軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

252話 聖魔術競争をしよう

障壁を斬り破ったソードは私に突進し、跳び蹴りした。

「何やってんだテメーは!!」

いたたたた。

蹴られたところをさすりつつ、私は弁明した。

「コヤツ等がこの空き地に遊びにきたので、一緒に遊んでいた。今いいところなのでぎゃー!」

アイアンクローだ!

「『もてあそぶ』のを『一緒に遊ぶ』とは言わねーんだよ!」

ソードが私をアイアンクローしながら、ジロリ、とにらんだ。

「で? テメーら、俺が大金払って借りた土地で、何してんだよ?」

ソードが不機嫌そうに冒険者たちに言うと、冒険者たちが涙ながらに訴え始めた。

「た、助けて下さい! 俺は、俺たちは、聖女の護衛を頼まれて、ついてきただけなんです!」

「何がどうやらさっぱりなんです! その従者が喧嘩を売って、そしたら俺たち巻き添えになったんです!」

えー?

そーなのー?

最初は 殺(や) る気満々だった気がするけどなぁ?

ハァ、とソードがため息をついた。

「……テメーら、俺が誰だかわかってんのか?」

「「「「わかってます!!」」」」

「「「「英雄【迅雷……」」」」

「Sランク冒険者パーティ【オールラウンダーズ】!」

ソード、皆まで言わせず否定。

「つまり、コレが俺の相棒だ。ドラゴンと魔族を撃退どころかドラゴンも魔族も瞬殺出来る頼れる相棒な! ただ、コイツはすさまじいドSで、とにっかく、トラブルを逆手に取って拷問する機会を伺ってるんだよ! ここに乗り込んできておいて、助けてくれとか抜かすなアホウ! 二度とコイツに喧嘩売るんじゃねぇ!」

ソードが怒鳴ったら、冒険者全員が土下座して泣きながらわびた。

ソードは冒険者たちの情けない姿を見て、長いため息をつくと、私をジロリとにらむ。

「……インドラ、障壁解けよ」

「えー? まだ遊び足りないぎゃー! イエッサー!」

ギリギリ音がするくらいアイアンクローされたので解いた。

ら、冒険者たちは蜘蛛の子を散らすように逃げていった。

それを見送ったソードがようやく手を放してくれた。

ヒリヒリするー。

「……もうちょっとゆっくり帰ってくれば良かったのに。せっかくトラブルがここまで歩いてやってきたんだぞ?」

私が唇をとがらせて文句を言うと、ソードがため息交じりで私に言った。

「楽しそうで何よりだけどな。わけもわからず巻き込まれた連中は見逃してやれよ。……わかった、明日は狩りに連れてってやるから。大物がいるらしいから、ソイツなら逃げないだろ。つーか、逃げてもいいや。追い出せばいいらしいから」

ワーイワーイ!

ぴょんぴょん跳んで喜んだ。

聖女とお供の高飛車な男はまだ逃げていなかった。

というか、聖女が泣きじゃくり、高飛車男がそれを慰めていた。

「……やはり、私は、誰にも認められないのです。無理なんです」

「そんなことはありません! ララ様、貴女が歴代一番の 魔力(マナ) を誇る、聖魔術の遣い手の聖女ではないですか!」

ふーむ。

「なら、競ってみるか? 私とソードとバカ聖女とで」

高飛車男が目をむいて私をにらみ、ソードが額を手で打った。

けど、ソードはすぐ復活。

「ま、ここまで乗り込んできて暴れようとしたツケは払ってもらうべきか。いいぜ」

高飛車男、今度はソードに目をむいてにらむ。

でもソードはそういった遊びが好きだからね。

「リョークもやるかー? オプションで、聖魔術ガトリングをつけてやるぞー?」

「やりますよー!」

「うっひょー! がんばりまーす!」

ラブリーすぎ!

「競うって、どうやって競う気なんだ!?」

高飛車男がわめいたので、私が答えた。

「お前、的になれ。私たちが聖魔術をバンバン撃ち込んでやる。何、デーモンでなければ死なないはずだ」

ソードが私を呆れたように見ながら言った。

「……俺の聖魔術なら死なないけどさ。お前の聖魔術、普通のと違うから死ぬかも知れねーぜ?」

「そのときはそのときだ!」

高飛車男が真っ青になった。

「冗談はやめろ!」

本気なんだけどなぁ。

まぁいいや。

黙って的になってもらおう。

私はリョークに聖魔術ガトリングをセットすると、高飛車男を指さした。

「よーしリョーク、狙いはあの高飛車なクズバカ男だ。お前の聖魔術を見せつけてやれ!」

「「あいさー!」」

「ちょっと待てリョーク。アイツ、死んじゃうカモだよ?」

聞いていないフリしたリョークたちが撃ち込んだ。

ドゴーン!

……うん、死ぬかもしれなかったな。

リョークたち、一応手加減して手前に撃ち込んだらしいが、大量の土砂が舞った。

高飛車男は、大量の土砂を浴びてせきこみながら半身埋もれている。

私は顎に手を当てて、考える人ポーズをしながらつぶやく。

「ふむ。私の解釈では、聖魔術とはレンチン……磁波魔術なのだがな。よく考えれば、磁波を当てると全ての物は壊れるのだったか」

「「「…………」」」

聖女と高飛車男とソードが私をにらむ。

そして、ソードが宣告した。

「はい、リョークとインドラ失格ね」

「「「えーっ!?」」」

ひどい!

まだ私なんて撃ち込んでもいないのに!

「聖魔術の解釈間違ってんだよ! 手本を見せるからきちんと真似しろバカ!」

ソードは私に怒鳴ったあと、早口でつぶやき手をかざすと、的(高飛車男)がパァア……ッと輝いた。

「わぁあっ!?」

「ふむふむ? ……ムムム、魔素を変換して光の粒に変えているのか。というか、ソード。アレってダンジョンコア様方がお好きなケミルミネッセンス魔術じゃないか?」

「演出が派手でいいだろ」

やっぱマネ出来るんじゃん!

理論を知りたがらなかったくせにぃ!