軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

62話 教育的指導だよ

チャージカウはリョークと一緒に食べられそうな草のある草原で待機してもらい、私たちは門が開くと同時に入る。

すると、案の定、蒼然とした大人たちが待機していて、一斉にコッチを見た。

「……やっぱ、こーなってるよな」

ソードがため息。

ギルドマスターのところに行った。

事情を説明するんだろう。

泣き虫少年は私の後ろで縮こまってる。

「「サジー‼」」

スタンドの青年と、母親らしき女性がこちらに走ってやってきた。

「どこに行ってたのよ、アンタは‼ 昨夜からどれだけ心配したと思ってんの‼」

全くその通りだろう。

サジー少年の様子で、どうやら私たちに交じりたい一心で(止められてたのにも拘わらず)山に籠もってた、というのは丸分かりだ。

朝イチでかき集められた男衆も「良かったな」という顔より「全く迷惑な話だ」って顔の方が多い。

だろうね。

青年もやってきて、拳固を食らわした。

「でっ!」

「Sランク冒険者様たちに迷惑をかけて……! それだけじゃないぞ、みんなにも迷惑をかけたんだぞ! 冒険者ごっこにしても行き過ぎだぞ!」

少年、癇癪を起こした聞かん子の顔になった。

「そうよ! インドラ様とそう歳が変わらないのに、お前はどうしてしっかりしてないの! インドラ様を見習って、もっと大人になりなさい!」

うーむ、説教としては定番だが。

「その説教じゃ、少年は聞き入れないぞ?」

私がつぶやくと、一斉に私を見た。

特に少年は、涙目で私をにらんできている。

全く反省してる色はない。

「そら、全く反省してる顔をしてないぞ。癇癪を起こして泣き暴れそうな顔をしている。……まぁいい、その少年の不始末は、親の責任だ。つまり、貴女の育て方に問題がある」

母親を直視して言ったら、母親が戸惑った。

「貴女の責任だ。甘やかし、泣いて癇癪を起こせば何でも通る、手伝いすらしない、大人が全てやってくれて当たり前、禁止されても聞かずに勝手気ままに行動する、他人の迷惑を考えたこともない、全て貴女がそう育てた。……で? 育てた親として、この騒ぎ、どう始末をつける気だ?」

母親、真っ青になった。

「……す、すみませんでした」

頭を下げてきた。青年も。

だが。

「……その程度が詫びか? その子がその詫びを見て、『自分が悪かった』と心から反省すると思うか? 今朝までの騒ぎに、皆が納得する程度が、それなのか?」

そう言ったら、土下座してきた。

やはりあるのか、土下座。

「……おい⁉」

ソードが走ってきたが、掌底の風圧で止めた。

「来るな、これは教育の一環だ」

「教育ぅ⁉」

「あと、私は甘やかされてる子供も甘やかしている親も許せないタイプなのでな、ねたみとでも思え」

さて、と向き直る。

「この度の息子の不始末、大変申し訳ございませんでした」

「……弟が大変な迷惑をおかけしました、お詫び申し上げます」

仁王立ちしてたら、

「おい……止めさせろよ! お前! なんでお前がそんなに威張ってるんだよ! 母ちゃんも兄ちゃんも悪くないだろ!」

激高する少年。

冷たく見てやった。

「そうだ、お前が悪い。だが、コイツらは、お前をそんな風に育てた責任がある。だから謝らせている。……で? お前は癇癪を起こすだけか? 私は昨日から一度も感謝の言葉も謝罪の言葉も聞いていないのだが」

少年、ぶるぶる震えて、走り去った。

ダメだコリャ。

小芝居終了。

母親と青年を立ち上がらせた。

「……もういい。残念だが、少年は癇癪を起こして走り去った。これにて終了だ」

「……え……。……あの……」

母親と青年が顔を見合わせてる。

「私に対しては、もういい。『諦めた』あとは、町の住民に謝りまくれ。まぁ、それで済むかはわからないが。じゃあな、もう会うことはない」

踵を返したら、え、ちょっと、ソードがいないんですけど。

かっこつけたのにぃ。