軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

81話.クレハさんの考察

クレハさんと待っている間に、クレハさんの力について考察してみる事にした。

まず、ゲーム本編でクレハさんが戦う事は無かった。

だから俺はクレハさんの実力を知らなかったわけだけど……。

今日、このダンジョンで知ったクレハさんの実力は、まだ全然本気を出していないだろう事を考慮に入れても……烈火達より強い気がする。

その点を現実に考慮するのなら、魔将という役割だ。

四魔将の一人だが、ゲームではクレハさんが出て来る時は、魔王の再臨になりクレハさんでは無い。

そしてそのせいで、クレハさん以外の三魔将という呼び名が定着していた。

魔将ヴォルフガング、魔将エルノア、魔将ジークハルトの三魔将は、物語のキーパーソンとして必ず戦う事になる。

魔将エルノアだけは撤退戦で倒す必要はないというか、一週目では絶対に倒せなかったけどね。

ターン制限があるし(エルノアがどこかへ行く)攻撃がほぼ当たらない(回避ではなく、物理的に当たらない、通じない)ので倒しようがなかった。

つまり、一番仲間にしたいエルノアは仲間に引き入れられな……って今はそれはどうでも良い。

とにかく、設定上はそんな魔将達と同レベルのクレハさん。

強さも入力だけはされていたと仮定するなら、その強さは間違いなく敵のボスの強さなわけで。

それが、そのまま味方になったとすると……?

普通、ゲームで敵が仲間になる時はゲームバランスを考慮して、凄まじい弱体化を受けて仲間に加わる。

少なくとも俺がやってきたゲームではそうだった。

敵の時は強いのに、味方になったらそれなり、というキャラクター。

だけどここで、運営側の意図していない不具合。

バグとかコードを使った不正での仲間に強制的に入れた時、その強さは敵のままである。

それが、クレハさんの身に起きているのではないか? という考え。

これを俺は当たらずも遠からずなんじゃないかと思った。

四魔将としての強さをそのまま持っていて、味方になった仲間キャラクターって考えたら、こう、胸がときめくよねゲーマーなら分かってくれるんじゃないだろうか!

ヌルゲーとか萎える人も居るかもしれないけど、俺は仲間がどれだけ強くても良いので!

むしろ仲間の圧倒的な強さを見たいからレベル上げをしまくったというのもある。

また脳内思考が脇にそれていく……。

「どったの玲央ちゃん☆ ウチをマジマジと見て☆」

「あ、いや……!」

しまった、考え事をしていて、見てはいなかった(目線は向いてたけど)のだけど、結果的にじーっとクレハさんを見ていた事に!

「まぁウチ可愛いし☆ 玲央ちゃんの劣情がウチに向かっても仕方ないけどね☆」

「……」

クレハさんが可愛いのは否定しない。

否定しないけど、そんな下半身直結厨みたいな奴に思われるのは心外である。

「玲央ちゃんが望むなら、玲央ちゃんの筆おろししてあげても良いよ☆」

「!? え、遠慮しておきます……!」

何を言い出すのかこの人は!?

「あはは☆ 玲央ちゃんは純情で可愛いなぁ☆ どうかそのままで居てね玲央ちゃん☆」

「カラカイマシタネ?」

「あはははは☆ ま、玲央ちゃんなら相手には困らないか☆」

いやいやいや、俺は今まで誰とも付き合った事すらありませんよ?

多分、前世も、きっと。

もう朧気で思い出せないのだけれど……。

「クレハ様! 全て集まりましてございます!」

「おー☆ ありがとダンちゃん☆」

そんな話をしていたら、ダンタリオンさんがこちらへとやってきた。

その手には素材が入っているであろう大きな袋を持っていた。

「いえ! クレハ様のお役に立てたのならば、本望でございます! それでは最後の素材は、この私のドロップ品でありますれば……」

「そだね☆ ウチが一撃で仕留めてあげる☆」

「ハハッ! それでは、またお会いできる時を楽しみにしております!」

「りょ☆ それじゃ、ありがとね☆ 『ソウル・リーパー』☆」

クレハさんの大鎌から無数の黒い刃が生まれ、ダンタリオンさんの全身を切り刻む。

ダンタリオンさんは声も上げずに消滅し、ドロップ品へと変わった。

「はい玲央ちゃん☆」

「あ、ありがとうございます」

クレハさんがそれを拾い、俺に手渡してくる。

俺、なんにもしてないけど……俺要らなかったよねこれ。

「ノンノン☆ 玲央ちゃんが居たから楽しく行けたんだよ☆」

「!?」

クレハさんは時々、こちらの考えを見透かしたような言動を取るのでドキッとさせられる。

まさか本当に心を読んでるとかないよね……?

「くふふ☆」

今も意味ありげに笑うクレハさんに、まさかと思いながらも、その考えに蓋をして家に帰る事にする。

「随分と早かったな玲央、クレハ」

「ただいまです魔王様☆ 魔王様をお待たせするわけにはいきませんから☆」

「俺は結局なんの役にも立たなかったよマカロン」

「フ……玲央、お前は存在だけで役に立っている、気にするな。こちらも準備は整ったし、すぐに取り掛かるとしよう」

「了解でっす☆」

いつのまにか俺の部屋に大きな魔法陣が描かれている。

クレハさんの時とは、また違った印象を受けるな。

ついに、魔将ヴォルフガングが復活するのか……!