軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

96、王国一武闘会

翌朝、早速アレックスちゃんが話しかけてきた。

「おはよう。大変なことになっているようね。パスカル君は来てないし。」

やはりアレックスちゃんは事情を知っているのだろう。

「やあおはよう。どうもそうらしいね。僕は気にしてないんだけど。」

「ふふふ、カースらしいわね。結局パトリックさんはどうしようもなく暗愚だったということよね……」

「どうも話を聞くとそうらしいね。知らないから聞くけど、みんな王都辺りの貴族はどうしようもないって言うよね。そうなの?」

「残念ながらそうなの。私もここに来るまで知らなかったわ。王都で生まれて物心つく頃にフランティア領都に来て。あの頃はそれを当たり前と思ってたけど……」

「でもよくそれで国がまとまるよね。平民が反乱とか起こしたりしないの?」

これがずっと不思議だった。

貴族が横暴だとすぐ反乱とか起きそうなのに。

「それは無理よ。だって強さが違いすぎるんだから。それに王都は陛下を始め王族の力が極端に強いの。だからダメ貴族も王族には決して逆らわないらしいわ。下にだけ威張り散らすみたいよ。」

数集めても勝てないのか?

貴族はそんなに強いのか。まあ平民は大抵烏合の衆だろうしね。

「へーすごいんだね。まあそこら辺の貴族とは関わらなければいいよね。」

「そうだといいんだけどね。五年に一度、王都で開かれる王国一武闘会があるじゃない?

あれに出るとなるとそうもいかないかも知れないわよ?」

「ああ、あれは今年の秋頃だっけ? 僕らは出ないから関係なくない?」

「やはり出ないのね……」

いきなり何を言い出すのやら。出ないに決まってるよ。

「もちろん出ないよ。わざわざ王都なんか行きたくないしね。この間もこんな話をしたよね? 僕が出てもいいことないよ?」

「そんなことない! 私のカースは絶対すごいんだから!」

「そりゃ魔力量には少しは自信あるけど、それだけで勝てるほど本当の強者は甘くないと思うよ?」

さらっと『私のカース』って言いやがったな。悪い気はしないけど。

「ところで、賞品とか賞金って出るのかな?」

「ええ、十五歳以下の部で優勝すれば好きな進路を選べる権利と金貨十枚。準優勝で金貨十枚のみ。

一般の部だと、優勝は金貨百枚と近衛騎士団への仕官、準優勝で金貨五十枚と騎士団への仕官だったわ。」

「ふーん、準優勝まで貰えるんだね。」

何てショボいんだ。そんなので参加者は集まるのか?

「ちなみに何人ぐらい参加するものなの?」

「だいたい各千人ぐらいらしいわ。実際はそれが魔法ありの部と魔法なしの部に分かれるわ。それでも勝ち抜くのは並大抵のことじゃないわね。」

ということは四人優勝者が出るわけだな。

「へー、前回の優勝者って誰なんだろうね? 知ってる?」

「知らないわよ。五年前なんだから。カースのご両親ならご存知なんじゃない?

私もそこまで興味があるわけじゃないしね。」

五年前、私は三歳、ウリエン兄上は十一歳か。兄上が参加するには少々若かったのか。

見てみたくなってしまった。

誰か映像魔法を開発してくれないかなー。