軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

夜間探索できるの!?

「夜間探索って、できるの?」

「希望するなら可能です。危険度はあがりますが」

小屋に戻り、料理機能に材料を放り込みながらシーちゃんに尋ねるとすぐに答えが返ってきた。

キャロキャットの図鑑に『夜間探索』という文章があったからね。ガーデンに干渉不可になっているとしても、ガーデンの外は出入り可能なのだろう。夜だから当然のことながら難易度は高いんだろうけど……ちょっと様子を見に行くだけなら大丈夫かな? と思いたい。

「オリウルを一羽とキャロキャットを一匹。ジャガイヌを一匹連れていこう」

適当に持っている材料で目玉焼きとスクランブルエッグ。卵スープにトマトサラダと二人前作って、一人前食べてからアイテムとして保管する。シーちゃんには一応尋ねているけど、相変わらず食べてはくれない。

もしかしたらAI設定なのだし、そもそも食べることができないのかもしれない。

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目玉焼き

シンプルにフライパンで焼いた目玉焼き。半熟の黄身を割ればトロッと溢れ出す。スタンダードな塩と胡椒もいいが、目玉焼きにつけるならあなたはなに派?

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スクランブルエッグ

フライパンで温めながら炒めたシンプルな卵料理。柔らかく、ほんのり甘くまろやかな味。

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卵スープ

卵を使ったあたたかいあっさりとした味わいのスープ。優しく冷えた体をあたためる寝起きのお供。

炊き立てご飯を投入すればモンスターの好む卵粥にもなる。

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トマトサラダ

シャキッとした野菜をふんだんに使ったサラダ。

主役のトマトはみずみずしく、なにもつけなくても美味しくいただける。

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料理も、もう少ししたら十種類いくだろうか? 私の予想が正しければ、料理を何種類作ったことがある〜みたいな条件の子もいるだろう。

なんか卵スープの説明にモンスターの好む……なんてわざわざ書いてあるし、卵スープはもう少しストックを作って持っていってみようかな? 何事もいろいろ試してみないと!

そうしていくつかアイテムとして所持できるようにしてから、私はシーちゃんに出発することを告げる。

危険らしいし一回くらいは死ぬかもしれないけど、これもこれでやってみないことには分からない。案外あっさり上手くいく可能性もあることだし。

月が見えるうちに拠点の小屋からそのままガーデンの外側に踏み出し、空を見上げた。

いつもは小屋の中にいるしかないから、こうしてこの世界で夜空を見上げるのは初めてだ。ガーデンのほうを見れば、眠っている子たちの姿や、活動中の子たちの姿。どちらも確認することができた。

手を振ると、巡回中のワルフル、ジャガイヌペアが尻尾を立てて元気よく返事をする。可愛い。

「それじゃ、いこっか」

夜探索に連れて行くキャロキャット、ジャガイヌ、オリウルが私のそばに来るのを待って、私は緊張しながら夜の『枯れ果てた草原』へと踏み出すのだった。

夜の草原は暗くて月明かりだけが頼りだ。

でも、廃墟然とした建物や荒廃しきったどこまでも続く草原に落ちる月明かりは優しく、柔らかい。幻想的な雰囲気というのだろうか? 昼間は明るさとは裏腹に崩壊した世界観が強くて寂しい雰囲気に思えるが、こうして夜に来てみると静かで趣のある光景に見えてくる。錯覚だと思うけど、ガラッと雰囲気が変わったように見えるから一箇所で二度美味しい景色を楽しめてお得な気分だ。

さわさわと、ほんのりと冷たい風が私のおさげを攫っていこうとする。

さわさわ、がさがさ。

静かな世界で私が歩き出した音がやけに大きく聞こえるような気がした。

さて、どんなものが見られるだろうか。

辺りを警戒しつつ、前に進んだ。

「きゃろ〜ん」

キャロキャットから通知があって、逆にそちらに向かってみる。

果たして発見したのは花畑だ。

そっと近づいて、観察してみると花畑の中に壺があるという異様な光景に出くわした。恐る恐る覗き込んでみれば、壺の中にはお花をベッドにしてすやすやと眠っているハムスターの姿があった。

「か、かわいい……!」

もしかして、夜の探索ではモンスターたちの寝顔が見られるって……こと!?

「このままお持ち帰りできないかな……」

手を伸ばしてみるが、さすがに無理そうだ。そのかわりにだろうか、ハムスターの眠っている壺を調べたところ、なんらかの判定に引っかかったのか花蜜というものが採取できた。なんと、採取ポイントだったらしい。

こうして歩み出した私が夜の探索地で見ることになったのは、昼間には見られない腐食モンスターたちの寝顔と夜間の生態行動。そして、昼間には見ることのなかったモンスターたちとの出会いだった。

「夜、寝てるモンスターは、観察し放題?」

「はい」

ガッツポーズを決めた。

なら身の危険がない程度にガッツリ舐め回すように観察していかないと!!

跳ねるように草原を歩くキャロキャットと、私の横をピッタリとくっついたジャガイヌ。そして上空を旋回するオリウルを連れ、私は気の向くままに夜の探索地を徘徊し始めるのだった。