軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

112、ハスコーリ・ダ・レイサにて

子供が五人に精霊が一人。コーちゃんは私と同じものを食べるので都合六人。一等地にある高級な飲食店『ハスコーリ・ダ・レイサ』に入った。

「いらっしゃいませ。五名様ですか?」

「そうよ。ただ注文は六人前お願いするつもりよ。」

店員との会話はアレクに任せておくのが一番無難だ。生まれながらにして上級貴族オーラが溢れているからな。

当然ながら眺めの良い席に案内される。

「本日はサウジアス海の鬼ヒラメと魔境産トビクラーが入っております。」

おっ、トビクラーか。王都に来てまで食べるものでもないが、どう料理するのか気になるな。それ以上に鬼ヒラメって何だ?

「分かったわ。じゃあせっかくだからどちらも使ってもらおうかしら。六人前ね。」

注文はアレクに任せておくと楽でいい。さすがだ。

「それから軟骨だけど同じトビクラーの脂で揚げたものが食べたいわ。」

それはいい! さすがアレクは分かってるな。

それからコースで料理が運ばれてきた。

前菜は鬼ヒラメ、エンガワの フリッター(あげもの)

前世では生で食べていたものを揚げ物として食べるのは不思議な気分だったが旨い! 酒が飲みたくなってしまう!

そしてトビクラーの軟骨揚げ。同じトビクラーから取った脂肪で揚げるという贅沢をしてもらった結果、前世でも食べたことがない味わいだった。香ばしさや食感はもちろん、トビクラーの旨味をギュッと閉じ込めたような深い味わいだった。強いて言うなら名古屋コーチンの軟骨唐揚げに近いかな?

やはり酒が欲しい……プレミアムなビールが飲みたい……

鬼ヒラメのスープ。

砕いた骨を煮込んで濾したようだ。エンガワの揚げ物とは打って変わって優しい味わいだ。徹夜三日目の夜でも胃を優しく癒してくれそうな滋味だ。

ヒラメの骨は唐揚げにしても旨いんだよなぁ。

トビクラーのヒレ肉。

鬼ヒラメのスープを利用して蒸し焼きにしたものだ。柔らかく味わい深く仕上がっている。これでもメインディッシュではないのか。

オランゲの実のシャーベット。

柑橘系の香りで口の中をリセットする。甘みは強くなく、爽やかな冷たさが口を満たす。

鬼ヒラメのムニエル。

バターの焼き色が香ばしく、クリスピーな食感が食欲を満たす。それゆえにサウジアス海の荒波に揉まれた鬼ヒラメの生き様を思い起こすのだろうか。

ベイクドチーズケーキ。

領都やクタナツでは珍しい砂糖の甘味と新鮮なチーズの味わいが絶妙。食後のコーヒーとの相性も素晴らしいものだった。

「さすがね。美味しいわ。無駄のない丁寧な仕事をしてるのね。」

さすがにアレクのコメントは一味違うぜ。

「美味しかったわ。近くにこんなにすごいお店があるなんてね。そうそうは来れないでしょうけど。」

サンドラちゃんのような普通の学生にはきついかな。かなり高そうなお店だもんな。

「カース君ご馳走様。美味しかったね!」

「美味しかったよ。ありがとう!」

「ピュイピュイ!」

セルジュ君もスティード君も満足してくれたようだ。嬉しい。コーちゃんは円らな瞳をキラキラさせながらクルクル踊っている。かわいい……

さあ、勘定はいくらだ!?