軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

ただいまゴレーヌ村(2)

レイの下に顔を出しに行くことにした。暗殺者とかどういうことなの。

というわけで、オフトン教教会だ。机は満席、相変わらず盛況である。本棚の前で立ち読みしてるヤツもいる。こいつら全員オフトン教徒である……うーん、ここまで流行るとは……

「あ、村長。オヤスミナサイ」

「教祖様じゃん。寝に来たの? でも机は満席だよ」

「読書しつつ昼寝の順番待ち。優雅な休日……! あ、教祖様オヤスミナサイ」

信者たちは中々に充実した生活をしてるようだな。でもこの混雑っぷりは、少し増築した方が良いのかもしれない。

そうだ、ドラーグ村にも教会を建ててもらおうかな? ……良いんじゃなかろうか。あっちにも人が流れて丁度いいことになるかもしれない。あっちの村もロクコのダンジョン領域だから、別に人が流れてったところで何の問題もない。

っと、今は暗殺者の事だった。俺は休憩室で椅子に座って休んでるシスター服のレイを見つけた。マッサージは予約制になってて、今は空き時間のようだ。

周囲に誰もいないし、ここで良いか。

「レイ、暇か? ちょっと話がしたいんだが」

「あ、はい。なんでしょうかマスター」

「暗殺者に狙われたって聞いたけど。ミーシャから」

「あー、はい。ミーシャさんが軽く片してくれたので、特に何事もなく終わって忘れてました。はい、狙われてたみたいですね」

マジか、ミーシャ有能すぎる……どうやら本気で忘れるくらい大丈夫だったらしい。

「なんというか、その。レイが狙われるとは思わなかったな。なんなら聖女解任しようか?」

「いえいえ。私なら死んでも大丈夫ですし、いいじゃないですか」

ん?

「え。ほら。私ネームドなんでモンスターの復活機能があるし……DPはかかりますけど」

「あぁ……そういやあったな」

そういえば『父』もそんなことを言っていた。……今度『ゴブ助』復活させてテストしてみるか? すっかり忘れてた。

「それで暗殺者はどうした?」

「抵抗できないように色々処理してから情報抜いたのち、私が貰いました。ダンジョンの裏でDP要員として飼ってます」

ダンジョンの裏というのはこの場合裏側に作った人間牧場の事を指す。そこで暗殺者達は妖精のエレカと一緒に死なない程度に面倒を見ているらしい。

色々処理、の部分は、まぁ気にしない方が精神衛生上いいんだろうなぁ……

「情報的には、光神教の暗部っぽいですね。シスター長が吐かせてくれました」

「それはミーシャからも聞いた。……光神教かぁ。やっぱり宗教は怖いな」

「マスター? 我々もオフトン教ですが?」

そういやそうだった。しかもこっちは歴史も背景も薄っぺらい新参者だったわ。

ついでにハクさんの白神教の方もあって、こっちは宗教的にはお友達だ。

……ロクコをオフトン教の女神とすれば白神教対策は安泰では……?

「とりあえず、私的には吸血鬼としての本能も満たせるので助かってますよ、暗殺者」

「……ああ、まぁ死んでることになってる相手なら飲み過ぎて死んでもいいからな」

「はい。ネムレヤスラカニ、ですね。あまり苦しませずにじわじわいたぶります!」

うんうん、そうだね? としか言いようがない。

「とりあえず、レイの戦力を強化しとこう。当面は俺の剣を渡しておく。攻撃力はないが足止めには最強なところあるからな。……あとスキルオーブで【気絶耐性】も覚えとけ」

「えっ、いいんですか?」

「大事な愛剣だから何か対策を思いついたら返してもらうけど、とりあえずはそれで」

俺は愛剣――昼寝剣シエスタをレイに手渡す。

……俺の戦闘力については、まぁ魔法があるので大丈夫だろう。あとで【スリープ】のスクロールでも交換して覚えとこう。闇属性の下級だからそんなに高くないし。

……しかし【スリープ】は前にシスター長のスイラにもかけてもらったことあるんだけど、シエスタの方が気持ちよく寝れるんだよな。さすがシエスタ。さすシエ。

『……!』

「ん? どうしたシエスタ」

『……! ……ッ!』

「いやいや、頼むよ。レイのこと守ってやってくれ。この通り」

『…………』

「うん、頼む。俺は大丈夫だからさ」

シエスタも渋々ながら了承してくれた。

「あの、マスター? 今シエスタ……魔剣と話してました?」

「え? ああうん。離れたくないって言われてしまってな。いや、言葉に出してたわけじゃないんだけど」

『……っ』

「ハハハ。シエスタはツンデレだな」

「マスターの言語機能ってどうなってるんですかホント」

まぁニクよりは表情読むの難しいかな。うん。

ちなみにシエスタはミーシャが『今後は 俺(ケーマ) が狙われる』と言ってたので離れたくないと言っていたのだ。仲間思いなやつめ。

まぁ【超変身】もあるし、俺もそう簡単には死なない自信があるぞ。

「ついでにミサもレイに頼むかな。俺は暗殺を警戒して部屋に籠るとしよう」

「あっはい。えーっと、よ、よろしく? シエスタ?」

『……。……』

「ほぉ。よかったなレイ。そうだな、ダンジョンじゃレイの方が先輩だもんな」

「えっ、えっ? 何か言ったんですか? 何が良かったんですか?」

「レイ先輩の言う事に従うそうだぞ? ……シエスタ、レイにはもう少しはっきり意思表示しないと分からないみたいだ。魔力を震えさせたりできないか?」

『……!』

「おおっ!? なんかピクッてした! ……本当に意思疎通できてるんですねマスター」

「なんだおい疑ってたのか? 出来てるに決まってるだろ、俺の剣だぞ?」

「いやだってシエスタの動きが全然見えないんですもん……」

と言うわけで、俺は暗殺対策として部屋に籠ることにした。なんせ狙われてるからね、仕方ないね。

「ねえミーシャから聞いたんだけど、暗殺者だって? 暗殺者。ケーマが狙われてるんだって? じゃあ『神の毛布』使うしかないわね? これは仕方ないから仕方ないわよね?」

そして部屋でお布団を敷いているところにロクコがやってきて、なんかすごい笑顔でそう言ってきた。

「……あの、ロクコ?」

「なぁにケーマ?」

「前の通りとかなんとか……言ってなかったっけ?」

「これは夫婦とかじゃなくてダンジョンマスターの命を第一に考えて効率的に考えた結果だから。あ、ニクも呼ぶ? 抱き枕兼護衛も居た方が安心よね」

というわけで、ニクもあわせて3人でゆっくり休むことになった。

……ニクは俺とロクコに抱き着かれて身動き取れなかったのでは……? まぁ、うん。抱き枕だから仕方ないね、これもね。