軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

344、未帰宅

領都に無事到着。

「じゃあリゼット、セプティクさん。今日はありがとう。また何かあったら頼むね。」

「こちらこそありがとうございました。カース様のためなら何でもいたしますので!」

「ありがとうございました。今度こちらのお屋敷の方にも点検にあがりますので。」

そういやここの我が家にもスライム式浄化槽はあるもんな。浄化槽部屋の鍵がないが……辺境伯家に行けば分かるかな?

「ああ、頼む。じゃあまた。」

「ピュイピュイ」

「ガウガウ」

城門前で二人と別れて帰ろうと思ったら……

「リゼット、何やってんだ?」

「カース様のお屋敷までご一緒してはいけませんか?」

「そりゃまあ構わんが。」

辺境伯家三男の婚約者が街を見知らぬ男と歩いてもいいのか? 知らないぞ?

「会長! 探しましたよ! どちらに行かれてたのですかぁー!」

突然登場したのは役立たずの護衛。えーっとジャンヌだったか。

「あらジャンヌ。あなた今日も休みじゃなかったかしら?」

「確かにお休みをいただいてましたけど! ふと会長が心配になったもので! どちらに行かれてたのですか!?」

「ふふ、カース様とデートよ。野暮なことは言わないの。だから護衛はいらないわ。明日からまた頑張ってね。」

「そ、それはもう。で、会長どちらに行かれてたのですか?」

「天国かしら? カース様ったらすごかったんだから。」

「そ、そうなのですか! それは一体どこの連れ込み宿で!?」

何なんだこいつは……リゼットの浮気の証拠でも掴みたいのかな。役に立たないにもほどがある護衛だな。

「うふ、内緒。じゃあまた明日ね?」

「ああ、会長そんな……」

「あいつはいつまで泳がせとくの?」

「どうしましょう? たった一度だけ役に立ってくれたらそれでいいんですわ。それまではこのままですわね。」

「ふーん。色んな考え方があるんだな。」

スパイは排除するだけが能じゃないんだな。さて我が家に到着。

「おかえりなさいませ旦那様。」

「おかえりなさいませ。」

マーリンとリリスが揃って挨拶をしてくる。

「ただいま。アレクは帰ってきてる?」

「いえ、まだのようです。ではお食事はお嬢様の分もご用意しましょうね。」

「それで頼むよ。もちろんリゼットの分もね。」

「かしこまりました。」

「カース様ったらやっぱり優しいお方! ダミアン様に嫁ぐ我が身が恨めしいです……」

嘘つけ。

「ダミアンと結婚してもここに来る気満々だろ。どうせダミアンもちょくちょく来そうだし。」

「ですよね! ではお風呂にしましょう! さあ入りましょう!」

「ガウガウ」

そうかそうか。

「カムイと入っててくれよ。そんでしっかり洗ってやって。カムイを相手に点数稼ぎするのも悪くないだろ?」

「もぉー仕方ないですね。アレックス様が来られたらカース様もお風呂に来てくださいよ?」

「来たらな。」

「ガウガウ」

「カムイが早く洗えってさ。頼むな。」

「もぉー! 行くわよカムイちゃん。」

「ガウガウ」

ほんとカムイのやつ、いつからこんなに風呂好きになったんだ? 野生の誇りを失ってないだろうな?

さーてアレクはまだかなー。

「おう帰ったぜ。」

ダミアンかよ。ここはオメーんちじゃねぇぞ。

「おかえりなさい。」

「おかえりなさいませ。」

マーリンもリリスもきっちりしてるのね。

「おうカースいたのか。いい酒持ってきたぜ! 飲むよな?」

「おお。飲む飲む。ただしアレクが帰ってからな。オメーはそれまで適当に何か摘んでろよ。」

私はまだ食べないけど。

「ピュイピュイ」

コーちゃんは待ちきれないよなー。いいんだよ。好きに飲み食いしてていいからね。リリスがさっとツマミを出している。手際がいいし結構うまそうだな。

「おーリリス。いつもすまんな。ありがとよ。」

「いえ、お口に合えば幸いです。」

おっ、リリスとダミアン。何かあるのか?

「ピュイピュイ」

コーちゃんもリリスのツマミが好き? 飲兵衛だねえ。

アレクが来ない……

そろそろ日没だぞ……アレクが約束を破るはずがない。もしかして……何かあったのか?