軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

68話 輸送ゴーレムを作ったよ

…………と、思っていた時期が私にもありました。

「やっぱ魔虫じゃねーか!」

そっと顔をそらした。

「…………そこまでは、いかないだろう?」

いろいろ考えてたの。

やっぱ、こんな危険な世界なら、戦車っぽくしないとダメじゃん?

前後にランチャー、左右に可動式ガトリング砲をつけるとして、相手の攻撃をどう防ぐか。

タイヤも、四輪だけだとコワイじゃん?

リョークは六本足(除く前足)だけど、輸送車なら胴体部分が長くなるからもっと増やさないといけないし。

トラックっぽく四角くすると、直角に攻撃が当たりやすくて傷つきやすいから、曲線の方がよくね?とか、いろいろ考えてたらね、ふと、ダンゴムシが思い浮かんだの。

作っちゃったの。

もうちょい、メカニカルにしたよ?

今回はソードに軽い金属を選んでもらって、ちゃんと足に隠れてるけどキャタピラータイプのタイヤも付いてるし、丸い窓を開けたらそこからガトリング撃てるようになってるし!

後ろはシャッター式で、背中の後ろから上下に分かれる感じにした。

ちなみに運転席もシャッター式。フロントガラスの部分が上下に動いて乗り込む形になる。

万が一キャタピラがやられても多脚部分で支えられるし、多脚部分がやられてもキャタピラで駆動できるし、地形によってどっちを使うのがいいかって自動判断出来るし。

一緒になって作ってたベン君だけが喜んでくれた。

「すっげー! 大満足の出来ッスよ! ちょっと試運転したいんスけど!」

ありがとう、ベン君。

温かい言葉に励まされるよ。

ちょっと悪ノリしたんだよ。うん。

魔虫と間違われると嫌なので「ボクはこう見えてゴーレムだよ! 物を運ぶお手伝いをしてるんだ!」って私の声で吹き込み、拡声器から流れるようにした。

「……俺さぁ、むしろコレ自体を狙って襲われそうな気がすんだけどよ?」

ソードがぼやいてる。

「いいじゃないスか、襲われたって大抵どうにかなっちまいますって、コレ。さーて運転してみよーっと」

ベンがイキイキと運転席に乗り込み、私も乗り込んで……

「うにゅ⁉」

ソードが乗り込んできた。

「お前、なんだよ⁉ 興味ないんじゃないのか!」

「興味ないなんて言ってない。どーせあと何台か作るんだろ? 俺もアドバイスしてやるから、ホラ、詰めろ」

なんだよ、魔虫とか言ったくせに!

虫っつーか蟲だけどな!

「ちなみに、コレ、なんて名前つけます?」

「多脚輸送ゴーレムだけど、好きにつけてくれ」

「お前、リョークは拘ってたのに、バカにあっさりしてるな」

「リョークは、明確な意思を持って作った。コレは、思いついて悪ノリしたのだ」

「やっぱそんな感じかよ」

そして私がつけるとなると『決してつけてはいけない』名前以外、思い浮かばないのだ。

「んじゃ、シャールって名前、つけていいッスか?」

ベンのセンスが意外と良かった。

運転席は結構メカニカルだ。

パネルと計測器と映像がひしめいてる。

別に見なくても運転出来るし、音声での操作も可能で、つか基本オートなのでデフォこのままでいい、が、ロボット大好き操作はマニュアルPCの設定はカスタム音声は邪道、という私は細かな設定がいじれるようにしたい。

のでそうした。

ソード、見てびっくり、そして急激にソワソワしだした。

気になるんだろうね。

ベン君は

「スゴいッスねー! これ全部覚えなきゃいけないんスか?」

ってちょっとげんなりした模様。

「いや? 基本はオートだ。というか、オートだ。わかってきたらいじりたくなるだろうが、今のところは無視しておけ。それよりも運転技術をマスターしてもらうぞ」

露骨にホッとしてる。

「んじゃ、運転しまーす」

ゆっくりとアクセルを踏む。

静かに発進。

「揺れが全然無いッスね!」

「まぁな、衝撃を吸収するような作りになっている。基本はキャタピラだが、あまりにもデコボコ道だと多脚で歩くぞ」

のんびり走行だな。

「なんつーか……快適だな」

「お、わかるか?」

ソードが気付いてくれたのでうれしくなって言ってしまった。

「冷暖房完備なのだ! 設定温度は[摂氏二十二度]、まぁ、今のこの気温だと思ってくれ。もう少し暑くしたかったらここにある上矢印に触れ、下げたい場合は下矢印に触れる。エコに燃料を節約する場合は横に〝切る〟があるから切ればいい。他にも、[マイナスイオン]を放出させている、いわば森林浴効果だな。森にいると町より空気が綺麗だろう?アレだ。さらに、[加湿]、湿気は重要だからな、適度に蒸気を放出しているんだぞ?」

ソード、唖然。

ベン君は「スゴいッスねー! 俺、今言った言葉の半分もわかんないんスけど」って答えた。

「長旅でずっと運転してるなんてつらいだろう? 居眠り運転も怖いしな。出来るだけ快適に、でも寝ないようにちょっとだけ低めの気温の空間を作るようにしている。馬車は知らないが、この手の車……ゴーレムは、眠くなるんだ! 眠気が襲ってきたら潔く運転を止め、脇に止めて寝ろ!」

自動ブレーキシステムで、障害物にぶつからないようにはなってるけど、だからって寝ないでね?

「おぃーッス」

チャラ男君、わかってるのかなー?