軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

63話.玲央は『鑑定』を覚えた!

リーシャさんが俺の読み終えた本を読んでいるけれど、やはり不思議そうに首を傾げていた。

スキルブックを適性の無い者が読むと、適性のある者が読むのとは違った内容になる事が判明した。

これだけでもう、俺が『鑑定』を覚えられる確率が跳ね上がったと言えるだろう。

とりあえず『鑑定』に関りがありそうな題名の本を選んで持ってきたのだけど、どうやらビンゴだったようだ。

ちなみに、ゲームでのスキルブックは使うと消えた。

図書館にある本なので、消えたら不味いのだけど……うん、案の定というか。

「あ、本が!?」

「……」

消えてしまった。

数冊持ってきていたので、一冊消えてもバレないだろうけど……うん、無理。

俺はそういうのしたくない。

「ごめんリーシャさん、俺謝ってくるよ」

「何を言ってるの、私も当然行くわよ。玲央君は私の為に行動してくれてるんでしょ? なら、私も謝るわ」

「リーシャさん……」

勿論リーシャさんの為ではあるのだけど、自分の為という所もあるので、申し訳ない。

俺が『真鑑定』を覚えられたら、皆の役に立つことができる。

色々な装備の真の力を解放出来るのだから。

「本が消えた、ですか」

「はい、すみません」

「申し訳ありません」

二人で頭を下げる。

司書さんは、苦笑しながら言った。

「頭を上げてください。お二人がそんな嘘を言うとは思っておりませんし、故意で起こった事とは思いませんよ」

すみません。故意ではないですけど、ゲームでは消えるのは知ってました……。

本なのに消耗品扱いだったんですよ……。

本なんだから何度も使えたって良いじゃないか……。

まぁ効果という意味で、使い切りなんだろう。

「きちんと報告して頂けて、ありがとうございます。似たような本もあるかもしれませんし、調べなければならないですね」

あー、そういう事なら俺は力になれるだろう。

チラッとリーシャさんを見ると、仕方ないなって顔で頷いてくれた。

流石リーシャさんである。

「あの、それなら俺が力になれるかもしれません。『鑑定』のスキルもありますし」

今覚えたので、早速利用させてもらおう。

「あら、『鑑定』を……それは珍しいですね。では、協力をお願いしても良いですか? その代わりと言ってはなんですが、お二人にはこのカードを差し上げます」

「!!」

こ、このカードは!?

図書館に数十回と足を運んで常連になるのが最低条件の、激レアカード!

その名も魔法図書館の名誉会員カード!

「私も頂いても良いんですか? 言ってはなんですが、玲央君のように私は力になれないかと……」

「クスクス。一年生キング、榊さんの筆頭護衛のリーシャさんでしょう? いつも一緒にいるのですから、構わないと判断致しました」

「な、成程。それなら遠慮なく頂くわ」

この名誉会員カードがあれば、通常では閲覧できない本も貸し出しが可能になるし、一般開放されていない奥の部屋にも行くことが可能になる。

そこにしかないスキルブックもあるのだけど……今日はそこまで踏み込むべきではないだろう。

「それじゃ、早速始めますね」

「お願いします」

「私は玲央君が指さした本を取るようにするわね」

「うん、お願いするね」

女性にそんな重い仕事を、と思わなくもないけれど、リーシャさんの方が力持ちなのである、せつないね。

これでもトレーニングは毎日しているんだけど、本格的な戦士としてのトレーニングを積んでるリーシャさんと比べたらね。

大人と子供くらいの差が、いやもっとか。

悲しくなるから考えるのはやめよう。

『真鑑定』を覚える為にも、『鑑定』の数を稼がなければ。

ここには沢山の本がある、経験値を稼ぐにはもってこいだ!

勿論『鑑定』もMPが減るのだけど、数値にするなら1とかそんなレベル。

俺の自然魔力回復量の敵ではないね!

永遠に使っても使えなくなる事はないだろう。

今日で『真鑑定』の使用回数条件をクリアしてくれるわー!

「玲央君、凄いわね……」

「本当に……いくら『鑑定』の魔力消費が少ないとはいえ、端から端まで全ての本を『鑑定』していって頂けるなんて思いませんでした……本当に、噂に違わず真面目な方なのですね」

「玲央君は、人の為になる事ならいつでも全力なんです。ただ、全力すぎて無茶をするので、周りが抑えないとなんですけどね」

「クス……信頼しているのですね。水魚の交わりと言うのでしょうか、羨ましい事です。後は任せて私は仕事に戻りますね。見つけた書物は、奥のテーブルに集めておいてもらえますか?」

「分かりました」

「では、よろしくお願い致します」

シスター服をひるがえし、司書さんは仕事に戻った。

俺は俺で『鑑定』を使い続ける。

すっごくどうでも良い情報が流れてくるので、全部遮断だ。

有用な情報であれば記録保存する事も出来るのだけど、それは保存数が限られているので、忘れたくない重要な情報だけに留めておく。

この保有数も『鑑定』の熟練度が上がれば増えるだろうけれどね。

「玲央君、少し休憩を入れましょ。頑張るのも良いけれど……喉も乾いたでしょう?」

「!!」

気付けば、数時間すでに経っていたようだ。

「お茶とお菓子の用意が出来ましたよ。奥へどうぞ、お二人とも少し休憩なさってください」

「あ……。はい、ありがとうございます」

「お礼を言うのはこちらですよ。本当にありがとうございます」

司書さんにお礼を言われながら、自分の為にやってるのでちょっぴり罪悪感を感じながらも頂いたお菓子はとても美味しかった。

休憩を終えたら、引き続き頑張ろう!