軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

77、ゼマティス家での一幕

私とアレクとコーちゃんで辺境伯家に顔を出してみた。

「あ、お兄さん。ご無事みたいですね!」

「おおカース君にアレックスちゃん。結局あれから白い奴らは来なくてな。魔物がちらほら来ただけさ。」

こんな所まで入り込んでやがったか。ゼマティス家には来なかったようだが。

「ソルとエイミーはもうすぐ起き上がれそうですわ。ご安心ください。」

「ああ、ありがとう。聖なる魔女か。カース君、後で挨拶に行っていいか?」

「ええ。ソルダーヌちゃんにも会ってやってください。」

それにしてもここが無事でよかった。

「カース君! 無事みたいだね!」

「やあパスカル君。あ、ベレンガリアさんも。無事でよかったね。」

「安心したわ。パスカル君もベレンガリアさんも。」

「アレクサンドリーネ様。ありがとうございます。ソルダーヌ様もご健在なようで安心しました。」

「アレックスちゃんにも心配かけたわね。結局私は何もしてないけど、一応無事よ。」

辺境伯家もボロボロになってる。他家もそうだけど。あのエルフども、正門や玄関だけはきっちり壊しやがって……無駄に効率のいい動きをしてたんだな。

「じゃあお兄さん、みんなでゼマティス家に行きますか? 今なら母上もいると思いますので。」

「ああ、お邪魔するよ。それにしても未曾有の災難だったな……」

全くだ。あんな下らない原因で一国の首都がズタズタになるなんて誰が想像できる?

国王達はさぞかし頭が痛いだろうな。

そしてみんなで歩いてゼマティス家まで帰ってきた。オディ兄とアステロイドさんはまだ帰ってないのかな?

庭は変わらずアステロイドクラッシャーの皆さんが警護をしてくれている。

「ただいま帰りました。アステロイドさんはまだお帰りではないですか?」

「おう。まだだな。まああいつのことは心配いらないさ」

そりゃそうだ。

さて、母上はどこかなー。

メイドさんによると昔の自室にいるらしい。二年前まではアンリエットお姉さんの部屋だったとか。母上だって久々の王都、実家なんだから昔を懐かしみたいよな。

「母上、ただいま。陛下にきっちり報告してきたよ。あっちも大変そうだった。」

「おかえりなさい、あらあら大勢ね。」

「お初にお目にかかる。デフロック・ド・フランティアと申す。この度は並々ならぬご助力をいただきかたじけない。」

「あらまあ。辺境伯家のご二男様ね。妹さんが助かってよかったですわ。」

「私には何も返せるものがない。父へ書状を認めるのみだ。本当にありがとう。」

「そもそも私が王都に来れたのもカースのおかげですわ。カース以外の誰にも成し得ないことですわね。」

「もちろん分かっているさ。ソルダーヌから嫌になるほど聞かされたものでな。」

「うふふ、ねえアレックスちゃん? いいの? ソルダーヌさんがライバルにならない?」

「お、お義母様……その……カースにお願いをしてまして……ソルを、側室にしてやってくれないかって……」

「あらあら。寛大なのね。それならソルダーヌさんの治療も力を入れないといけないわね。カースはどうなの?」

「うーん。ソルダーヌちゃんに興味はなかったんだけどね。今回のことで結構見直したからさ。悪くはないと思ってるよ。」

だからって喜んで迎え入れるってわけでもないけどね。

「そう。まあ好きにするといいわ。アレックスちゃんも変わってるわね。」

それからパスカル君も母上に挨拶をし、昼食となった。ソルダーヌちゃんもエイミーちゃんも自分で歩いて食堂までやってきた。

「カース君、イザベル様。この度はありがとうございました。おかげで私とエイミーは命拾いしました。」

「助かって良かったわね。あなたも私の娘になるのかしらね。」

「うっ……できれば、そうなりたいです……」

「魔女様。ソルダーヌ様のみならず私までお助けいただきありがとうございます。クタナツにいらっしゃるはずのあなた様に王都でお会いできた幸運に感謝いたします。」

「いいのよ。困った時はお互い様よ。」

さすがに母上の前だとエイミーちゃんもしおらしいな。それから伯母さんも加わり昼食となった。ちなみにキアラはいない。また海に行ったらしい。行動派すぎる!

「あ、そういえば母上。陛下からマーティン家全員で王宮に来て欲しいって。」

「あらそう。じゃあアランが帰ってきたらみんなで行きましょうか。アステロイド達も連れてね。」

そういえば父上は無事なのか? あれだけの腕利きのメンバーと一緒なんだから大丈夫だとは思うが……

「ただいま帰りました!」

あっ! お姉ちゃんとギュスターヴ君だ。落ち着いたから兄上のところからようやく帰ってきたのか。

「シャルロット! ギュスターヴ!」

伯母さんだ。心配で仕方なかったんだろうな。椅子から飛び上がり二人を抱き締めている。これもある種のツンデレか?

まったく、こんな状況なのに当主も跡取りも不在とは……