軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

104話 部位破壊報酬!

翌日、ボス部屋へ突入。

予想通りのアイスドラゴン。

フレイムドラゴンよりも凶悪なのは、冷気のブレスの対処法がないから。

そもそも、零度よりも低い温度の巨大生物の存在自体が変なんだけど。

まぁ、環境に適応したんだろう、きっとそうだ。

では、戦闘開始!

外気温は摂氏マイナス三十五度。

しかも、ホワイトアウト。

油断して立ち尽くすと凍りつくし、ソードも炎の剣で斬ってるけど、斬ったそばから溶けた部分が固まるからなー。

難儀してる。

「……参ったな。対処法はあるか?」

ソードが攻撃を止めて聞いてきた。

「うーん……。邪道だけどな……」

「消耗戦よかいいだろ」

「レーザーガン、アレの制限を解除し、打ちまくる」

「よし、その手でいこう」

超乗り気。

「お前の光魔法でも効くと思うのだが。あとは……あ、もっといいものがあった! お前はこっちの方が向いてるかもだ」

取り出したるは、かの宇宙戦争で使われていたライト○ーバー。あるいは宇宙戦闘モノの定番。

「レーザーの剣だ! これは絶対に焼き切れるぞ! 溶かすんじゃなく、気化させてしまうからな!」

「ください」

両手出してきた。

「鍔にスイッチがある。気をつけろよ? 洒落にならんほど、なんでも焼き切るからな」

スイッチを入れると、ブォン! と音がして、レーザーが伸びる。

――これは、始点と終点を定めるのに結構な知恵と技を使った逸品だ。

別世界の知識では決して実現出来ない、重力制御の粋を極めているのだ!

ちなみに、拡張魔術も理論では確立出来ていない。

が、魔素の制御のみは理解出来たので、再現は出来ているが、理屈は分かっていない。

余談でした。

「鍔を回すと長さの調整が出来る。好きな長さにして、切り刻め」

「了解!」

ソード、うれしそうに長さの調整をしてる。

「……ホンット、お前って、男心を誘う玩具を作るよなー……」

ソードがつぶやいたが、それはね? ソードが、SF好きだからだよ? 興味ない男は興味ないからね?

うれしそうなソードと共に、再度チャレンジ。

リョークのガトリング砲もランチャーも、爆発弾なので効果はある、ので、そのまま維持。

――私? 私はなんでも切れるから。

それこそ理屈がわからないけど、木で岩が切れるなら、氷なんてスイスイ切れると思いません?

ブレス直撃して雪だるまになっても、消散剤なしでもブルブルッとすれば終わる。

「うーわ、お前ってやっぱ人じゃねぇ」

とかソードが言ってきたけど、第六感で敵を倒す人間に言われたくない。

結果、ソードが尻尾を斬り、その隙に首チョンパして、倒した。

「――尻尾を斬ったら宝箱の中身が増えるんだったよな?」

って、勝手にルール作ってる。

それは、ダンジョンコア様に言って。

アイスドラゴンが粒子になって消え、宝箱が現れる。

「おぉ!」

「うわ!」

ソードがいらんこと言ったからか、ダンジョンコア様、すっごい奮発してくれた。

宝箱が、二つ!

二つ出た!

私は宝箱に手を合わせた。

「ダンジョンコア様、ありがとうございます。いらんこと言ったソードの、勝手に作ったルールに乗って下さり、感謝の言葉もございません。……ぎゃー!」

アイアンクロー炸裂!

「お前が、尻尾がどーの言ったから、手間かけて、尻尾斬ったんだぞコラ?」

それは、ゲームの話だもん!

別に、尻尾斬ったら高得点なんて言ってないもん!

更には! 前回の私のブーイングを聞いてか、宝石が原石で入ってた。

あと、アイスドラゴンの素材、白金貨(そういえば白金貨や回復薬とかってダンジョンから出るらしいよ?)に、さらにはデッカい魔石も!

「わー! 本当に、ダンジョンコア様ありがとうございます! すっごい魔石! リョークのサーバをコレに入れ替えようかなー」

ソードが持ってる一番良い魔石をサーバにしてたんだけど、こっちは段違いでデカい。

「そうすれば? そしたら……つーか、リョーク自体に魔石は入ってないのか?」

って、けげんな顔して聞いてきた。

「入ってるが、それはデータロードのための、いわば一時保存装置だ。サーバは屋敷にある。そこに近付く者がいたら私以外なんであれ排除するようにリョークに基礎プログラミングしてあるほど重要な魔石だ。サーバには全てのリョークが得た情報が蓄えられ、それを全てのリョークに配布している。だから、本来は、個性が出ないはずなのだ」

……だが、個性が出ている。

それが不思議でしょうがない。

いや、むしろ怖い。

「……私は、リョークの物理本体が壊れても、また新たに作りあげてそこにデータをロードすれば同じリョークが再生する、ように作ったつもりなのだ。なのに…………」

――リョークには個性がある。

それは、リョーク本体の、データロード用の魔石にあるとしか思えない。

そこに、情報とは別の、〝個体〟としての感情が蓄えられていたとしたら?

情報ではないからサーバには送られない。

だけど、その送られない部分に、最も重要なデータが入っている。

ソードがうな垂れている私の頭をポンとたたき、その後なでた。

「わかってるよ。お前が作ったゴーレムは、感情を持って〝生きている〟。それは、お前が望んだことだろう? だから、良いことなんだ。リョークは俺が守る。俺とお前が守る。だから、壊れない。解るよな?」

…………。

「そっか」

守れば良いんだ。

壊されなければ、魂が宿ったリョークは死なない。

生きている限りメンテするし、私が死ぬようになった時は、もしもソードが生きていたならソードを〝お父さん〟と認識するようにしてあるし、ソードもいなかったら、自律プログラムが作動するようにしてある。

それが、もしも〝個性〟という魂が宿っていたならば、各々の自律に従って動き出すだろう。

さて。

次の予想だが……。

「うーん、ダンジョンコア様が頑張って、さらに凶悪なマップとドラゴンを用意してくれるのならば、あと十階か二十階は存在するだろうが、今回の氷雪地帯より凶悪なマップって、想像しづらいんだよなぁ」

「同感。ま、何が来てもいいさ。俺とお前なら対処出来るだろ」

ニコッと笑いかけられて、プイッとそらす私。

そしてアイアンクローされて無理やり向かされる。

「ぎゃー!」

「返事は?」

「あ、当たり前だ! 私とお前に処理出来ない事象なんてない!」

満足したのか、手を離してナデナデされた。

「じゃ、行くか?」

「……うむ」

なんか、理不尽だなー。