軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

思い出したかのようにダンジョン開発。

万事 恙(つつが) なくハクさんとの話し合いを終えた俺達は、ダンジョンでごろごろすることにした。

「なーなーご主人様ー。暴食罠の稼働はまだかいなー?」

「……しまった、なんだかんだいろいろ忙しくて忘れてたな」

ぶっちゃけやる必要性を感じなくもないけれど。元々思い付きの暇つぶしみたいなもんだったし、ソトが現れてからこの方色々忙しいようなそうでもないようなで暇があったらゴロゴロしたい。

「そうですよパパ! ご飯食べ放題とかすごい素敵な場所じゃないですか!」

「うぉっと! ソト、いきなり出てくるなよビックリするじゃないか」

にょきっと唐突にソトが【収納】を開いて現れた。

「また【収納】に入ってたのか」

「そりゃ私のダンジョンですからね!」

俺の【収納】……いやまぁいいか。というか、【収納】の中から話聞いてたのか? 本当に便利に色々使えそうだなぁ。

「ところで暴食の罠ってなんですか?」

「この間ご主人様が開発してた、食べ放題の足止めトラップや。なんと、ゴーレムの料理人がモンスタースポーンで手に入る食材を使って料理を作り続けてくれる!」

「パパ、暴食の罠を私のダンジョンにも作ってください! 食べ放題、なんて素敵な言葉!」

ソトは目をキラキラさせておねだりしてきた。……まぁ、作るのもそんなDPかかるわけでもないしいいか。

というわけで、ソトのダンジョンに暴食の罠を作ることにした――

――が、ソトのダンジョンではスポーンが使えなかった。ソトのカタログに、モンスタースポーンが無かったのである。

「なんで!?」

「……そういえば、ウチのダンジョンでも最初はモンスタースポーンなかったなぁ」

「なにか条件があるんちゃう?」

「そんなー! どんな実績を積めばスポーン作れるようになるんですか!?」

「たぶん召喚数なんじゃないかと思うんだよ。だからしばらくウサギだけ召喚しまくってみればいいんじゃないか? 食材にもなるし。スポーンが出るまではウサギ肉は普通に召喚して調達すればいいし」

「むむむ……」

残念がるソト。とりあえずシェフゴーレムだけ渡して、ウサギや調味料は手動で補充してもらうことになった。

まぁミカンのところでも草スポーンとかがあったくらいだし、色々出していればそのうち使えるようになるだろう。もしかしたら種類を出すのが肝心と言う可能性もあるけど、その時はその時だ。

そもそもの所、ウサギくらいならDPにしても大した出費じゃないし。イチカが一晩ソトのダンジョンに泊ればウサギ1日分は稼げるだろう。村人が増えた今、そのくらいは余裕である。いや、普通にDP譲渡すればいいだけか?

……まぁ、なんともブルジョワになったもんだ。俺がこの異世界に来た当初はダンジョンを山賊が占拠していたり、収入が地脈効果での1日10DPしかなかったりしたもんなぁ。

「てかソト様、そもそも【ちょい複製】で料理増やせばええんとちゃうん?」

「アレでゴハン複製してもおなかにたまらないので、満腹にならないんですよぅ」

「あー、一時間で消えるんやったな。いくらでも食べられるっちゅーのは、ウチみたいなのにはむしろ嬉しい事でもあるんやけど」

「イチカお姉ちゃんはグルメですもんねー」

グルメというかゲテモノも食べたりするので悪食と言っても良いかもしれない。さすがに靴下までは食べないけど、ソトとはとても仲良くできそうだ……

「ソト様は一度食べたモン食べ放題なんがええなーホント」

「でしょう。ふっふっふ、ハクおば様の女神級レジェンドレアタイツを分けてあげてもいいんですよ?」

「うーん、それはさすがに食べられへんなぁ?」

胃の中で消えるから身体に悪くはないとはいってもさすがにねー。

さて、ソトに『暴食』ギミックを作って思い出したが、七つの大罪ギミックの残りも作っとくかな。

『強欲』はお試し部屋、『怠惰』は休憩所ので稼働済み。

『憤怒』はさりげなく倉庫エリアで稼働させてるし、『暴食』はサキュバス村と入れ替えで配置しておこう。そろそろサキュバス達の引っ越しも済んだし。

『色欲』は闘技場の手前、謎解きエリアとの間にでもサキュバス石像&サキュバス体液のアロマスチーマーをおいた小部屋を用意。……こいつはめったに使われないくらいでいいからな。ここでいい。

というわけで、残りは『嫉妬』と『傲慢』の2つ。

……そしてこれはウチの村でもワタルに対してのドS行為で有名なネルネに相談したときの話だが――

『思うにー、『傲慢』はあえて存在しない方がそれっぽいですよー』

『そうか?』

『七つの大罪ー、ってテーマがあるとしてー、そのテーマに気づいた人がいるとしますねー? そうなればー、「他の6つがあるんなら『傲慢』も あるにちがいない(・・・・・・・・) 」なんてー……そう思っちゃうじゃないですかー?』

ですがー、とネルネは一息入れる。

『ニンゲンごときがー、ダンジョンのことを知った気になるー……それこそ『傲慢』というものですよねー?』

『……なるほど。いやらしい発想じゃないかネルネ』

『いやーんー? お褒め頂き恐縮ですマスター』

――と、そういうアイディアを貰ったのだ。存在しないことで存在する罠。なんて『傲慢』の名に相応しいトラップだ。

まぁ完全に影も形もないと逆にダンジョンを隅まで探そうとか考える輩がいそうだから、意味深な絶対に開かない扉でも用意しとけばいいだろう。他の6つが見つかってる前提だから、闘技場の先、ボス部屋手前にでも作っておくか。

というわけで、後作るべきは『嫉妬』ギミック。

……んー、まぁ、適当にガラス越しにお宝を見せびらかし、しかし絶対に取れないみたいな羨ましがらせる部屋でも作ってみるかねぇ?

まぁガラスじゃ割られそうだから、何か考える必要はあるか。最悪、可視状態のモニターで別室の映像を流すでもいいかな。