軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

コフィジョン

「おかえりなさいませ」

「ただいま〜」

えっほ、えっほとバタベアに抱えられたままガーデンに戻ってシーちゃんに挨拶をする。ちょっと恥ずかしいが、安定感は抜群だった!

探索中に騎乗できるモンスターがほしいなあとか思っていたけれど、案外バタベアにこうして運んでもらうのでもいいのかもしれない。ちょっと盲点だったなあ〜。騎乗できるっていったら、やっぱり馬っぽいものを想像してしまうので。

バキベキウエハースの平原には馬もポニーもいたし、あの子たちが住民になったりしたら、自由自在に探索地を駆け回れるようになるのだろうか? ドーナツを首にかけたドードーとか、でっかいダチョウとか、『走る』モンスターが多いから気になってるんだよね。

もしかしたら、探索中に追いかけっこするとかそういう条件もあるかもしれない。このゲームならそれくらいの条件は絶対にあるはずだ!

来訪条件って、そもそもモンスターがガーデンに興味を持たないと達成されないよってことだろうし……あんな広いところでのびのび走って暮らしているモンスターが、走っても早くない、狭いガーデンに住んでいるモンスターたちのいるところに来ようなんて考えるわけがないだろう。

じゃあ、今回騎乗できると分かったバタベアは早さに自信があるか? というと全然そんなことはない。バタベアが抱えて走って、オリウルやワルフルが迫り来るドードーの妨害をしたからこそ逃げ切れたのであって、普通にスピード勝負だとボロ負けだった。

「とうとう麦畑とか田んぼとかに手を出さなくちゃいけないのかも……」

馬のほうは明らかにタテガミが稲穂だったので、お米を自家生産する必要があるかもしれない。いつかこんなときがくると思っていたけど、田んぼかあ……。

考えながらガーデンに入ってみんなと挨拶していると、ふと視界の端にスイッと入ってくる影を見る。

な、なになに? オリウルか? と思ってその影を視線で追うと、平原で見かけた真っ黒いハトがそこにいた。

「ど、どうも……」

黒豆みたいなつぶらな瞳で見られて、思わず挨拶をする。

次の瞬間、ハトは光って卵となり、住民化が成功していた。

「ええ!?」

――――――

No.030

名称【コフィジョン】

・ 分類:飲料

・ 原型食物:コーヒー

・ 原型生物:ハト

・ 危険度:D

・ レア度:R

・ 大きさ:1タイル

・ 生息地域:バキベキウエハースの平原

・ 好物:???

・ 来訪条件:

所属するコフィジョンが一羽もいない。

ガーデンの住民が10匹以上。

探索地でコフィジョンを見たことがある。

・ 住民化条件:

ガーデンの住民が15匹以上。

ガーデン外周に高い樹木、もしくは建造物がある。

ガーデンで挨拶をされる。

・ 汚染タイル数: 陸上2

・ 能力:

ガーデン外周のモンスターを観察すると未確認の来訪条件や住民化条件をひとつ開示する。

巣箱をガーデンに設置すると卵ではなくコーヒー豆が一日二回生産される。

住居の外にカップを置いておくと毎朝コーヒーが届けられる。

・ 備考:

前日にミルクを飲んでいると、届けられるコーヒーがカフェオレになったりする。ミルクを与える量によって変化。

・ 生態観察:

ガーデン周辺を俯瞰的に観察し、未知の条件を提示する索敵補助型モンスター。

巣箱設置により、飲料系資源を定期的に生産する。

ガーデンテイマーの生活圏にも干渉する稀有な性質を持つ。

住民数が増えたガーデンほど定着しやすい傾向がある。

――――――

べ、便利……!

……となったものの、正直驚いている。

この住居の外にカップを置いておくと〜って、もしかして自分からガーデンテイマーに関わってくるってこと?

他の子たちはあくまで条件が揃ったら生産をその場でする生き物だよ〜みたいな説明文だが、コフィジョンはなんだか違う気がする。

生産をわざわざガーデナーが消費するために行っているようなものだ。こちらに干渉してこようとするモンスターははじめてかもしれない。

「よろしく」

「コッ、フィー」

わざわざ追いかけてきたあたり、私を気に入ってついてきてくれたように見えてしまう。それがどうしようもなく可愛く思えてくる。

コーヒーは嫌いじゃないし、毎朝届けてくれるのなら嬉しい。

今夜がちょっと楽しみになる、小さな小さな変化だった。