軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

キャロキャット・コウィラ

ガーデンが次の段階に進めそうになっているが、今日を終えないとその明日はまだやってこない。

かと言って、来訪してくるモンスターたちがこれほど多いとなるとまだまだここを放置して……もしくはマルチタスクをするにしても二箇所同時に攻略するのは無理だ。もし二箇所に住民を分けることになった場合、防衛ができるモンスターをもっと増やしていかないと。

「新しいガーデンは、また荒れてる?」

「はい、このガーデンの初期状態と同様です。敷地の規模も一段階大きくなります」

「なら、二番目の場所は解放されたあとも、しばらくは放置かな。こっちを先に整えきっちゃわないと」

「ガーデンの運営方針はガーデナーの皆様にお任せいたしますので、ご自由に管理し、采配を行い、その腕を奮ってください」

モンスターが来訪してくる以上、防衛していないとせっかく回復した土地がまた逆戻りだ。

回復させる前の土地には申し訳ないが、しばらく放置してもそれ以上悪くなることはないんだし、こっちの最初のガーデンにつきっきりになっていたほうがいいだろう。よほどのことがない限り大丈夫なくらい安定した土地にすることができてから、ようやく次に行けるかなあ。

探索だけなら別の場所行ってもいいんだけどね。

【未発見のモンスターが現れました】

「おっ」

畑の管理をしながら様子見をしていると、オリウルから次々と通知が送られてくる。

チュートリアルを終えたあたりから、変わらず新規のモンスターが来訪してくる。来訪してくるだけの場合もあれば、いつのまにか住民になっているパターンもあるけど、今回はどうだろうか。

キョロキョロと辺りを見回して来訪してくるモンスターの姿を探す。

「猫だ……!」

ぴょんぴょんと跳ねるように軽快なステップでやってきたのはお耳がニンジンになっているらしい猫だ。こういうのでニンジンといえばウサギなイメージがあったけど、これはこれでありかも。

ニンジンにしては短いけど、猫の耳状に調整されているからだろう。

尻尾からはニンジンの葉っぱのようなものがわっさわっさと生えている。見ると猫の尻尾の付け根のあたりから葉っぱが一緒に生えているようなので、尻尾自体はちゃんとある。細長いオレンジと白のトラ猫柄の尻尾だ。見ようによっては尻尾が二本あるように見えるから、猫又っぽい。

どう見てもこの子はこれだろうと思って、成長済みのニンジンを掘り出して置いておいたら、案の定カリカリと食べて住民化した。

犬の楽園に猫ちゃんがやってきたぞ!

――――――

No.011

名称【キャロキャット】

・ 分類:野菜

・ 原型食物:にんじん

・ 原型生物:ネコ

・ 危険度:D

・ レア度:R

・ 大きさ:1タイル

・ 生息地域:枯れ果てた草原

・ 好物:にんじん

・ 来訪条件:

100タイル分の深層浄化された草地がある。

ガーデンに30タイル分の野菜畑がある。

所属するキャロキャットが三匹に達していない。

・ 住民化条件:

120タイル分の深層浄化された草地がある。

ガーデンに40タイル分の野菜畑がある。にんじんを一本食べる。

・ 汚染タイル数: 陸上2

・ 能力:

夜間のみ、同危険度ランクの生物による汚染を50%で軽減。

夜間、腐食モンスターに対して50%の確率で撃退を試みる。

初来訪の生物に威嚇する。

畑の汚染を20タイル分必ず防衛する。

夜間探索時、通常より早くモンスターの発見をする。

ニンジンの尾を一日一本収穫可能。

・ 備考:

昼間は活動せず、夜間のみ活発に活動する。

夜間の活動であれば探索時撃退率80%。(ランク差が1段階広がるごとに成功率は20%低下)

ニンジン収穫後は探索不可。

不機嫌時ニンジン収穫不可。

・ 生態観察: 夜間活動を主とする小型哺乳系モンスター。

畑周辺を縄張りとし、夜間の防衛行動に優れる。

昼間はほとんど活動せず、刺激にも反応しにくい。

気分や満腹状態によって行動が変化する不安定さを持つ。

農地管理においては補助的な役割を果たす。

――――――

もしかしてこのニンジンの葉っぱになってる尻尾って……。

「収穫していい?」

「きゃろ〜ん」

そこは「にゃおーん」じゃないんだ。

キャロキャットのお尻の葉っぱを掴んで引っ張ると、スポンと抜けてニンジンが一本収穫できた。不思議と収穫した後なのにお尻に損傷とかは見られない。不思議だ……!

キャロキャットは気まぐれなのか、その後に三匹目の住民化まで行くことはなかった。思い通りにいかない猫ちゃんムーブがたまらない。

他にも枯れ果てた草原で見かけて、この子は絶対来るだろうと思って用意したユーカリの木にしっかりとコアラが食いついてやってきた。

普通のコアラにしか見えないものの、多分モンスターなコウィラだ。

――――――

No.016

名称【コウィラ】

・ 分類:フルーツ

・ 原型食物:キウイ

・ 原型生物:コアラ

・ 危険度:D

・ レア度:R

・ 大きさ:2タイル(1×2)

・ 生息地域:枯れ果てた草原

・ 好物:ユーカリ、野菜類

・ 来訪条件:

100タイル分の汚染されていない草地がある。

ガーデンにユーカリの木がある。

・ 住民化条件:

100タイル分の汚染されていない草地がある。

ガーデンにユーカリの木がある。

ユーカリの葉を食べる。

ガーデンに所属するコウィラが一匹もいない。

・ 汚染タイル数: 3

・ 能力:

毒性植物を消費する。

毒性植物を見分けられる。

毒性植物が柵内にある場合、縄張りとして守護する。

・ 備考:

元から毒性の物のみ消費することができるため、腐った食品は食べることができない。

・ 生態観察:

毒性植物への耐性と識別能力を持つ草食系モンスター。

ユーカリ等の毒性植物を摂取し、他個体の誤食リスクを低減する。

毒性植物が柵内にある場合、その区画を縄張りとして防衛する行動が見られる。

腐敗食材は摂取対象外であり、腐食対策には直接寄与しない。

種子の安全判定にも利用できるが、未指示の場合は即時摂取することがある。

――――――

こう書いてあるってことは多分ユーカリ以外にも毒のある植物は存在するのだろう。シーちゃんからランダムでもらえる種子にもたまに毒のある植物が混じっていたりするのだろうけど、まだ当たったことはない。先んじて対策できる子が仲間になってくれたのはいいことなんじゃないかな!

他にも囲いを作った花畑にハチミツを被ったような柄のハムスターがやってきたり、どう見ても胴体部分がハムの原木になっている豚のモンスターがやってきたりしたけど、彼らは来訪するだけでまだ住民化はしないようだった。

キャロキャットが二匹目になる頃にようやく、ガーデン内の日が傾き、夕方になる。

念のため池も用意したし、サトウキビも植えてみたし、準備っぽいものは済ませてある。

「そろそろか」

私はジャガイヌたちに防衛モードを任せて小屋の中に入った。

そこにあったのは、変わらずそこにあるフィッシュサトウの卵。孵化まではあと5分もない。さて、どんな子が生まれるかな?

私は怖いような、楽しみなような、複雑な気持ちで孵卵器の前でしゃがみ込んだ。