軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

56、罪と罰

夜も更けた。少し眠いがまだ寝るわけにはいかない。最後に残ったエルフを誘き出さないとな。

私とマリーとお兄さんで焼け落ちたギルドまでやって来た。アレクには見せられないことをするからな。

死にぞこなったエルフ、ガブ何とかをミスリルボードに乗せて五メイルほど浮かべる。

「命令だ。そこで踊ってろ。」

「くっ……」

「それから大声で助けを呼びな。拡声を使ってもいいぞ。三十分経過して男が現れなければ……」

『テーゲンハルトぉー! 助けてぇー! お願いぃー! 私まだ死にたくないのぉー!』

「心配するな。絶対死なせねーからよ。」

夜だが光源の魔法を使っているので、女エルフの姿はよく見える。ひょろひょろと無様な踊りだ。アレクの鋭いステップを見習いやがれ。

十五分経過。男エルフは現れない。

「おい! 来ねーじゃねーか! もっとしっかり呼べや! それとも捨てられたか? 可哀想にな! でもまあそんな貧相な体じゃ捨てられても仕方ねーな! この腐れブスエルフが!」

『うわぁあぁん! だずげでよー! デーゲーン! ごんなのってないよぉおおーー!』

「そうそう。せいぜい大きな声で助けを呼びな。」

「さすが魔王……よくこんな手を思いつくもんだ……」

「同性、しかも同郷の私としては見るに耐えないのですが、あやつの罪を思えば……致し方ないかと……」

お兄さんもマリーもドン引きしてる。私だって好きでやってるわけないだろ。姿を現さない最後のエルフが悪いんだ。おっ、生き残った冒険者がちらほら現れたぞ。こんな時に何やってんだって気になるよな。

ならばせっかくだからこいつらに……

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「さーて、そろそろ時間だ。どうやらお前は捨てられたようだな。まあ心配するな。俺が飼ってやるからよ。時々餌もやるから死にはしないさ。」

そう言ってミスリルボードを少しずつ降ろす。

「マリー、現れる気配はない?」

「ええ……ありません……坊ちゃん……」

そんな悲しそうな顔をしないでくれよ。あいつらの所為で何人死んだか分からないレベルなんだから。

そしてミスリルボードは地上に降りる。目を剥いて女エルフを取り囲む冒険者達。

〜〜削除しました〜〜

それから五分。伝言の魔法でこっそり命令を送る。

『………………』

〜〜削除しました〜〜

二十分は経った頃だろうか。現場にコーちゃんがやって来た。

「ピュイピュイ」

え? 何だって?

「ピュイッピ」

何と! 最後のエルフがゼマティス家を襲ったのか! 人質交換でも狙ったのか? それにしてもツイてない奴だな。母上に敢え無く制圧されたと。さすが母上、エルフだろうと敵じゃないな。

よし、それなら帰ろう。今さら吐かせる情報なんかなさそうだけど、落とし前は必要だもんな。

「おい、兄さん方よぉ。お楽しみのところを悪いがそろそろ時間切れだ。」

文句を言いたそうな奴の方が多かったが、知ったことではない。お時間五分前でーす。延長できませーん。

「お待たせ。さあ帰ろうか。まだまだ解決とはいかないだろうけど、少しは前進だよね。」

「そうですね……」

マリーには悪いが同胞の犯した罪が大き過ぎるよな。遊びで王都をぶち壊して大勢の人間を死なせたのだから。

それにしても、母上がいてくれるから守りを気にせず動けたのは大きいよな。まだまだ油断はできないけど。白い鎧と紫の鎧の奴らがいるだろうし、教団の幹部もいるだろう。狂信者なんか何人いるか分かったもんじゃない。その上盗賊まで来るとか。王宮は何やってんだよ。まああっちはあっちで大変なんだろうけどさ。

ちなみにエルフ女は歩けないようなので這ってこいと命令した。そして臭いので十歩離れて付いて来させている。外道にはそれが相応しい。せいぜい罪の重さを感じながら這い蹲ってやがれ。