軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

360、サダーク・ローノ ※

パーティー会場でいきなり意味不明なことを喋りだした青髪変態野郎。見た目がイケメンなだけに違和感がすごいな。ダミアンが最低野郎と言うだけあるのだろうか。

「難しい話は分かりませんが、私はアレクサンドリーネ一筋ですよ?」

「うふふ、そうですね。野暮なことを申しました。おっと、こちらは成人のお祝いです。どうぞお納めください。」

そう言うと変態は魔力庫から彫像を取り出した。こ、これは!

「いつぞやのパーティーで私が落札したアレクサンドリーネ嬢のミスリル像です。もう十分愛でさせていただきましたので、あるべき所へ帰してやりたくお持ちしました。」

「まあ! ありがとうございます。懐かしいですわ。」

「ピュイピュイ」

「ありがたくいただきます。」

コーちゃんも喜んでるな。初モデルだもんな。それより十分愛でたって言葉が気になるな。まさか実用したわけでもあるまい……まあいいや。ならばこのアレク像は寝室にでも飾ろうかな。玄関だとアレクが恥ずかしがるからな。

それからもパーティーは盛況だった。楽団の演奏が始まり、ダンスが始まり。時に余興も挟まれた。踊り方など知らない人々も気の向くままに踊っている。これは見ていても楽しいものだな。

アレクの同級生や後輩、セルジュ君や貴族学校の見知った何人かも来ていた。スティード君とアイリーンちゃんは来ていないようだが。というか騎士学校からは誰も来ていない。喪中か。

そしていつしか夜の帳が落ち始めた。そろそろお開きかと思ったその時だった。

「さーてカース。いよいよ本日のメインイベントいくぜ。」

「ん? まだ何か用意してんのか?」

「おお、まあ用意したのはお前とも言えるんだがよ?」

「俺が? 覚えがないが……」

「へへ、まあいいさ。おい、奴を連れてこい!」

ダミアンが配下に命令すると、そそくさと薄汚れた男を連れてきた。縛られているな。

「サダーク……っ!」

「リリス、知ってんの?」

「旦那様に、賞金をかけていただいた……あの男です……」

あ、思い出した。走れメロス的な結婚詐欺をやった奴だったな。さすがに白金貨一枚の賞金はよく効いたようだな。それにしてもこんな汚い格好してるのによく本人だと分かったな。

「リリスっ! 俺だ! サダークだ! あの時迎えに行けなかったのは悪かったと思ってる! だが聞いてくれ! これには事情があるんだ!」

何言ってんだこいつ?

「旦那様、お願いがございます。私は真実を知りとうございます。」

「まあリリスがそう言うなら。」

少し張り切ってみるかね。

「お前、サダークって言ったな。今まで苦労してきたんだろう? もう大丈夫だからな。正直に言えばきっと楽になるさ。約束する。悪いようにはしないさ。ほら、これ飲むか?」

「あ、ああっぐぶぉ……」

そう言いながらも私の手から酒をひったくるようにして飲んだ。しばらく飲まず食わずだったと見た。そして契約魔法はしっかりかかった。酒に合わせてイエスと言わせる作戦はいいアイデアのようだ。

「どうだ? 旨いだろう? さてと、では答えてもらおうか。当時お前はリリスのことをどう思ってた?」

「お堅い、面白みのない女だが、俺のことを信じきってて、都合がよかった、ち、違う、そうじゃない! 今のはう、嘘、うそじゃない?」

「無理だな。お前は真実しか語れないんだよ。そんな女を弄んでさぞかし面白かったろう?」

「おもしろかった、俺のためなら、何でもするって女が、あちこちに、いて……」

最低な奴だな。それはそうと、こいつがもし捕まったら質問しようと決めていたことがある。

「お前は他にもたくさんの女を奴隷に落としたよな? スカイ・アジャー二って覚えてるか? かなり高額の借金を持ってたが。」

いつだったかダミアンに連れていかれた奴隷オークションで最高値がついた女の子だ。私にしてはよく覚えている。

「たくさん、儲かった……スカイなんとか、わ、分からない、と、特徴を言ってくれ……」

そんなの私が覚えてるはずがない。名前を覚えてるだけで奇跡だろうに。

「オメーが金貨五百枚の借金を背負わせた十六歳だ。髪の色は金だぜ。」

おお、ダミアン分かるのか。やるじゃないか。

「うぐっ、知ってる、売り飛ばした……」

ほー。大した色事師だこと。

「どうだリリス、まだ何か聞きたいことはあるか?」

「ございません。お手数をおかけ致しました。」

「ま、待てリリス! 助けてくれ! お前は今でも俺のことが好きなんだろう! 分かってる! 今度は大事にする! 女はお前一人だ! 一生大事にするから助けてくれぇぇぇぇ!」

すごいなこいつ。よくここまで恥を捨てられるものだ。色事師ってのはこんなもんなのか。

「あれから私は様々な経験をしました。」

「リリス! 俺が悪かった! 一緒に傷を癒していこう! な! な!?」

「その経験から言えることがあります。サダーク、あなたは小さくて早い。しかも下手くそです。少し顔と口がいいだけの三流以下の男です。旦那様の足元にも及びません。」

「ギャハハハ!」

「ゲハハハハ!」

「ヒーッヒッヒッ!」

「ダッセー!」

周囲から様々な笑い声が漏れる。

「なんだよカース、お前リリスに手ぇ付けてんのかよ?」

ダミアンがボソッと聞いてくる。

「そんなわけねーだろ。リリスが適当コイてるだけだろ。」

私にわずかの動揺もない。反対にサダークは黙り込んでしまった。

『さぁーて! いよいよ見世物の始まりだぁ! お前ら! 魔王カースの千杭刺しの噂は聞いてんだろ!? でも実際に見た奴はそうそういねぇよな!? どうだ、見てぇかあーー!?』

なるほど。処刑イベントね。娯楽のない大昔は結構賑わったって言うしな。ローランド王国で死刑をしなくなってから随分経つって話だし、人々も珍しいものは見たいわな。事実、かなり盛り上がっている。

アレクの成人祝いにはどうかと思うが、今日はリリスの新たな誕生日ってことでサービスしてやるかな。さて、どのスタイルで執行しようか……