軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

162話 学園最強の座を賭けて(魔術の時間)

はーい、お次は魔術の時間でーす。

「勝負だ!」

「ホンット、止めてくれる? お前、死んじゃうよ? 死にたいの?」

叫ぶ王子にソードがげんなりした。

「大丈夫だ、ソード! ……教官! 魔術なら手加減出来るぞ!」

魔術なら! 細やかな調整が可能だ!

「つまり、殺さないってことだな? ひん死もダメだからね? つーか、 怪我(けが) させないこと!」

「わかったわかった。……いたい! イエッサー!」

生返事したら 拳固(げんこ) をもらった。

「はぁ……もう、勝手にしろ。死んでも知らねー」

ソード教官が投げやりにっ!

「さて。許可が出たので、やるか。どんどん攻撃しろ」

「ふっ……威勢が良いな。確かに剣は、お前の方が上だ。それは認めてやる。だが、私は魔術の方が得意なのだ!」

かっこつけた後なんか詠唱してる。

長い。

「ソードは、間違えた、ソード教官はもっと短いよな? どうしてその差が出る?」

「ようやくソコに気付いてくれた? 俺は短縮詠唱してるの。ちなみに、出来るのは【血みどろ魔女】くらい」

ほぅほぅ。

やっぱりソード教官はすごい人らしいぞ!

「あ、ようやく発動した」

ようやく 唱(とな) え終わって、魔術が発動した。

これ、絶対、敵に逃げられるよな? ソードくらい早くないと無理だぞ?

打ち出してきたのは水。

空気に分解。終了。

「…………え?」

王子が間の抜けた声を出した。

ソードが腕を組んだまま、顔をこちらに向けて聞いてきた。

「今のはどうやったんだ?」

「水とは、空気中に含まれる要素が結合して成るものだ。だから、結合を解いて空気に戻した」

「……なんか、わかるようでわかんねー理屈なんだよな、お前の理論って」

確かに、結合を解くのは難しいかな?

でも、魔素さんってば優秀だから!

「どうした? どんどんかかってこい! 終わったら、私が今度はいくぞ!」

と、言ったらすっごい悔しそうな顔をした王子。

「……汚いぞ! ソード教官に支援してもらっているだろう⁈」

とか言い出したよ。

「私がソード教官を巻き込むわけないだろう。また 拳固(げんこ) をもらったりアイアンクローをもらってしまうじゃないか。私は、自分が楽しみたい! だけだ。……まぁ、そう思うなら、私からいくか? お前の魔術と私の魔術は違うので、なぜ今水が消えたのか解せないと思うが、私が仕掛けたら理解出来る、かもしれない」

「……オイ、本当に殺すなよ?」

ソード、そんな心配そうな顔をしなくてもいいから。

「わかっている。別に王子も私を殺す気ではいないようだから、私も殺さない。それくらいの優しさは持ち合わせている」

「本当かよ?」

ソード教官がひどいっ!

「では、いくぞ」

言った途端に、発破魔術。

至近距離で、バンバン鳴らす。

かばおうにも、下からも上からも鳴るので避けようもない。

「アレなら 怪我(けが) も少ないだろう。まぁ、多少 火傷(やけど) を負うかもしれないが回復魔術ですぐに奇麗になる。今、同時にかけているから、瞬時に治っているだろうな」

ソード教官、絶句。

周りも絶句。

「死なないだろう? 魔術の時間いっぱいあのままにしておけば、私の実力が理解出来るだろう。そうしたらもう、ソード教官の手を煩わせることなどない。己の身の丈を思い知るだろうからな!」

私ってやっさしーい!

ソード教官に向かって威張ってみせた。

「…………うん、やっぱ、お前って、ドSだわ」

褒めてくれるかと思いきや、ソード教官が遠い声で返してきたよ。

「もう止めろ! これ以上やるなら、俺が相手だ!」

キラキラしいもう一人が立ち塞がってきた。

「いいけど、最強があの様なのにお前、私にかなうと思うのか?」

「いいから、もう止めろ!」

手を広げて視界を妨げるようにする。

「うん? 勘違いしているようだが、私は自分の手の平から魔術を打ち出してないぞ。あの場所から発生させてるんで、ここで立ち塞がっても無意味だ。……ちなみに、私は肉眼視以外も見えるので、お前が立ち塞がろうとも 見(、) え(、) る(、) のだ。だから、王子が泣き出したのも丸見えだ」

手をにぎにぎして手の平から出してないポーズをしたら、慌てて振り返るキラキラしい二人目。

「言っとくけど、俺は止めたぞ? 自業自得だ。側近のお前が王子をいさめるべきだったのに、それを怠ったお前の責任でもあるな」

ソードが止めを刺した。

「……頼む! もう止めてくれ!」

キラキラしい二人目が土下座した。

それを見下ろしつつ、ソードが私に言った。

「……インドラ、もう止めてやれ。じゃないとダブルでげん骨食らわす」

「イエッサー!」

止めた。

側近らしいキラキラしい二人目が走って駆け寄った。

「大丈夫ですか、王子⁈」

「…………」

ヒックヒックしゃくりあげ、放心してる。

彼をかばいつつ、退場。

というか、授業エスケープ。

ソード教官が、パンパンと手をたたいた。

「はーい、これでインドラって子のドSさがわかったと思いまーす。もう二度とコイツに 喧嘩(けんか) 売らないようにね? 俺、いちいちこんなので呼び出されるためにココに来たわけじゃないからね?」

って締めくくりました。