軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

334話 私が作ったんだよ!?

ボス攻略後、安全地帯で休憩をする。

私は今までゲットしたアイテムの整理をした。

ドロップが異様に少ない。というかほぼない。けれど、ボス報酬が王都の倍以上だ。

顎に手を当てて考え込んだ。

「うーむ。やはりこのダンジョンは敵を倒して宝箱を発見するタイプじゃなく、ギミックを解き明かして隠されし宝箱を発見するタイプなんだろうな。リーンは十階層を攻略したのだろうか」

だから案内するって言ったのかな?

でもでもぉ、やっぱり攻略は自分で解き明かしていきたいしぃ。

「ま、いーじゃねーかよ。周回したい敵がいねーし」

ソードが酒を飲みながら言った。

それは、ドロップアイテム次第だと思うよ? 王都の蜂蜜階みたいなのがあったらリポップしなくなるまで周回するもん。

……と、考えてばかりいないで英気を養おう。

面白いと言えば面白いんだけどさー、このダンジョンって疲れる。

ソードも相当ぐったりしているし。

「うむ! こんなときは、スタミナ定食だ!」

私の宣言に、ソードが驚いた顔した。

「『精力向上』? ナニソレ? 俺、食っても大丈夫なもの?」

どういうことだ。私はいぶかしみながら答えた。

「大丈夫に決まっているだろう。なんでダメだと思うんだ。お前だって疲れてるだろう? そういうときには、精力のつくものをガッと食べて、風呂に入り筋肉のこわ張りをとり血行を良くし、間髪をいれずに寝る! のが一番だ。酒もほどほどにしておけよ? 疲れたときに飲みたくなるだろうが、翌日疲れが倍増するぞ」

「げ」

という相槌を打つも、酒を手放さないソード。

まぁ、いいけどね。精神的に疲れたとき、酒を飲みたくなる気持ちは分かる。ただし知識として。

私を見ていたソードが急にクスリと笑う。

「ま、お前のことだからそんなことだろうと思ったけどな。たまーにとんでもないことしでかすから、ちょっと警戒した」

警戒? 私が腕を組み、思いっきり首をかしげたらソードが弁解し始めた。

「だからー、俺に精力つけさせて、どうする気? って思ったの」

「……どうする気も何も、元気を出させる以外の何があるんだ」

「ないけど」

…………意味がわからない。途方に暮れたらソードに謝られた。

「だから、ごめん、って。お前は純粋に俺を心配してくれていろいろ考えてくれてる、ってわかったからさ」

「……今更か?」

「今更、じゃなくて、改めて思ったの」

そうなのか。相変わらず突然なやつだな。

ワケのわからんことを言うソードは放置して、スタミナ定食を作ろう。

メニューは、ガーリックな焼き飯と、生姜焼き!

生姜焼きは白飯でかきこみたくなるかもしれないけれど、あまり味付けを濃くせず、たっぷりの千切り野菜に乗っければ大丈夫だろう。

ガーリックな焼き飯は、厚めに切った肉をニンニク(らしき香草)で焼いてブランデーでフランベして取り出し、残った油と旨味でご飯を焼くように炒める。塩胡椒で味付けしたら味の邪魔をしない葉野菜を少量千切って入れて軽く混ぜて、終わり。

生姜焼きは、生姜としょうゆモドキと麦蜜と焼酎を煮詰めて、先に焼いた肉に絡めて刻んだ野菜の上にドバー!

よし、出来上がったぞ。

「さーて、持ってくか……うわぁ!」

ソードが真後ろに立ってたよ! 危うくひっくり返すところだったぞ!

驚いている私を意に介さず、

「俺が持ってくよ」

ニコニコしながらソードは持っていった。

作る前まで、食べられるか心配してなかったか?

…………いいけどね。

お代わりまでして綺麗に平らげたソードが最後に言った。

「元気が出た」

「うむ!」

そうだろうそうだろう。医食同源だよ。

胸を張ってうむうむとうなずいていたら、ソードが笑って頭をなでた。

「お前って、ホント、良いやつで色気がないやつだよな」

なんか余計な一言がついたぞ? 私は眉をひそめる。

「色気の話になぜなった」

「だからー、普通、女が精力つけさせるなんてろくな企みしかないじゃん?」

……とは、ソードの弁。

なるほど。

そんなことないと思うが、ソードの経験則からするとそうなのか。

私は片眉を上げて言った。

「お前は私まで疑うのか?」

ソードが私をなだめるように頭をワシャワシャする。

「だからー、その言葉に敏感になってたの! お前に言われたのすら反応するくらいに! ないのはわかってるけどさ」

…………私、一緒に風呂に入ろうと誘うやつに疑われたくないんだけど。

私はため息をついた後、気持ちを切り替えた。

「……まぁいい。とにかく、元気が出たのなら酒はもうやめておけ。さっさと風呂に入って寝よう」

じゃないと疲れが取れない。私も疲れたし。

ハイそれでは、お風呂に入って就寝しまーす。

おやすみなさい。

翌日。

「気分爽快!」

私は万歳しながら元気に飛び起きた。

ソードも元気になったらしく、爽やかな笑顔を向ける。

「さぁて、六十階層攻略に向けて頑張るか」

ソードが言ったとたん、リョークたちが頑張るぞポーズ。

……ミニミニ鎧騎士クン一号まで!

なんでソードばっか好かれるんだよ!? 私が作ったんだよ!?