軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

307、アレクサンドリーネの危機

「カース君とキアラちゃんが来てくれて助かったよ。」

「いや、セルジュ君が呼びに来てくれたおかげだよ。五等星かぁ……やっぱり強いんだねぇ……」

「ほんと……スティード君が子供扱いだったよ……」

「バーンズさんによると、手加減する余裕は無かったそうだよ。本当だといいけどね。」

側から見ると子供扱いだったのか。私は見てないからバーンズさんの言うことが怪しくなってきたな。アステロイドさんやゴレライアスさんに会ったらバーンズさんの大人気なさをしっかり話しておいてやろう。

何にしてもスティード君が助かって良かった。

明日はどうしようかなー。あんまり出る気分ではなくなってきたな。まあダミアンも楽しみにしてるだろうからルールを確認するだけしてみて、それから出るかどうか決めても遅くはない。

とりあえずスティード君を連れて帰らないとな。さっきから治癒魔法使いさん達がここを閉めたがっている。いや待てよ? うちよりギルド付近の治療院の方がいいな。何かあったら大変だもんな。

ちなみに治療費は金貨二十三枚。キアラが手伝ったから安くしてくれたそうだ。これはセルジュ君が払った。

セルジュ君と一緒にスティード君を治療院へ。あ……やば、前に入口をぶち壊したのを忘れてた……

まあいいや、患者が来たのに留守にしてる奴らが悪いってことで知らんぷりしてよう。

セルジュ君はこのままスティード君に付き添うそうなので私だけカファクライゼラに戻る。そう言えばアイリーンちゃんとバラデュール君はどうしたんだろう?

さてと。カファクライゼラに寄って勘定を済ませて……金貨三十二枚……インフレでも起こってんのか? なんでカフェでこんな値段になるんだよ……?

まあ払うけどさぁ……舶来物を扱う店はやはり高いんだなぁ……

なお、私の現金資産は残り金貨五百枚を切っている。最盛期の何分の一だよ……

そりゃ切り詰めれば一生食べていける大金だけどさ、今さらそんな貧乏暮らしができるはずもない。演劇だって行きたいし、楽器だって買うつもりなんだから。

さて、我が家に到着。夕飯は必要ないな。好きに風呂に入ってもらって好きなように寝てもらおう。

「ガウガウ」

おっと、カムイか。何? さっさと洗えだって? 一日中家でのんびりしてたくせに。

「あーカムイだー!」

「ガウガウ」

カムイのふかふかな毛皮に飛び込むキアラ。絵になるねえ。そうなると……

「キアラ、カムイを洗ってやってくれるか? 風呂に入ってくるといい。」

「いいよー! いこーカムイー!」

「あっウチも入るっすー! ここの風呂ダルやばなんっすよね!」

ダルやばって何だ……

「なら私も入らせてもらおうかな。カース君も一緒にどう?」

「ベレンガリアさんだけ廊下で寝てもいいんだよ?」

「かったーい! 余裕がない男ってダメよねぇ?」

キアラとシビルちゃんだけなら一緒に入ってもいいんだがね。ベレンガリアさんは子供の目なんか気にせず酷いことをしそうだからな。

「庭で野宿って手もあるよ?」

「もー! アレックスちゃんがもし「経験豊富な男が好き」って言い出したらどうするのよ!?」

「アレクがそんなこと言うわけないじゃん。アレクが好きなのは経験の寡多に関わらず丈夫で長持ちする男だよ。」

「うわあーいやらしいー!? キアラちゃんに言ってやーろぉーっと!」

「別にいいけど母上に怒られても知らないよ?」

「そ、それは、まずい! まずいわよ! 取引よ! カース君が負けたことは黙っておくから今のも内緒よ! いいわね!?」

私が負けたことはベレンガリアさん以外からも伝わるだろうに。まあいいか。

「いいよ。今日のところは黙っておくね。だからベレンガリアさんも口には気をつけようね。」

「そ、そうね! カース君がつれないからつい、ね……」

全く……

さて、アレクの様子を見に行こう。静かに寝てるかな?

ゆっくりと寝室のドアを開ける。ん? 苦しそうな息遣いが聞こえる……まさか傷口が!?

「アレク! 大丈夫!?」

「あんっ、か、か、カース!? だ、大丈夫よ! 大丈夫だから来ないで! わ、私、汗が!」

まさか熱が出てかなりの汗をかいたのか? それはいかん。かなり魔力が低下してるってことだ。それなら……

「ちょっとだけ! ちょっとだけ待ってて! 安静にしてるんだよ!」

「う、うん……」

私は大急ぎで台所に向かう。ここにアレがしまってあるんだ。

「旦那様? いかがなされました?」

「おおリリス。騒がせてすまん。ちょっと魔蔵庫にな……あった!」

「ああ、ネクタールですか。旦那様は無傷……お嬢様にですね? それならばそのままは危険かと。果実かお水で割ってはいかがでしょうか?」

「さすがリリス! いい考えだ!」

ネクタールは私からすると無味無臭だけど……果実で割ってみるか。

「今日は何がある?」

「ペイチの実とオランゲの実がございます。」

なら両方だ。ミックスネクタールジュースだ。

『氷壁』

果実を丸ごと氷の壁で覆い、一ヶ所だけ小さな穴を開ける。そして圧力百倍!

見事に冷えた果汁をゲット。これをネクタールと混ぜて……シェイク!

ブレンドネクタールの完成だ! 汗をかいた体にこの冷たさは爽快だろうな。待っててねアレク!