなぁ」

可能か不可能かで言えば可能なんだけどな。

スライム君、【収納】覚えてるのも混ぜてあるし。

「別に、さっきミカンに言っておいた方法で積んでました、でええやん」

「……スライムにDP預けてた、って言い張る手もあったな」

なら、スライム越しにネズミを放出するのもアリか。

「よし、ネズミファンネル射出! いや、ネズミファミリアの方が良いか?」

「えーっと、とりあえずソト様に頼んでくるわ」

「それなら実際にスライムにDP渡して現地で召喚してもらう方が良いな」

どうせDPで召喚するなら同じことである。ネズミ程度なら場所による値段の違いとかもあんまり関係なさそうだし。

というわけでこっそりとソトに右腕と左腕のゴーレムを動かしているスライム相手に【収納】ダンジョンを繋げてもらい、ひっそりとロクコに【収納】越しにスライムにDPを渡してもらった。

尚、スライムの名前は『 N(ネイキッド) テストール』君に命名、カタログ権限も付与した。

「うーし、それじゃあガッツリ探索してくるわ!」

「ああ、よろしくイチカ」

「任せとき! ウチ、頑張るでぇー!」

遠隔でネズミ達をDP召喚。そしてゴーレムから飛び出るネズミ達を慣れた手つきで操るイチカ。本当に頼もしい仲間だなぁ。

「私達は引き続き G(ジャイアント) テストールの操縦だけど……ニク、レイ。適度に交代して休息をとっておきなさい。敵の数もあんまり多くないし、先頭だけ操ってゴーレム達を自動で付いてこさせればいいわ。……そうね、2人いればゴーレムの運用は支障ないでしょ」

「わかりました、ロクコ様」

「了解しました。ロクコ様……ではまずは私がゴーレムを動かしておきますので、ニク先輩はどうぞお休みください」

「いえいえ。そう言うレイこそ聖女の仕事もあるのでは? たっぷり休むと良いですよ」

「ダンジョンバトルに合わせてオフトン教教会の仕事は有給とってるので大丈夫ですよ」

ニクとレイはゴーレム操縦の腕前が良いため、合体時はメインパイロットになるのだが……どちらもゴーレムの操作を譲りたくないらしい。

バチッと2人の交わす視線に火花が散った気がした。

確かに合体ロボなゴーレムを動かすのは楽しいけど、長丁場になるとすれば休まないと身がもたないしパフォーマンスも落ちる。ぜひともちゃんと休んで欲しいところだが……

「あー、じゃあ私は先に休みますねー」

「そうですね。では私も休みます」

そんな中、ネルネとキヌエはのんびりと休憩に入った。

休めるときに休む。それはオフトン教的にはとっても正しい姿である。

「レイ、どちらが先に休憩するかをどちらが多く倒せるかで決めましょう。わたしは右半身パーツを使います」

「望むところです。では私は左半身パーツを使いますので……さぁ、行きますよニク先輩!」

「フッ、わたしの操縦についてこれますか?」

うん、まぁ、ちゃんと休んでくれよ?