軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

149.邪神VS星の女神イシス・イミセリノス(欠損状態)

149.邪神VS星の女神イシス・イミセリノス(欠損状態)

(前回の続きです)

「あ、あれ? なんともないのだ?」

あてぃしは降り注ぐ隕石に押しつぶされ、その衝撃により生じた熱量によって完全に概念消失までもっていかれたと思ったのだ。

けど、無傷。

痛すぎて、痛みを覚えない、とかではなくて、本当に無傷だったのだ。

しかも、周囲を見回しても、あれだけの広範囲の反則級の術を使用されたにも関わらず、大地は健在で焼き尽くされてもいない。はるか後方に怯えたようにしている勇者どももションベンくらいちびっていそうだけど(さすがにそれはないか)、ちゃんと生きているのだ。

あいつらが生きているということは、邪神の攻撃は完璧に防がれたということになるのだ。

そして、それをやったのは、

「ティリス?」

その少女は当たり前のように、あてぃしの前に立ち、邪神を見て微笑んでいた。

勇者パーティーの一員であるはずの、ただの後衛術士であるはずの少女だったはずなのだ。

なのに、

「どうしてという顔をされていますが、魔王さん」

こちらに半分だけ顔を向けて言った。

「私の お肌(大地) にあんな隕石などを落とされては、さすがにお肌が 傷(いた) みます。それはそれは困ったことになるでしょう?」

「お肌?」

大地が、自分の肌。

ああ、ということは、この少女は。

いや、あなたは、

「この星の神様……なのだ?」

「はい」

少女は当然のように頷き、

「ティリス改め、星の女神イシス・イミセリノス、これよりあなたがた我が仔たちへ参戦し、あの宇宙癌を打倒することを誓いましょう」

そう高らかに宣言したのだった。

「なるほど、まさか勇者パーティーの中に紛れ込んでいるとは」

攻撃を防がれたにも関わらず、邪神は意にも介していないようなのだ。むしろ、余裕。

邪悪に唇を歪める。

「1000年前、儂が飛来してとりついたとき、抵抗した貴様につけた傷は、まだ癒えていまい。そんな貴様が出てきたところで、もはや何の足しにもならぬ。時間の無駄というものだ」

「そうですか? 何事もやってみないといけませんよ。邪神ニュクス。それに私の仔たちはとても頼りになりますので、油断しないことです。まぁ、一人きりのあなたには理解できないでしょうが」

「………………………………………………くだらぬ」

バリバリバリ!!!

二人の。

神と神の間に魔力の渦が生じて弾ける。

存在だけで、空間をきしませているのだ。

そして、次の瞬間。

「 エルクシティス(深淵なる重さ) ・ ヴァリティタス(をあなたに) 」

ボコッ!

「むうっ!?」

ティリス。

いや、女神イシスが魔法を使った瞬間、邪神が大地へと押し付けられ、初めて膝をつく!

同時に、大地がその重力に耐えきれずに、ベコリとへこんだ。

半径一キロ? 十キロ? 火山口のような広大な溝が形成される!

凄まじい、これが神様の力なのだ!

「やったか!? なのだ!?」

「いいえ、この程度では」

「その通りよ」

「なっ!?」

信じられないことに、邪神はいまだ発動中の超重力の影響など受けていないかのように、自然と立ち上がる。

「久しぶりすぎて忘れておった。そう言えばこのような技を使うのであったな」

「驚きましたか?」

「うむ。児戯としてな」

「では、更に1万倍! これならどうですか!」

ドオオオオオオン

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!

圧縮されきってもはや収縮する余地などないはずの大地が、更に更に陥没していく。

天変地異を目前にしている気分なのだ。

まさに神の領域なのだ。

けど、

「ふむ、認めよう。これを受けて立っていられる存在はこの世界ではおるまい」

邪神は悠々とした様子で言った。

「儂を除いてはな」

そう言うのと同時に、

「 星を喰らう(ステイラ・マンティコア) 」

邪神は固有スキルを発動させたのだった。

(続きます)