軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

38話

嵐の海上を生命感知を頼りに飛ぶ、おそらく巨大魚の反応だろう。今は海中深く潜っているようだが、近づくとこちらの真下に移動してきた。飛びかかってくるつもりだろう。海面を注視してタイミングを見計らう。

(来た! )

巨大魚が水柱を上げ、こちらを飲み込もうと飛び出してくる。ヒラリとかわし、今度は放電攻撃後の隙を狙う。作戦通りコテージメンバーが魔法を巨大魚目掛けて放つ。時間差で放たれる魔法に放電攻撃が追いつかず、ついに途切れる。海中に逃げられる前にすかさず業火球とゼロの火球を放ち、ダメ押しでリビングソードも特攻させる。更に巨大魚の下の海水を、海底が見えるほど収納してやる。

攻撃を受けた巨大魚は身悶えして落ちていくがそこに水は無い。ビダンっとその巨体を海底に叩きつけられ、ビチビチと跳ねる。このチャンスは逃さない。押し寄せる海水を収納していき、飛竜の火炎袋で可燃液塗れにし、コテージメンバーとこちらで絶え間なく魔法を浴びせる。ダメージのせいか、巨大魚はうまく放電攻撃を合わせることができず消耗していく。次第に放電も弱まってきた。トドメにナイトランスを強化投射で放つと、頭を貫かれた巨大魚は霧となって消えていった。ドロップとナイトランスを回収すると、海水が押し寄せ、黒雲が晴れ渡っていき嵐がおさまる。

41番 カミナリウオ アイテム1 スクロール(中級雷魔法)アイテム2 カミナリウオメダル

思ったより楽に倒せてしまった。レベルアップと中級魔法、手数のおかげだろう。結構盛大に海水を収納してしまったので、忘れないうちに戻しておく。残念ながらドロップはメダルだけだった。中級雷魔法は是非欲しいが、今度追憶のダンジョンで狙うか、下級雷魔法が取れたら交換所で交換してもらおう。マンタに近寄り、お礼を言う。

「ありがとうございました。皆さんの助力のおかげで予想より楽に倒せました」

「いえ、佐藤さんにしていただいたことに比べれば……」

「いえいえ、とても助かりました」

「そんな、こちらこそ……」

というような、日本人的なやり取りをしながら一度民宿に戻り雨で濡れた身体を、風呂で温める。

一息ついて昼食を取りながら、雑談を交わす。

「自分はこの間お話しした通り、まだ行っていない太平洋側を回って南下するつもりです」

「私たちはまっすぐに首都を目指そうと思います。佐藤さん何から何までありがとうございました」

「ご家族が心配でしょうけど、危なそうだったら無理せず逃げてくださいね。空のモンスターも危険かもしれません」

「はい、充分に気をつけます」

その後は少し休憩を取ると、まだ明るいうちに少しでも進みたいということでコテージメンバーはマンタに乗って南東に飛び立っていった。見送りを済ませると、こちらもまだ見ぬモンスターを求めて東へ飛ぶことにした。

日が暮れる前に隣の県に入り、市街地上空を飛んで探索する。今のところ新しいモンスターには遭遇していない。今日はこの街で一泊し、明日の朝から本格的に探索することにした。

次の日、朝食を済ませゼロに乗り山方面を空から探索する。山中の川付近から生命感知に未登録のモンスターの反応がある。ゼロが降りるスペースが無いので、一度拓けた場所に降りてから歩いて向かうことにした。川辺までたどり着く。反応はあれどモンスターの姿は見えない。どうやら川の中にいるらしい。以前川でサハギンに襲われたので、リビングソードを呼び出し警戒し魔法を撃ち込んでみる。すると川の中から甲羅を背負った緑色のモンスターが飛び出してきた。

「カッパだ……」

どう見てもカッパだった。頭にお皿も乗っている。五匹ほど同時に飛び出してきたが、襲い掛かってくる様子がなく訝しんでいると、一匹が相撲のシコ踏みをしだした。残りの四匹は後半で腕を組んでそれを見ている。

「え、ひょっとして、相撲する気なのか……」

はっけよいのポーズを取るカッパ。確かにカッパは相撲をとりたがるらしいけど……。どうしたもんかと頬をかく。構えをとるカッパは隙だらけだ。おもむろに業火球を構えているカッパに放つと、盛大に燃え上がり頭の皿が割れて消えていく。

42番 相撲カッパ アイテム1 カッパの尻子玉 アイテム2 スクロール(剛体術)

(良いのかな、あっさり倒せちゃったけど)

珍しくドロップが一つもなかった。残りのカッパたちが猛抗議してきているが、無視して爆炎陣で焼き払う。これも一撃であっさり倒せてしまった。

(あれ、ドロップしない)

未だかつてこんなにドロップがなかったことなどなかったので戸惑う。

「まさか、相撲を取らなきゃダメなのか? 」