軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

60話 寄生プレイはよくないよ

よくわからないので泣き虫少年は放置、チャージカウを洗ってやった。

そのために、このために! ブラシを買ったぞ!

それで贅沢にせっけんを使用した!

泡泡にしてブラシで丁寧に擦り、お湯で流して温風で乾かす。

「うおーーー! お前たち、すっごい綺麗になったぞーーー!」

万歳して叫んだら

「うるさい、やめて、強者の叫びに魔物たちが怖がっちゃうから」

ってツッコまれた。

コホン。

「……すまない、少々興奮した。だが、綺麗になったぞ、お前たち!」

黒は漆黒の艶めきに、白は純白の輝きに!

なんだかんだソードも手伝ったので、ソードもそう思ってるんだろう、口には出さないけど。

ソードって、ちょっとツンデレだよね、私にやいのやいの言いながら、きっとチャージカウのこと好きなんだよ、かわいがっちゃうんだよ?

ニヨッってたら、唇つかまれた!

「ニュニュニューー!」

「気持ち悪い顔してコッチ見るな」

って! 理不尽なこと言われた!

野営の支度をしていたのだが……。

「お前、もしや、寄生するつもりか?」

泣き虫少年、当然かのように私たちの用意する野営に入り込もうとしているのだが。

「なんだと⁉」

「いや、なんだと、じゃねぇよ。お前、勝手にここに居座って、しかもずうずうしく野営に入り込む気か、っつってんだよ。つか、お前、手ぶらだよな? なんで帰らなかったんだよ?」

少年、私とソードにツッコまれてぐっと詰まった。

いや、帰れよ。

私もソードも呆れた。

「……お前、甘やかされた坊ちゃんの典型だな。なんだろう、平民の方が子供は甘やかされてる気がするぞ? なんで赤の他人の野営にずうずうしく加わってこれるんだ? 私だってそんな真似はしないぞ?」

「お前の言った通り、甘やかされてんだろ。つーか、町の住民の側を離れたことがないんだろ。野営の準備は大人がするもの、子供はそれにくっついて周りで遊んでれば、大人があとはぜーんぶしてくれる、ってワケ」

「え……冒険者を目指してる、とか、言ってなかったか? それなのに、それで許されるのか?」

やっぱりコスプレだったのか?

呆れて見てると、また泣いた。

「……お前、本当に泣き虫で甘ったれだな。ちょっと、お前の親を呼んでこい。説教したくなってきた」

私は親から非常に冷たい仕打ちをされてきたので、こういった甘やかされた子供に対して八つ当たりしたくなる。

ソードが時計を見てため息をついた。

「……しまった、判断が遅すぎたな。もう門が閉まるぞ」

ナニーーー⁉

「……嫌な予感がするんだが、コイツ、居所をちゃんと親に言ってきたのか? こんな、野営は大人がするものなんて考えている子供が、「今日は野営するかも」と親に伝えてきたと思うか?」

少年を見下ろしつつソードに聞いたら

「俺に訊くの? 直接訊いた方がいいけど、ま、泣いてて答えねーか。じゃ、代わりに答えるよ。言ってくるわけねーだろ、ここに来たことすら隠してるかもな。じゃなけりゃ、俺が通達したここに、この時間、いるわけがねーからな。今頃町じゃ大騒ぎだろうな。大人連中が一晩中徹夜で町の中を捜索。明日の朝イチ、門が開いたらギルド選抜の捜索隊が山に向かってくると思うぜ?」

少年、青くなった。

「お、俺……。…………どうしよう」

「知るか」

ソードが吐き捨てた。

「だから冒険者に向いてねーっつってんだよ。正しく状況判断が出来ねーで、何が冒険者だ。どうなるかの未来予測くらい、たてれねーでどーするよ。二度と冒険者になりたいなんて抜かすな」

さすがに同感。

この子、ソードの深酒の原因になったあの借金奴隷の男に似てるぞ?

あの男もさぞかし親に甘やかされたんだろうな。

その後は、ずーーーっとメソメソ泣いている。

「お前、鬱陶しいから見えないところに行って泣いてくれないか?」

と言ったが、意地でも動かないらしい。

まぁいい。無視しよう。

ソードは野営の設備(テント、シャワー場、トイレの陣幕)を作り、周りに結界を張って、その後はチャージカウにお水とご飯をあげてる。

やっぱ好きになったんだ、かわいがっちゃってるよ。

リョークは見回り、のち、並列化。

私は魔術でトイレの設置をした後、調理キットを設置し、調理。

せっかくミルクが手に入ったので、いろいろ作っちゃうぞ!

既にここにくるまでいろいろ作ってるけど!

魔物肉と玉ネギ(ぽい野菜)をバターで焼き、戻した干しキノコと生クリームで煮たメインディッシュ。

生野菜と甘いフルーツとしょっぱい塩漬け肉をフレッシュチーズで和えたもの。

魔物の卵とミルクとチーズを混ぜて、炒めた色とりどりの野菜を中に入れたオムレツ。

芋のすり流しっぽいミルクスープも作った。私は最初、ソードは最後に飲むスープ。

「これは葡萄酒が合うぞ。あ、でもこれは味がハッキリしてるから蒸留酒でもいいかな」

パンを焼きながら言った。

ソードがうれしそうにうなずきながら折りたたみ椅子に座った。

さて、私も……と思ったら、ものすっごい大きなお腹の鳴る音が聞こえてきた。

泣き虫少年の方から。

…………。

思わずソードと顔を見合わせて、泣き虫少年を見る。

泣き虫少年は泣きやんで、こっちをものっすごく物欲しそうに見ている。

ソードはため息をつくと

「どうする?」

「私はいいぞ、別に。条件はあるがな。……泣き虫少年よ、食べたいなら来なさい」

泣き虫少年、口を開き掛けたが、閉じて、傍に来た。

「しょうがない、物欲しそうに見られながら食べるのも落ち着かないので、分けてやる。ただし、私は、食べたものを『まずい』と言われたり、残されたりすることに非常に怒りを覚える。もしもそんなことをしたならば、お前を切り刻み解体し、明日の朝食のメニューにしてソードに食わせてやるからな」

「ちょっと待って、止めてよ、なんで俺に食べさせるの?」

「人間の可食部分は少ない。しかもだな、いかな私の腕でもうまいものが作れるかはわからん。チャージカウに食べさせてお腹でも壊させたらかわいそうだろう?」

「……おい? 俺はかわいそうじゃないのか? ん?」

グリグリされた。

グリグリされながらも真顔で伝える。

「いいか、冗談ごとではない、まずいと言うつもりなら食うな。残すくらいなら先に言え、出さん」

本気で言ってるのが伝わったらしい、ブルブルとすごい勢いで首を振った。

「よし、なら出そう」

ソードも真顔で少年に諭してる。

「おい、本気でまずいとか言うなよ? インドラなめるなよ? コイツはやると言ったらやる男、間違えた女だ。絶対やるから、言わないでね? お互い明日の朝日は穏やかに眺めたいでしょ?」

変な説得をしてる。

でも、納得したらしい、渡した食事は、ガツガツと、綺麗に平らげた。

「明日は朝日が出るまでに朝食を済ませて下山するぞ」

ソードが言ったのでうなずいた。

門が開く前に、ってことだね。

その後泣き虫少年がウトウトし出したので、チャージカウの寝床用に敷いた布の上に転がした。

私とソードはシャワーを浴び、サッパリしてテントで就寝。

お休みなさーい。