軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

レベルアップ

ナリキン達にはしばらく聖王国を好きに観光しておいてもらい、定期的に報告してもらって何か気付いたことでもあれば、ということになった。

そして今ロクコが取り掛かっている新事業、伝説の樹のある公園を作る計画がスタートした。

「むしろダンジョン内につくれば『嫉妬』ギミックにできるかもしれないわね。恋人の居ない冒険者からの」

「……ダンジョンで作るならカップルにならないと出られない部屋、とかになるのかな。判定が難しすぎる」

イチャコラ(全年齢向け精一杯のぼかし表現)しないと出られない部屋ってのは案外理に適った判定だったのかもしれない。まぁ、その場合『嫉妬』じゃなくて『色欲』だろうけど。あと男しかいないパーティーが集団でその部屋に入ったらどうするって話になるからやっぱなしで。

「……キスしないと奥へ進めない部屋、とかは案外アリね?」

「ワタルみたいに一人で潜ってる場合どうするんだそれ」

「……こう、ネルネの姿絵とかにちゅっと?」

「いいのかそれで? いっそキス用の像でも置いといて、それにキスしなきゃ通れない、の方が判定もハッキリしてて良いんじゃないか」

あ、自分で言ってて思ったけどいいなこれ。何個か石像を置いといて、当たりの石像にキスするまで出られない部屋。アタリは入るたびに換えるようにすれば、結構ないやがらせ……足止めにはなるかも。

【嫉妬】ギミックはこれでもいい気がしてきたぞ? キスしてもらえない像の嫉妬的な。

「複数置くの?……ちなみにその石像たちを全部壊したらどうなるかしらね」

「いきなりその発想になる?」

「いやぁ、ケーマがその部屋に入ったらって思っちゃって。ケーマの唇は私のものだし」

「一応否定はしないが、所有物にしないでくれ」

「え、あ、うん……否定しないのね?」

「……そこ突っ込んで聞かないでくれ、恥ずかしくなる」

というわけで、試しに石像を作ってみることにした。

作り方は単純だ。まず鉄板を用意します。これを【クリエイトゴーレム】で柔らかくして、顔の型をとります。型に別途【クリエイトゴーレム】で柔らかくした石を詰めて、型を外すと……石マスクになる。

あとは適当に石で作った胸像マネキンにこれを貼り付けて調整すれば――

「うん、顔だけだけど結構いい感じだな。……髪はカツラでも被せるか?」

「おおー、すごいわねケーマ。これもらっていい?」

「いいけど……どうすんだそんなの」

「部屋に飾るわ! ケーマも私の石像作って飾って良いわよ? 足の型でもとる?」

……わぁお、非常に魅力的なお話ですこと。

「型は取らせてもらうとして、ロクコの石像とかハクさんに高値で売れそうだな」

「あ、取るんだ。……売ってもいいけど、私もケーマの石像を貰うわよ? もちろん全身の。そして裸像にしてケーマの服を着せる感じで! 大丈夫よ、裸像は芸術だから!」

「その言い訳、俺がロクコの裸像作ってハクさんに言っても通じると思う?」

「…………………………い、いけるわ!」

「すごい間があったな。よしやめよう」

とりあえずダンジョンに設置するなら、レイあたりに協力してもらってベースを作り、像を個別に調整して別人にすればいいかな。

「ケーマなら【超変身】で元になる人物がいくらでも用意できるわよ」

「……変身中に【クリエイトゴーレム】が使えればいいんだけどな。今のところ、変身先が習得してないと使えないし……」

「ダミーコア割って【超変身】のレベル上げたらいけるんじゃない? 曰く、レベル6で変身前のスキルが使えるようになるらしいわよ?」

「……何それどこ情報? ハクさん?」

「トイが言ってたわ」

ということは情報源はレオナか……【超鑑定】とか持ってるレオナなら、正しい可能性は高い。レオナ自身も【超変身】をこっそり持ってる可能性だってある。

「この間ソトの時にレベル下がって、それを戻すのに1回ダミーコア破壊したからなぁ。今後また何かあったときのために余裕を取っておきたいんだが……」

「何かあるとして、あらかじめレベルを上げておいた方が将来的には【超変身】のレベルが高くなってて色々な事に対応できるんじゃない?」

「……まぁ、ソトの件がなければそろそろ2レベル上げてたわけだから、もう1レベル上げるくらいはいいか」

そんなわけで、5000DP使ってダミーコアを交換。破壊して【超変身】のレベルを上げることにした。

「……ソトの【ちょい複製】ってレベル上がるのかしら?」

「試すにしても、ソトはまだ生まれたてだし1,2年は置いてからのほうがいいんじゃないかな。なんとなくだけど」

「下手に暴走しても困るものねー」

ダミーコアを置いて、ゴーレムブレードを構える。

そこにロクコがそっと手を添えてきた。

「ふっふっふ、聖王国の公園での壷割りを思い出すわね?」

「こっちの方が本家と言えば本家だもんな……」

「あのときはロクファとナリキンだったから、これはこれでやっときましょ!」

いいのかそれで? と思わなくもないが、共同作業的にダミーコアを割る。

コアから溢れた光が俺に入ってきて、【超変身】のレベルが上がった。

俺は【超変身】の効果を確認する。以下の通りだ。

・24時間中にLv回(Lv6なら6回)、思い描いたモノに変身することができる。

・Lv1効果:実在する何かの姿に変身できる

・Lv2効果:変身したモノの能力を一部模倣できる

・Lv3効果:72時間に1回、変身した状態で死亡しても変身を解除して復活

・Lv4効果:過去に実在していたものに変身できる。

・Lv5効果:変身後の制限緩和。固有の能力が一部使えるようになる。

・Lv6効果:変身中に変身前のスキル使用可能。(勇者スキルは制限)

「……これで【超変身:Lv6】か」

「体調は大丈夫そう?」

「おう、大丈夫そうだ。そんでロクコの言ってた通りだな。どうやら【超変身】後に今持ってるスキルも使えるらしい」

「ん? ってことは、例えば……ゴーレムに変身した上で【クリエイトゴーレム】が使えたりするのね!」

「そういうことだな」

「……【超変身】したうえで【超変身】は?」

「制限があるってよ。試してみるか」

試しに【超変身】でニクに変身、その状態でさらにロクコに【超変身】を行おうとする。ロクコの姿になった。

……ん? できたのか? と、【超変身】を解除すると、完全に変身前の状態に戻った。

「あれ、どういうことだ……あ、そういうことか」

重ね掛けにはならない、連続変身。もちろん1日の回数制限は適用される。

今まで【超変身】するときは必ず変身を解除した状態からやり直してたけど、いちいち変身を解除しなくても次の変身ができる、という具合らしい。隙が減ったな。

「ま、そんなに悪さはできないか」

「……ね、ひとつ思いついたんだけど、魔剣ケーマとかどうかしら? オリハルコンの剣に変身した上で、魔法もバンバン撃つ最強の魔剣ができるわ!」

「何それ凶悪すぎる」

おおロクコよ、そんな悪辣な事を真っ先に思いつくなんて……! 成長したなぁ。