作品タイトル不明
147話
生命感知の反応を頼りに、煙の中へ岩石槍を放つ。一発では倒せなかったようで、攻撃に気がついたモンスターが激しく動き回る様子がマップの光点からわかる。
ちょろちょろと動きまわって攻撃を計画しているようだが、魔力に物をいわせて岩石槍を連発して倒した。一撃で倒せないのなら倒せるまで当てればいいのだ。
120番 ポイズンラット アイテム1 ポイズンラットの牙 アイテム2 病毒耐性
モンスター図鑑で確認すると、今まさに欲しいスキルがドロップすることがわかった。しかしここで問題が発生する。どうやって回収しよう?
「あー、見えないと収納できないんだった……」
超便利スキルの無限収納も、視界に入れるか直接触れていなければ物を収納できないという条件がある。望みのドロップ品はあのカラフルな毒々しい煙の中だ。
ポイズンラットを倒したことによって生命感知の反応が変わる。ここら辺にはポイズンラットが多いようだが、他にも未登録のモンスターがいるようだ。何とかしてドロップを回収したいが……息を止めてたら数秒くらい何とかならないだろうか? と言うと、流石にリスクが高すぎるとゼロとシュナイダーに止められた。
「ダメかぁ。大人しく追憶のダンジョン行ってみるか」
そう言うと二人からホッとした感情が伝わってくる。
「二人とも心配性だなぁ。冗談だよ冗談。そんな無茶はしないよ」
ということで追憶の広間にやってきた。ねこさんといぬさんがいつものように出迎えてくれる。
「人間さん、いらっしゃいですにゃ」
「こんにちわん」
「こんにちは」
「ねこちゃんいぬちゃんやっほー」
挨拶を返して収納からお松さんを取り出すと、こちらの手の平の上からいぬさんの胸に飛びつく。
ねこさんに追憶のダンジョンを利用したいと伝えると、第八階層への扉が開かれた。
そう、第八階層なのだ。実はまだ第八階層のボスを攻略していない。順番的に言えばこの階層のボスは蒼炎姫になる。結構強い相手なのでしばらく放置していたのだ。
ダンジョン自体は攻略しているので、あっさりとボス部屋前までたどり着く。あれからいくつかレベルも上がっているし、今回は最初から鬼斬り包丁が有効だとわかっているが油断は禁物だ。
強化魔法をかけ、鬼斬り包丁を取り出し順番万端。扉を開け部屋に入ると、そこには思いがけない光景が広がっていた。
「鬼丸、もっとピカピカに磨け! まだココが曇ってるだろ?!」
「うが」
蒼炎姫が鬼丸にお宝を磨かせている。蒼炎姫自身も何かを一生懸命に磨いている。なんだろう、いつもの追憶のダンジョンのボス部屋と違ってちょっと狭いし、生活感がある部屋だ。
想像していた感じと違いゼロを呼び出すのも忘れてしばらく突っ立ていると、シュナイダーにどうする? と声をかけられる。何にせよ倒さないことには次の階層に行けない。
「とりあえずやろうか」
そこでようやくこちらに気がついたのか、お宝の手入れに夢中になっていた鬼たちがこちらを振りむく。
「テメェは! どうやってオレの部屋に入った!?」
「うがぁ」
蒼炎姫の部屋? どういうことだろう。ここは追憶のダンジョン第八階層だ。引っ越してきたのだろうか。
「どうやっても何も、この扉からですよ。それよりもちょっと先に進みたいので相手をお願いします」
「先だぁ? うわっ、何だこの扉。いつの間に……って鬼丸!?」
蒼炎姫が先へ進むための扉に気を取られている間に鬼丸をさくっと倒す。相変わらずムキムキの見た目のわりにそんなに強くない。
驚いてはいるものの、蒼炎姫はすぐに蒼い炎を身にまとい戦闘体勢に入る。
「この間のお宝じゃ飽き足らず、この秘蔵のコレクションまで狙ってくるとはな。テメェには色々と言いたいことがあるが、先ずは死ね!」