軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

地下に何があるの?

「ノイエ」

「はい」

「その紙をじっくりと見たら燃やすなりして処分してね」

「はい」

ベッドの上でちょこんと座っているウチの可愛らしいお嫁さんに本日はお土産を手渡す。

馬鹿兄貴が何かを綴った紙だ。

内容は知らない。何故ならば見ちゃいけないような気がしたからだ。

受け取ったノイエはその紙をじっくりと見つめ……動きを止めた。

僕は椅子を引っ張って来て背もたれに抱き着くように座る。

実はこの座り方って好きなんだよね。背もたれの上の所に顎を乗せてダラ~とするのが好きだったりする。

でも貴族の家に置かれる椅子はどれも背もたれが大きい物ばかり。この度何故かこの寝室に化粧台が追加配備されることになったので椅子だけは僕がチョイスした。

あはは。家主なのに知らない間に家具とか買われるんだよね。落ち着いて考えれば我が国の鉛なんて独占してるしね。不思議だ。

ジッと紙を見つめるノイエを見つめ続ける。

本日の彼女は黄色のベビードールだ。毎日ベビードールだ。

全色楽しんでからスケスケキャミソールに戻っても良い。

と、ノイエの色が変わった。

先生が出て来るかと思ったらシュシュだった。

「あは~。これは~ちょっと~」

紙を投げ捨てて何故か自分の格好を見つめている。

スケスケよりも良いはずだ。ギリギリを攻めて肌を見せる面積が多い気がするが僕のデザインではない。あの賢者の仕事だ。

お願いはしたけどね? 土下座で肌面積を増やしてもらったけどデザインは奴である! つまり僕は無実だ。

クネクネと動いて……シュシュは改めて紙を拾い上げた。

「懐かしい~名前~なんだ~ぞ~」

「そうなの?」

「見て~無い~のか~だぞ~?」

「最近勘が鋭くて僕に見るなと告げていのです」

「……」

フワっとベッドを降りてシュシュが笑顔で寄って来る。

「見ろ~」

「断る!」

「逃げるな~」

両手で紙を広げてこちらに文面を見せつけてくるシュシュの攻撃を顔を背けて回避する。

回り込んでくるか? ならばこちらも反転して……って魔法はズルい!

椅子ごと束縛されて反転回避が出来なくなった。そちらがズルをするならこちらも。

「目を~閉じる~のは~卑怯~だぞ~」

「知らん。そっちが魔法を使うのが悪い」

「む~」

唸ったシュシュは何故か僕の背後へと……ちょっとシュシュさん? それは?

「くすぐるのは禁止~!」

「聞こえ~ないぞ~」

「あはは……やめれ~!」

長い髪を手にして、シュシュが先端で僕の首や耳などをくすぐって来る。

ズルい……何てイジメかと!

「見るから~」

「ん~?」

「手を止めれ~!」

くすぐることが楽しくなってきているのか、しばらくシュシュは僕をくすぐり続けた。

「どうしてこの格好?」

「シュシュの悪戯を防止するためです」

「む~」

間延びしない喋り方……シュシュの魔法から解放された僕は彼女を捕まえてベッドへと移動した。

あとはいつも通り僕が座ってから彼女を股の間に座らせて背後からガッチリホールドである。脇の下から抱きしめて胸の下でガッチリと腕で固める。

最初抵抗するシュシュだが諦めて静かになった。

「なら一緒に」

「はいはい」

改めてシュシュは紙を広げる。書かれている文字は人名だった。

「バローズ・フォン・クロストパージュ?」

「だね」

忘れた頃に出てくる家名だな。

僕ってクロストパージュ家に恨まれるようなことをしたっけ? クレア夫婦や変態親父に金を貸し、フレアさんに至っては命の恩人で元上司のはずだぞ?

それなのに僕に危害を加えるとは何たる恩知らずな一族かと。

「そろそろクロストパージュ家に対し宣戦布告が必要か?」

「何の話?」

「たまに僕を不幸にしようとする」

「あはは~。酷い理由だ」

紙を畳んでシュシュは小さく呟く。

フワっと燃えたかと思うと金色の光が燃えカスを全て覆う。あとは球体となった金色の物体をシュシュは軽く放ると……奇麗に屑籠の中に入った。

「シュシュって燃焼の魔法とか使えるのね」

「旦那ちゃんは私を何だと思っているの?」

「いい加減な魔法使イテッ」

シュシュが思いっきり足を抓って来た。

「いい加減は酷いんだぞ?」

「なら本気になりたがらない魔法使い」

「……あながち正解?」

「認めるなって」

「否定が出来ないんだぞ~」

楽しそうに笑ってシュシュが僕に寄りかかって来る。

こうして居れば可愛いのに……まあノイエの容姿は極上だから、常に可愛いのだけれどもね。

軽く抱き寄せて密着度を増す。

「で、その人って魔法学院の学院長をしてた人だよね?」

「知ってるんだね」

「ノイエの中の人たちの経歴はほぼ暗記してますから」

「凄いぞ」

シュシュは抱きしめている僕の手に自分の手を重ねてくる。

「ならこの人は誰の先生でしょうか?」

「書類上じゃアイルローゼの先生だね」

「だね。それと一応私も弟子にあたるんだぞ?」

「そうなの?」

それは知らなかったな。と言うより書類に載ってなかったぞ?

「途中からそうなったの……まあエウリンカ対策で残った生徒は学院長の生徒扱いなんだけどね」

「つまりアイルローゼとシュシュ?」

「それとミャンもだね~。ただミャンは生徒より先生をしていた方が長かったけどね」

背中を僕に擦り付けてシュシュが甘えてくる。

これこれシュシュさん。そんなに密着して甘えているとベビードールが開けてしまうぞ? もう結構開けていますけどね。

「弟子と言っても私たちは何も教わってないんだけどね」

良いのかそれで?

まあバローズ氏は精神系魔法の使い手だったというしね。前にノイエの記憶と言うか感情をどうにかしようと目論んだ時に会いに行こうとしたこともあった。実現できなかったけどね。

「そんな人物がアイルローゼを指名して来たってことは……」

「たぶん会いたいんだと思うぞ~」

「だよね」

あの馬鹿王子はクロストパージュ家との太いパイプがあるからな。

愛人と言うのか……愛妾か? メイドに仕立て上げて孕ませているとかどこの貴族かと。

ああ王家の人間でしたね。現在最も王位継承権の高いお人でしたね。

「何で会いたいんだと思う?」

「ん~。色々と想像できるぞ?」

「具体的には?」

「……面倒くさいぞ~」

フワっと逃げていこうとするシュシュを再度確保する。

胸をガッチリホールドして逃がさない。何より隠れ巨乳なノイエは掴みやすいのだよ。

「ノイエに負けた気がするぞ~」

「大丈夫。シュシュもそこそこ大きいから」

「そこそこ……」

どんよりと重い空気をシュシュが背負ってしまった。

事実って簡単に口にしちゃいけないのね。学んだよ。

「ほらほら拗ねない」

「拗ねてないぞ~」

「可愛い顔が台無しだよ」

「ノイエは可愛い物ね……」

えい。また地雷を踏みぬいたわ!

「普段のシュシュも可愛いから」

「……本当?」

「うん。可愛い可愛い」

「……嬉しいぞ~」

デレたシュシュがまた甘えてくる。意外とチョロいな。

と言うかシュシュは僕のお嫁さんでしたね。

「僕のお嫁さんなシュシュは可愛いのです」

「えへへ~」

機嫌を良くしてシュシュがまた甘えてくる。

スリスリと体を密着して来て……もう半裸ですね。僕は気にしませんが。

「それで可愛いシュシュさん」

「なあに~?」

ニッコリ笑ってシュシュが僕を見る。

「どうしてバローズ氏は先生に?」

「ん~。考えられるのは学院の地下かな~」

地下? ああ。確かエウリンカを封じていたとか何とか。

「地下に何があるの?」

「ん~。使用禁止の魔道具とか?」

おい待て。エウリンカと同等の危険な物じゃないだろうな?

そして人はどうして危険な物を地下に封じ込めるのだ? 最終的に土をかけて埋める気か?

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