軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

24話

ドロップを回収し、鉄骨から逃れた雑魚を処理してからモンスター図鑑を確認する。

26番 ミノタウルス アイテム1 霜降り肉 アイテム2 スクロール(剛力)

剛力はどうやら力を大幅に底上げしてくれるようだ。意識するとオンオフも切り替えができる。試しに鉄骨を持とうとすると、予想以上に軽くて転んでしまう。大きな鉄骨が、発泡スチロールのようにしか感じない。片手で振り回せてしまう。霜降り肉は今夜焼いて食べよう。

しばらく山の中の国道を歩くと、町に着いた。今日はこの町に一泊しようと、透明化でモンスターをかわしながら宿を探す。ホテルを見つけたのでそこに泊まることにした。収納を使ってドアを外しお邪魔する。

適当な部屋に入り、ベッドに腰を下ろして一息つく。そういえば、長いこと風呂に入っていない。浴室に向かい、水流の魔法で水を貯める。

(どうやってお湯にしよう……火球を撃ち込んでも大丈夫かな? いや、どうなるかわからんし怖いな)

しかし、一度入りたいと思うとどうしても、風呂に入りたくなってしまう。杖無しで浴槽の水目掛け、火球を打ち込んでみる。すると盛大な飛沫をあげ熱湯が飛び散る。

「あっつー! 」

身体に熱湯がかかり、治癒をかける。浴槽には三分の一ほどになった熱湯がコポコポいっている。水流を放ち、丁度良い温度まで下げる。身体を丁寧に洗ってから、お湯に浸かると声が出てしまった。

「はぁ〜、気持ちいい」

久しぶりに入る風呂は最高で、お湯が温くなるまで浸かってしまった。風呂を上がり、新品の服に着替え、ベッドに横になると気が付いたら朝になっていた。身体が凄くスッキリしている。やはり入浴してから休むと疲れの取れ方が違う。夕食も食べずに寝てしまい、お腹が空いていたので多目の朝食を食べる。

最近休みもなく、移動しっぱなしだったので今日はゆっくりとホテルで休憩することにした。その日は溜まっていた洗濯をしたり、収納に入っていた漫画を読んだりして過ごした。

次の日の朝、朝食と身支度を済ませてホテルを出発する。この県に入ってからはミノタウルスしか新モンスターを見かけていない。他は今までに遭遇したモンスターばかりだ。そろそろ別の県へ移動しようと高速道路までやってきていた。まずは歩きで、エンカウントを狙う。しばらくすると、ハーピーが襲ってきたのでリビングソードと魔法で処理する。また歩き、ハーピーが出てきて処理する。

そんなことを繰り返して歩いていると、上空を大きな黒い影が横切っていく。ハッと顔を上げると、目の前の空に、前脚の代わりに翼を生やしたトカゲが飛んでいた。旋回し、こちらへ鳴き声を上げながら向かってくる。

(ワイバーンか? )

茶色の鱗をしたワイバーンは、こちらに向かって火球を吐きながら滑空してくる。慌てて避ける。地面に着弾した火球は、広範囲に燃え広がりアスファルトを焼いている。ワイバーンは、と空を見上げると上空を旋回していた。届かないとは思うが、左手に清めの錫杖を取り出し投石を放つ。ゴブリンロッドを使用した時よりも大きく、速い投石が飛んでいく。

ワイバーンに当たりはしなかったものの、注意は引いたようで、再びこちらへと滑空し火球を吐き出そうとしてくる。まずは地面に降りてもらわなければ話にならない。ワイバーンの目の前にコンテナハウスを出すと、轟音を立てて衝突し、地面に落下する。コンテナハウスをしまい込み、すかさず粘着糸とありったけの重量物をワイバーンに落とし動きを封じる。頭以外を埋もれさせたワイバーンは、鳴き声を上げこちらを威嚇し、ガチンガチンと顎を鳴らし物を退かそうと身体を動かしている。

火球を吐かれたらたまらないので、射線を避けながらワイバーンの横にまわる。チラリと見えている翼に、拘束の爪を突き立てると、ワイバーンの動きが大人しくなった。頭部のほうにまわり、テイムの契約を持ちかける。魔法陣がワイバーンを包み込む。しばらく抵抗していたが、諦めたようで魔法陣がワイバーンの身体に吸い込まれていく。

(おお、これがテイムの感覚か)

ワイバーンからの思念が伝わってくる。降参だ。暴れないので、物を退かしてほしいと言っているようだ。

物を退かし、治癒をかけてやるとワイバーンはクルゥと鳴いて頭を下げた。恐る恐る近寄り、ワイバーンの顔に手を伸ばすが噛み付いてきたりせず、手に顔を擦り付けてくる。

「こうなると可愛いもんだな」

ようやく空を飛ぶ移動手段が手に入った。これから頑張ってもらわなければならない。良い名前を考えてやらねば。