軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

見回りダンジョンマスター

偽Bランク冒険者(Dランク)を冒険者ギルドに突き出し、一同にプリンを奢った。

ついでに俺の懐にちょっとお小遣いが入ったが、まぁ今の儲けから見たら誤差みたいな額だな。

あと、相手の使ってたサイコロは4,5,6しか出目のないシゴロ 賽(さい) だった。チェックした後にすり替えたらしいが、1とかの出目も全部一色だと分からないもんだねぇ。

とりあえず宿もチェックしたし、残るはダンジョンだ。

まず『ツィーア山貫通トンネル』、こっちは実際メインとなる『欲望の洞窟』の一部なのだが冒険者ギルドの管理としては別ダンジョンとなっている。

で、ここは中で通行料をもらって扉を開ける仕組みになっており、その判断基準は単純に重量である。そんなわけでパヴェーラの香辛料やツィーアの小麦粉等が主な交易品になっていたりする。比較的軽くていい値段で売れるからな。

料金所となる部屋については洞窟の中央で6部屋横並びになっていて、通行料が払えなかった場合は、引き返すか、荷物を一部諦めるか、その場で他の商人に売り払うことになる。

料金所が多少移動したり増えたりしたが、別段モンスターが出ないということで特に問題視はされていない。都合は良いが、いいのかそれで。

……洞窟が使えないと困る商人が色々手を回したのかな? とも思う。

「んじゃ、イチカはここまででいいぞ。あとはさすがに分かるからな」

「ん? そか、ならウチはこれにて」

報酬のカレーパンを渡すと、イチカはにこにこと去って行った。

さて、ここからは『欲望の洞窟』のメインダンジョン。俺は村長部屋に戻った。

……ぶっちゃけ歩き疲れた。あとはメニューでよくね? ダンジョン内なんだし。

まずダンジョンの入り口をくぐると、石畳のエントランスフロアだ。

扉から刃がでてきたり、いくつかの石畳は落とし穴になっていたりと罠も多く、奥の方のは下手すりゃ死ぬが入口のは足首をくじくレベルの優しいものになっている。

あとゴブリンが出てくるのが特徴だな。

まさに初心者の訓練にうってつけのフロアであり、このダンジョンが比較的平和にみられるのはこのフロアのおかげと言ってもいい。安物だがアイテムの入った宝箱が適度に現れるので、初心者の小遣い稼ぎにもいい。

次に迷路フロアだ。第2、第3階層にあたる領域を行ったり来たりするのが正解ルートで、ウチのダンジョンで稼ぐならここ! という場所だ。

その理由は、ここに出現するアイアンゴーレムにある。

アイアンゴーレムは全身が鉄。つまり鉄材だ。これが結構いい値段で売れるのだ。

ダンジョン的に見てもアイアンゴーレムはモンスタースポーンからほぼ無限に供給されるので尽きることも無い。ダンジョン鉱山と呼ばれる所以だな。

俺もこの鉄材を使って色々作ったりしている。仲間を殺すのはアレだがゴーレムは素材だから別腹。そんなかんじ。

あと壁に擬態してるゴーレムが動いて迷路の順路が細かく変わったりする。

……そいえば魔剣のお試し部屋もあるんだよな。最近はちゃんとお試し部屋としての取り扱いが認知され広まっている。

迷路を抜けた先にあるのは、『強欲の宿屋』と命名された、DP搾取施設が横にある部屋だ。ここは完全に素通りできる。

冒険者の滞在で手に入るDPは、冒険者を閉じ込めた方が高くなる。というわけで『強欲の宿屋』は、小部屋の中に半日から1日閉じこもっているとアイテムや金が貰えるという小部屋がいくつか並んでいるのだ。

実際は俺達が裏から適当にアイテムや金を置いて渡している。たまに魔剣ゴーレムブレードをくれてやると大当たり扱いで、とてもチョロ……収益の良い施設となっている。

『強欲の宿屋』を素通りしたらトラップ盛りだくさんの吹き抜け螺旋階段を降り、倉庫エリアだ。

ここは【クリエイトゴーレム】で実験的に作った4本腕のゴーレムとか針山のようなゴーレムが守っているが、基本的には魔剣ゴーレムブレードが手に入りやすいエリアだ。整然とした通路と部屋はまさに倉庫。

最近はここまで冒険者が入り込んできている。

あと、ここからは4本に分かれている。うち1つが闘技場やボス部屋に続いており、1つは隣のダンジョン『火炎窟』に続いており、1つは開発中エリアに続く謎解きエリアで、最後の1つはサキュバス村に続いている。

闘技場では俺お手製のハニワゴーレムが待ち構えている。色々ギミックもあり、かなりの強さを誇る。少なくともCランク冒険者ならランク詐欺なヤツ以外はどうとでもできる。

ボス部屋にはこれの総鉄製、アイアンハニワがお出迎えだ。

で、その先にはコア部屋。ただしあるのはダミーコアだ。対外的にはこのダミーコアをもって最下層ですと言い張っておけば、まぁ低階層でいい具合のダンジョンなんだろうと認識されるだろう。

あとうちの見習い魔女、ネルネに与えた研究室はコア部屋の天井に隠し部屋として設置しており、そこでは日夜(バイトシフトのない時は)魔道具に関する研究が行われている。

……今は『魔道具エンジン』を研究させてたっけかな? 回転もしくはピストン運動ができる魔道具を開発中だ。熱エネルギーで空気の膨張をどうこうすればピストン運動できるんだから、魔道具を使えばクリーンなエンジンが作れるはずだ。

え? ゴーレムエンジンで十分だろって?

そこはまぁ、使い分けや俺以外が作れるという点に意味がある。実際に比べたら魔道具エンジンの方が性能が良いかもしれない。できることは多い方が良い。

……っていうか今他に研究する対象があんまりないって言うのもあるんだけどね。

で、『火炎窟』に続いてる洞窟だけど、こちらは基本的にフェニのおうちだ。犬小屋としてビルのワンフロアを借りるくらいの贅沢加減を感じる。

ここは最近マグマの中を泳ぐテッポウウオみたいなのが増え、多少攻撃力が上がった。他に特筆すべきことは無い。『火炎窟』との仲も良好だしな。

えーと、開発中の所はこの間色々とバラエティー番組っぽいアトラクションを作った。肉体派芸人が好きそうなやつを。で、その奥はやっぱりまだ開発中だ。

最後にサキュバス村は、保護したサキュバスの村となっている。

現状は内職でこけし作らせるくらいしかしていないが、仮に冒険者が入り込んだらナニカを搾りつくされてダンジョン前に下着一丁で転がるハメになるだろう。あいつらは男女構わず食っちまうからな。命までは取らないように言ってある。

尚、冒険者が抵抗したらこちらも援軍を出す用意がある。構図を見るとまるでボッタクリバーだな。

サキュバス村は、スイラが代表で村長みたくなっている。……こいつらも内職じゃなくちゃんとした仕事をあげたいが、今は何も思いつかないのだ。すまんな。

モニターを見ると、ロリサキュバスのミチルが内職で小さめのこけしを彫っていた。真剣な顔でこけしを握ったりさすったり頬ずりしたり舐めたりして調整している。……うん、触り心地にとてもこだわっているようだ。このこだわりが売れる秘訣なんだろうなー(棒)

俺はモニターを閉じる。見回り終了っと。

……寝るかな!