軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

152、ガチ稽古 カースVSアレクサンドリーネ

パイロの日。やはり明け方まで盛り上がっていた私達は昼前に目覚めた。

「ねぇカース。私あれだけカースにしてもらったのに……もう……」

何てかわいいことを言うんだ! そんなことを言われたら真っ昼間から猛りが止まらないぞ!

結局私達が起きたのは昼過ぎになってしまった。

「すごくよかったわ。ありがとう。カースへの気持ちが止まらないみたい……」

「僕もだよ。どうしてこんなに好きになったんだろうね。アレクは悪い子だよ。」

いかんな。少し自重するべきか……

いや、そんなことを考えるのは本末転倒だ。好きに生きると決めたのだから、どこまでも自由に、そして欲望に正直にならねば。

さて、今日は狩りでなく領都の外で稽古だ。私がもっとアドバイスできればいいのだが、相変わらず分からない。魔力をどう出すとか、火球はどうやって温度を上げるとか。ごり押し以外にどうやって解決するんだ? むしろ学校に通ってるアレクの方が詳しいのではないか?

単純に経験値アップと割り切ろう。経験は大事だもんな。

『氷弾』

アレクの猛攻が続く。今日の私は自動防御なし、虎徹を多用して攻撃を弾いたり躱したりしている。しかしながら『氷散弾』などは防ぎようがないため、素直に魔法で防御している。

『烈風』

強風で丸ごと吹っ飛ばす魔法だ。アレクもポンポン上級魔法を使うようになったよな。風の中に氷弾まで混ざっており確実に防御しないと危なかったりする。

『豪炎』

強風が吹き荒れる中、私の周囲が炎上する。風と炎って相性がいいよな。燃え盛る炎と私の氷壁が拮抗する。そこに追加の攻撃が……

『 石礫(いしつぶて) 』

数十発の石が私の氷壁を叩く。が、それぐらいで均衡は崩れない。当然アレクは攻撃の手を緩めない。

『火球』

ただの下級魔法かと思えば先ほどの石礫に火球を纏わせてある。アレクもゴリ押しするなぁ。少し息苦しくなってきたかな。氷壁で覆いっぱなしだからかな。少し困ったぞ。外は燃え狂う炎、そこに燃える石礫が断続的に襲い来る。よし、『水球』

水球で無差別範囲攻撃だ。全部まるごとぶっ飛ばす!

さすがにアレクには防御されたが火は消えた。ふう、空気がうまい。よし反撃だ。『水鋸』

凶悪な回転丸ノコ魔法だ。防御できるか?

アレクは『氷壁』で防御するもあっさり切り裂かれ『水壁』を構築した。そして見事に受け止めることに成功した。真剣白刃取りのように水壁に圧力をかけて回転する刃を止めたように見える。お見事!しかしまだまだ『重圧』

上手い! 自分の氷壁を蹴ることで、いち早く重圧の効果範囲から抜け出している。素晴らしい判断力!ならば『 毒焔(どくほむら) 』

アレクに毒などあまり効かないだろうから、ただの牽制だ。そして『落雷』

全く効いてない。さすがアレク、私と対戦するのだから転ばぬ先の避雷ってわけだな。避雷で思い出したが、先日アレクに避妊について相談したら「そんなことカースは心配しなくていいの。私に任せて、そしてたくさん飲ませてくれたら……」なんて言われてしまった。だから気にしない。

いかんいかん、今はそんなことを考えている時ではない。『火球』『風球』アレクの真似をしてみた。風は火に勢いを与える。そして『風操』『火球』

アレクの周りを竜巻のように風を渦巻かせる。そこにさらに『火球』を追加。炎の竜巻だ。さあどうする? そこら辺の冒険者や魔法学生ならとっくに死んでいるだろうが、アレクなら大丈夫だよな……

『逆巻く激流』

おお! 水の上級魔法だ。一発で炎の竜巻を鎮圧してしまった! 素晴らしい威力だ。しかし……

「降参よ。もう魔力がないわ。」

「お疲れ。いい勝負だったね。最後の魔法はすごかったね。」

「カースこそ、最後のアレは何なの? 熱いし息苦しいし。」

ここローランド王国には地震がない。隕石が落ちたこともないし台風も来ない。そして竜巻も起こらない。だから竜巻という概念がない、不思議な国だ。旋風はあるのに。

「何かと言われると説明が難しいかな。まあ 旋風(つむじかぜ) を大きくして周りを囲ってるだけだよ。」

「ふふっ、やっぱりカースはすごいわね。ねぇ、早く帰りましょう? 私もう……」

おや? アレクのミニスカートが湿っているようだが……? 全く……そんなアレクも可愛くてたまらない。ならば『闇雲』

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ふぅ。視界の無い暗闇か。心眼の稽古にもピッタリだ。

さあ、早く帰ろう。一刻も早く、自宅の寝室へ。でも明日、アレクは学校だし……早く寝ないといけないな……

ごめんアレク……

もう朝になってしまったよ……