軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

105、制圧、カースあるある

「ああ!? 天王(てんおう) がなんぼのもんじゃあ! ワシらぁ闇ギルドぁのぉ! てめぇの命張って稼いどんじゃあ! 国なんぞにガタガタ言われる筋合いぁねぇんじゃこらぁ!」

急に元気になったな。出血が止まらないくせに。顔色だって青どころか灰色だぞ。

「つまりアレか。ヒイズルでは稼げなくなったからバンダルゴウに進出してきたってのか?」

「ふざけんなぁ! ワシらぁどこでも生きていけるんじゃあ!」

「ふーん。でもお前、そろそろ死ぬけどいいのか?」

「けっ! ワシらぁこの渡世に 足(ゲソ) つけた時からいつでも死ぬ覚悟ぁできとんじゃあ! 今さら命惜しさにペラ回すとでも思うとるんかぁ!?」

ところどころに意味不明な言葉が入るな。

「でもそれっておかしいよな。お前らみたいな奴が命を賭けて事にあたるのって一家のため、ボスのためだろ? ここで口を閉ざすことが本当に一家のためになるとでも思ってんのか?」

「何が言いてぇんじゃあ……」

「お前のさっきの口ぶり、天王に弾圧でもされたのか? それで国を追われたとかじゃないのか? 似た奴を知ってるからよ。場合によっちゃあ力になるぜ?」

完全に口から出まかせだけどね。

「そ、そねぇな手にぁ乗らんでぇ……」

「別にどっちでもいいんだぞ? そのまま死ぬか、それとも拷問くらいながらもう少し長生きするか。それとも、ランディと一緒に甘い汁を吸うか。好きに選べよ。」

うーん、悪党の命ってのは軽いもんだね。可哀想に。

「何が知りたい……」

「喋るんなら正直に話すって約束してくれよ。そしたらポーションくれてやるぞ?」

こいつも助かる目が出たんなら死にたくはないだろう。仲間が無残に全滅するところを目の当たりにしたんだしな。さあ、喋ってくれよな。

「分かった……話すっうぅぐ……」

よーし効いた。ここからはいつものパターンだな。いや、結局ここまでもいつものパターンだったか。

ふむふむ。

全て吐かせたところ、こいつら以外にバンダルゴウに入り込んでいる組織は二つ。一つは友好組織で小さい。もう一つが敵対組織で大きいと。小さい方が『スローターズ』、大きい方が『エチゴヤ』ね。ローランド王国にムラサキメタリックが流出しているネタ元はエチゴヤの可能性が高いと。とてもじゃないが高位の役人と繋がってないとできることではないってことだった。

そしてこいつらの組織は『シーブリーズ』だと? シャレた名前つけやがって。

「とりあえずお前らの生き残りは全員ランディの傘下な。せっかく拾った命なんだから大事にしろよ?」

「聞かせろ……似た奴とは誰のことじゃあ……」

血は止まったようだが顔色は悪いままだな。

「セキヤとクワナって二人組だな。ヒイズルで食いつめて逃げてきたって言ってたな。知り合いか?」

「そいつらの歳は……?」

「さあ? 俺より少し歳上っぽかったから十八、十九ってとこじゃないか?」

「たぶん知ってるガキだ……密航を手伝ってやった……あいつらは今、どこにおるんじゃあ……?」

「北だ。知ってんだろ? 先王様が北に街を拓いているあれだ。あいつらそこで一旗上げる気だな。」

「そうかぇ……」

それにしてもこいつは口調が定まらん奴だな。統一した喋り方をしろよな。聞く方も大変なんだぞ?

「さすが魔王だな。あっさり手懐けちまったかよ。」

「おう、ランディの兄貴。いいもんは見つかったか?」

「ランディって呼んでくれよ……そこそこだな。そんでこの後はどうすんだ? 他の組織も潰すのか?」

「いや、そこまでする気はない。ちょっとヒイズルに行く前に情報を仕入れておきたいだけだったからさ。暴れる気なんかなかったんだがな。 雉子(フェゾン) も鳴かずば斬られまいってやつだな。」

「そんな片手間でこいつらを潰したんかよ……」

そもそもお前がそう仕向けたんだろうに。

それから、シーブリーズの生き残りを全員集めて契約魔法をかけてやった。内容はランディ達の組織の掟に従って生きること。

まあどうせこの地はいずれフランツの野郎が征服するだろうし、その時こいつらがどうなるかなんて分かったもんじゃない。私があんまり大暴れして、あいつの計画に何か狂いが生じても不味いしね。だってこの前『目処が立った』って言ってたもんな。私達がヒイズルから帰ってくる頃には終わってんのかね。楽しみにしておこう。