軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

60話

しばらくすると厨房から良い匂いが漂ってくる。普段はどうしても簡単に済ませてしまうので、お店で食べるようなメニューは久しぶりだ。期待が高まる。シュナイダーもソワソワしだした。

二十分ほど待つと、お盆に料理を乗せたチャボさんが厨房から出てきてカウンターに料理を並べてくれる。自分の前には注文したオムライスセットのサラダにスープ、オムライスが並ぶ。シュナイダーには犬用ハンバーグを作ってくれたようで、付け合わせに野菜も少し乗っている。

「お待たせいたしました。どうぞごゆっくり召し上がってください」

「ありがとうございます。いただきます」

まずはスープを頂く。コンソメスープにカブや人参、キャベツにウインナーと具沢山で、これだけでも一品になる立派なスープだ。よく煮込まれているのか野菜も柔らかく、味が染みていて美味しい。ウインナーは後から入れているのか、皮がパリッとしている。

次いでメインのオムライスをスプーンですくい口に運ぶ。絶妙な半熟卵のオムレツに包まれたケチャップ味のチキンライスが口の中で一体となる。ゆっくりと味わい飲み込む。

「チャボさん、めちゃくちゃ美味しいです」

「あ、ありがとうございます」

その後はあまりの美味しさに、夢中になって食べ切ってしまった。オムライスを口に運ぶたびに、顔を赤くしたチャボさんがお盆で顔の下半分を隠し、何やらはわはわ言っていた。シュナイダーもハンバーグに満足したようで、御満悦なようだ。良い顔をしている。

「ふぅ、ご馳走さまでした。美味しかったです」

「はぅ、お粗末さまでしたぁ」

シュナイダーもご馳走さまでしたとお辞儀をしている。ハンバーグも美味しそうだったし、自分も今度食べてみよう。

料理のステータスアップの効果だろうか、力が湧いてくる気がする。美味しいうえにステータスも上がるとは、最高かもしれない。料理の効果は二十四時間続くそうなので、少し食休みしたら以前から言っていた闘技場での特訓をするとしよう。

何故だか興奮冷めやらぬといった様子のチャボさんに料理のお礼をつげ、また来ますと言って食堂を後にした。

追憶の広間に戻り、先ずは交換所で何か良いアイテムが無いか見せてもらう。スクロールに武器やら道具が色々と並んでいるが、まだ入手したことの無いアイテムが必要で交換できなかった。

「何を、たべましたわん? 」

いぬさんが聞いてくるので自分はオムライス、シュナイダーはハンバーグを食べたと伝える。

するといぬさんは顔を赤く染めて、謎テク板で顔を隠す。

(えっ、何この反応は)

「あの、いぬさん? どうかしたんですか? 」

返事がない。フリーズしているようだ。まぁ良いかとねこさんに闘技場の使用をお願いする。第二試合は済ませているので第三試合からになる。

「ご武運をお祈りしております」

語尾に、にゃとつけ忘れているねこさんに見送られ闘技場に入る。ゼロとシュナイダーとルールを定める。

「じゃあ基本近接戦闘の練習って感じで、それができてきたら魔法との連携もとっていこう」

二人もそれで良いと張り切っている。まあ闘技場でならやられても追憶の広間に戻るだけらしいし、思う存分特訓できるだろう。やる気満々な二人とモンスターを待ち受ける。ゆっくりとモンスター側の扉が開き対戦相手が現れた。

それからはしばらくホテルから追憶の広間に通い詰め、闘技場での特訓とダンジョンの攻略を進めていった。基本的には闘技場で今まで戦ったモンスターのおさらいをして、問題なく倒せるようになってからダンジョンを攻略する。

ダンジョンのボス部屋は逃げられないため、万が一にも負けることがあればそれでお終いだ。闘技場と違い、ダンジョンは外の世界と同じで負けたら死んでしまう。ゆえに慎重に攻略していった。

「ふぅ、やっぱり獣王は物理の方が効くみたいだな」

現在挑戦可能なダンジョン第四階層のボス、獣王を危なげなく下し額の汗を拭う。闘技場で攻略パターンは確立させていたが、命がかかるとやはりドキドキする。

ゼロとシュナイダー二人からも緊張が解ける気配が伝わってくる。

「さて、今のところやれることもやったしそろそろ図鑑埋めに戻ろうか」

最近の特訓で近接戦闘にも慣れ、全員さらにパワーアップした。油断大敵だが、早々モンスターに後れは取らないだろう。

ダンジョンから広間に戻ると、チャボさんねこさんいぬさんにまた来ますと挨拶し、外の世界に戻った。