作品タイトル不明
218.エピローグ/教主ジャルメル・屈辱の永久追放①
218.エピローグ/教主ジャルメル・屈辱の永久追放①
星の未来は決し、元国教であるワイズ教と、現国教ブリギッテ教は習合することが、 古(いにしえ) の神と現人神の間で決定した。
それについて、女神イシスの代行者で、大賢者たる俺が公証しよう。
力ある者がこういう時に責務を果たすべきと言うのは分かるが、面倒事をしょい込んでいるようで気が向かないがな。仕方あるまい。
だが、この決定に不服を唱える者が一人だけいた。
それは、
「なんで儂がこんなめにあわなければならない! 離せ! 離さんか! 儂が! 儂こそがこの世で最も尊き存在、ジャルメル=ギルメイザーであるぞ! ぬあああああああああ!!!!」
耳を汚すような絶叫が、縛られて、つるし上げられた豚のような男の口からほとばしった。
「教主ジャルメル。もう終わったんだ。お前の権力の基盤たるワイズ教は解体される。これは俺と神々によって決定とする」
「ふ、ふざけるな! ふざけるなああああああああ!!!」
つるされながら、ジタバタとあがく。
「儂のワイズ教がそんな簡単につぶされてたまるか! そ、それにだ!!!」
ジャルメルはいやらしく、卑しく嗤うと、
「こ、この儂が誰か分かっているのか。恐れ多くもこの儂はなぁ」
にちゃり、と唇を歪めるが、
「王の弟なのだろう? それがどうした?」
俺はあっけらかんとした様子で言う。
「なあ!?!?!?」
あっさりと俺に言い当てられて、ジャルメルは今度こそ目を瞠って愕然とする。
なんだ、その反応は。
「それくらい、下調べしているのは当たり前だろう? 賢者といちおう言われる身だぞ?」
「ば、馬鹿な……。これは限られた者しかしらぬ、秘密のはず。どうして一介の国王ごとき、成り上がりの貴様ごときがっ……!」
「お前は本当に無能だったんだなぁ、ジャルメル」
「なっ、なんじゃと!?」
俺の言葉に顔を真っ赤にして激憤するジャルメルだが、俺は苦笑しつつ、
「本当のことだ。どういう人脈を築けるのかは、その人物の『格』そのものだ。それくらいは貴族ならばよく知っているだろう。ならば、俺がどういった人脈を持っているか、想像できないのか?」
「なっ、そ、そんな。もしかして……」
「ブリギッテたちに連れてきてもらった。人使いが荒いとまた後ほど小言を言われそうだがな」
俺はそのことに嘆息しつつ、こちらにその男へ合図を送る。その男はゆっくりと近づいてくる。
そして、
「久しぶりよな、ジャルメルよ。いや、弟よ」
「こ、国王……。兄上……」
あえぐような声で、ジャルメルは言った。
そう、ブリギッテたちに急ぎ連れてきてもらった人物とは、何を隠そう、グランハイム国王だったのである。
(続きます)