軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

173、アレクとギルド

春休み三日目。

今日はアレクを訪ねる。さすがに歩きでは行きにくいのでマリーに馬車で送ってもらった。

あー、気分が悪い。マリーには悪いがやはり馬車は嫌いだ。

門番の人に挨拶するのはマリーの仕事だ。

あっさり正門が開かれる。朝から申し訳ない。

そして馬車ごと中に入ると、アレクが飛び出して来た。あれはパジャマか? まったく可愛い奴だ。

「カース! よく来たわね! 昨日会えなくてガッカリなんてことないんだから!」

「おはよう。昨日は悪かったね。スティード君ちに居たんだよ。慌てて飛び出したものだから行き先を言ってなかったみたいでね。」

「昨日行ったのはギルドの仕事を一緒にしようと思ったからよ! 今日は一緒に行けるのよね?」

「いいよ。一緒に行こう。せっかくだからギルドまで馬車で行こうか。用意しておいでよ。待ってるから。」

そしてアレクは急いで家に入っていった。

入れ替わるようにアルベルティーヌ様が出てきた。

「おはようございます。朝から押しかけてしまいまして申し訳ありません。」

「おはよう。よく来てくれたわ。聞いているのでしょう? 私のことはお義母さんと呼んで欲しいわ。」

「え、ええ、そのことはおいおいと前向きに善処を重ねて検討する案件かと考える次第でありますので……」

「あらあら官僚にでもなるのかしら? そんな難しいことを言われると困ってしまうわ?」

「あははは、僕も難しいことはよく分かりません。それよりなぜ彼女に冒険者になる許可を出したのですか? いいんですか?」

「貴族にとって娘は大事な政略結婚の駒、最高の相手に嫁がせる必要があるわ。今回はその相手があなたってだけの話よ。それともアレックスが要らないとでも言うつもり?」

くっ、ぐいぐい攻め込まれてしまう。

全て正論なのか? 許可を出した理由を聞いているのに反論できない。

「悔しいですが私はアレクサンドリーネさんに惚れてしまいました。必要です。以前騎士長様には欲しくなったらクタナツを更地にしてでも拐うとお伝えしましたが、欲しくなってしまいました。」

「それならいいじゃない。わざわざ更地にしなくても、欲しいならあげるわ。持って行きなさいな。あぁ、それから騎士長じゃなくてお 義父(とう) さんと呼ぶといいわよ。」

おかしい。何か乗せられている気がする。

しかし反論の余地がない。

「待たせたわね。行くわよ!」

助かった。ここは逃げるに限る。

「じゃあ母上、行ってくるわね。カースが一緒なんだから心配はいらないわよ。」

「行ってらっしゃい。帰ってこなくてもいいわよ。」

お泊りをしろとでも言いたいのか?

それとも……

「じゃあマリー、ギルドまで頼むよ。」

「かしこまりました。」

しかし馬車でギルドに行くなんて……

まあいいか。そんなことで文句を言う器の小さい先輩なんていないだろうし。