軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

305.四魔将をアーク維持管理要員と共闘して打倒する(中編)

305.四魔将をアーク維持管理要員と共闘して打倒する(中編)

存在が災害現象であると称されたスライムの中でも、その頂点となるジェネラル・ヴェノム・スライムに向かって、まず勇者パーティーたちが奇襲をかける!

「ビビア! そいつは物理攻撃を無効化するぞ! 気を付けろ!」

「うるせえ、ボケが! スライムにこの俺様が負ける訳ねえだろうがぁ!ぐっはああああ‼」

勇者ビビアは全力でダッシュした勢いのまま吐血しつつ、もんどりうちながら転がっていく。

「あと近づくだけで即死級の毒素を発しているから気を付けてろと言いたかったのだが、一歩遅かったな。≪状態異常無効≫付与。アリシア」

「はいはい。 解毒の加護(アンチドーティアルマー) よ。ローレライちゃん?」

「はーい、ヒール《回復~》」

微妙にローレライは回復に消極的だが、まぁいい。

「はひぃ! はひぃ!」

何とか体力残り1といった感じで、勇者が顔面を蒼白にしつつ、冷や汗をかきつつ、星剣を杖代わりに起き上がる。

「ダーリン、魔大陸のスライムはエンデンス大陸のものとは違うみたいですわ! あと鼻血を拭いた方がいいですわ」

「ぎゃーっはっっはっは。うける! 何だよその顔!」

「うむ、顔面からこけたくらいで鼻血ブーとは情けない。顔の筋肉を鍛えてない証拠だ」

「んぎい!」

「だが威勢が良いのは良いことだ。サイス、すまないがお前の指揮下で戦わせてやって欲しい」

「了解しました、ご主人様! よし、勇者ビビアとその一行よ、ついてきて下さい」

「は、はぁああああ⁉ どうしててめらなんかに指示されなきゃならねえ⁉ てめえらはただの使用人風情だろうが⁉」

「はい? いえ、あなたたちはデュース様やエリス様達オートマタ種族の下僕? だと先ほど部分的に同期して知りました。だとすると、当然私たちの配下でもあります。反抗的な態度をとる場合は消滅させても良いと聞いていますがどうしますか?」

「なっ⁉ そんな馬鹿な⁉ ち、ちっきしょおおおお⁉ この俺が使用人ごときよりも下の身分だってのか! なら早く命令しやがれえ!」

「ぎゃははは! 勇者、受け入れるのめっちゃ早すぎじゃね?」

「だいぶデュースに絞られたからな! ちなみに俺たちもな! 筋肉が委縮しているから、従うことに否はない!」

「まぁ大勢の方が勝率は高いので、なんでも良いですわ。エンデンス大陸に戻ったら単独で勝利したと報告したらいいだけなのですわ! なりふり構ってたら富も名誉も手に入れられませんのよ‼」

「皆さんの意見に一切誇る点はないのに、なんで威勢だけは良いんですか?」

「まるで成長していなくて逆に安心したのだ!」

サイスと勇者パーティーたちとの会話に、ローレライやリスキスが言った。

と、その隙を逃すほど四魔将は甘くない。

メア・ミノタウロスの渾身の横なぎが大地を掘削するっ……!

だが!

「これはなかなかの重さですね。ちょっと本気出せそうでお姉さんは嬉しいです♪」

その掘削はへたりこむ勇者たちの目の前で停止していた。ブリギッテが実に楽しそうな顔で、敵と同じ規模の斧を受け止めていたからだ。衝撃だけで突風が荒れ狂い、

「のわああああ⁉」

勇者はゴロゴロと転がっていった。

「さすがブリギッテ様です! よし、コレットちゃん!」

「了解なのじゃ。ゲシュペントォォォォオオオオ……!」

「聖女さああああん」

「「パアアアアアアアアアアアアアアアンチ‼」」

バキイイイイイイイイイイイイイイイイイ‼

「グオオオオオオオオオオオオオオオオ⁉」

ブリギッテに受け止められた斧に、二人の拳が炸裂して逆方向に吹き飛ばす!

そして、そっちにはジェネラル・ヴェノム・スライムがいる。

「≪クリティカル率アップ≫付与、≪物理防御無効≫付与」

俺はその刹那に斧に対してスキルを行使する。

ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオ‼

メア・ミノタウロスの20メートルはあろうかという斧が、突き刺さるようにスライムへ激突する。

その衝撃だけで土煙が舞って視界を覆い隠す。

「やったぁ! これはやったね! 間違いない! 女王には分かるもん!」

ミルノー女王が喜んでいるが、

「いや」

俺は肩をすくめて言った。

「効果はない。すなわち……セラ。風を」

「はい、アリアケ様。 ウィンド・ブラスト(風よ、切り裂け) !」

彼女の起こした突風によって、土煙は一瞬にして吹き飛ばされる。土煙の中のスライムにも命中しているはずだ。

しかし。

現れた目の前の光景を見ながら俺は続きを口にした。

「ノーダメというやつだな」

クリティカルヒットした斧を受けても、風魔法を受けても、スライムは健在であった。

それどころか、ダメージが通った痕跡すらない。

同時に、メア・ミノタウロスから感じる力も数倍に増大しているのが分かる。

「うわん⁉ そんな⁉ あれで勝てないなんて! 生きて帰ったらアリアケ皇帝と結婚する計画なのに!」

「まぁ落ち着け。あと、お前のセリフは逆運命力がありそうだから、ちょっと静かめで頼む」

それにしても。

「物理防御無効でもダメージが通らないのか。だとすると……」

「先生、次元ごとやりますか?」

「それも無効化しそうだな。物理というか、攻撃が無効なんだろう」

「それは厄介ですね。で、どうするんですか、アー君?」

アリシアが信頼した瞳で俺を見ながら言った。

「もう作戦は出来ているんでしょう?」

その言葉に俺は微笑みながら頷いた。

「もちろんだ。さあ、ではサイスたちにも手伝ってもらうとしよう」

俺の言葉を受けて、サイスをはじめとした数十体のオートマタたちが、俺たちの頭上に浮遊し集合した。