軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

173、ドラゴン装備の発注と天空のファッションショー

ギルドにて。組合長に会いに来たが不在とのことだった。昼過ぎには戻るらしいので少々ひまができてしまったな。

ならば……

孤児院にやってきた。サンドラちゃんの弟達に手紙を渡すのだ。まあ今の時間は学校だろうから院長に渡しておくのだが。

返事があればマーティン家まで届けるよう伝えてもらうことにして、オークを一頭寄付。みんなで食べてね。

次、ファトナトゥールだ。例のコートが完成している頃だろうからな。

「こんにちはー。」

「失礼します。」

「ピュイピュイ」

「いらっしゃーい。できてるよー。」

ラウーラさんは朝から場末のチーママ感が出てるよなぁ。

しかし、待っていたぞ。サウザンドミヅチの真紅のコート! さあアレク、着てくれ!

「うわぁすごいわ……」

「最高だね! よく似合ってるよ!」

「問題ないねー。毎度ありー。それより坊ちゃんねー、今着てる服だけどそろそろ限界ねー。メンテナンスが必要ねー。」

それもそうか。体の成長に伴ってサイズは自動で調整されているが、さすがに限界はあるよな。魔法効果もかけ直す必要がありそうだし。ならば……

「整備は次回お願いします。今回は新しく注文しますので。」

「いいよー。じゃあ寸法頂戴するのねー。」

「アレクの寸法もお願いします。同じ物を注文しますので。」

「いいよー。」

「え? カース? 何を? 新しくコートを作ってもらったばかりなのに……」

「まあまあいいからいいから。」

そして採寸が終わる。

「さて、今回の素材ですがドラゴンです。」

「へ? ドラーゴン?」

「ドラゴンですって!?」

ふふふ、二人とも驚いてるな?

「解体してないもので、ここでは出せないんですよね。よかったら一緒にギルドに行きませんか? 必要な部位を取ってもらえれば。」

「行くよー! 腕がなるよー!」

「いつの間にドラゴンなんか……」

「ふふ、後で話すね。大変だったんだから。」

ギルドにて解体を依頼する。フェルナンド先生には自分で解体するよう言われているが、さすがにドラゴンは無理だ。素直に頼むとしよう。

さすがに解体担当の職員さんも驚いていたな。本格的に解体すると時間がかかるが、とりあえず皮だけでも剥いでもらおう。結構大きな穴を開けてしまったから、そこまでたくさん使える所がないんだよな。

職員さんが使用する刃物に『 魔切(まなぎり) 』をかけておいてあげよう。魔力大盛だ。

待つこと一時間。皮だけは終わった。職員さんにはこのまま継続してもらうとして、私達は店に戻ろう。

「いやー、いいもの見せてもらったよー。コバルトドラゴンなのねー? それにしても酷い倒し方だったねー。あれだけの巨体なのに使える皮が少ないよー。」

ほぉ、コバルトドラゴンと言うのか。私はブルードラゴンと呼んでいたが。初耳だ。きれいだけど近寄ったら危なそうな名前だな。

「余裕がなかったもので。ホントは二匹いたんですが、もう一匹はほぼ跡形もなくバラバラになってしまって。」

「すごいわカース。後でしっかり聞かせてよね。」

ふふふ、鼻が高い……が素材は惜しかった……

「まー、使える皮でどうにか三人分ぐらいねー。二人分作って余った皮をくれるのならタダにできるよー。」

うーん、これだけの素材だからキープしておきたいが……仕立て代がない。いや、ギリギリあるんだけどそれを払ってしまうと全財産がほぼなくなってしまう……よし。

「では二人分でお願いします。完成を楽しみにしてますね。この魔石も有効活用してください。」

「これはすごいのねー。もしかしてヒュドラー? 魔法無効を付与できるのねー。」

「そうです。ちなみにさっきのドラゴンの魔石があればどんな性能が付与できます?」

「強化なのねー。だからドラゴンの素材に付与しても意味ないよー。あ、坊ちゃんのそれをメンテナンスする時に使うと面白いよー。」

「一式まとめてできます? それならお願いします。」

「うまくやって見せるよー。任せてねー。」

これはすごいことになったな。最強の装備ができそうだ。ただでさえドラゴンの装備には魔法なんか効くまいに。その上ヒュドラの魔法無効効果が付いたら……無敵すぎる。

最高の装備は手に入りそうだし、いつもの装備もグレードアップするのか。来月のお楽しみだな。

惜しいのは靴に使う皮が残らなかったことだ。総ドラゴンのブーツを作りたかったな。

まあいいや。チャウシュブローガにも寄って新品のブーツを受け取ったし。溶岩に足を突っ込んでも無傷とは、恐るべき性能だな。

「アレク、ちょっと外に行こうか。」

「いいわよ。どこに行くの?」

私はアレクの手を引き城門から外に出た。そして鉄ボードを取り出し、上空へ。

「どうしたの? いきなり……」

「その新しいブーツを履いたアレクが見たくなったんだよ。真っ赤なコートにミニスカート、それにブーツを合わせてみてくれる? インナーは任せるよ。」

「もう、カースったら……あっちを向いててくれる?」

「分かったよ。」

アレクは服を脱ぐところは見せてくれても着るところは決して見せてくれない。普段なら闇雲の魔法でも使うところだが、ここは狭いからな。

ぬっ、アレクが服を脱ぐ音が……ぬうっ、今度は着ている音! これは堪らんな……一瞬で着替えができるくせに私を焦らしているのか。

「いいわよ……こっちを向いて。」

どれどれ……

「うおお……」

これはすごい……

なんてゴージャスなんだ。さっきも着てもらったが、仮縫いの時を含めても全くの別物! そんなことあるのか!? 真紅のコートに輝く金髪、素晴らしい組み合わせだ。

「最高によく似合ってるよ。王族に勝てるね!」

「ありがとう……じゃあこれは……?」

アレクはコートを脱いだ。足元にふわりと落ちるコート。露わになるアレクの肢体。なんと! 上半身はいつかの紫のラメ入りキャミソールのみ! 趣味が悪いのにきれいだ!

そしてプリンセスオブローランドチェックのミニスカート! そこに今日受け取った古龍のロングブーツ! 絶対領域が眩しすぎる!

「すごいよアレク! 美しすぎるよ! 似合い過ぎてる! キャミソールの趣味の悪さもアレクの魅力の前にはいいアクセントだし! いつものミニスカートもいい! 何より新しいブーツが最高だよ! カッコいいしきれいだよ!」

「ありがとう……全部カースから貰ったものよ。見て……」

アレクはためらわず服を脱ぎ始めた。こんな上空で。まだ午前中なのに。

「ピュイピュイ」

あ、コーちゃん? 付き合ってられないから帰るって? ここは高度何メイルだと思ってるんだよ。あっさり飛び降りてしまった。まあコーちゃんなら大丈夫だよな。

「カース……大好きよ。」

やはり最愛の女性にいい服を着せるといいことがあるものだ。最高のひと時だった。元気が出てきたような気がする。アレク大好き。