軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第20話 マッサージ(全身コース※一部除く) 愛理沙ちゃんのターン

さて、選手交代。

次は愛理沙が由弦を揉む番だ。

「……じゃあ、揉みますね」

そう言って愛理沙は由弦の肩に触れた。

グッと、親指で由弦の筋肉を指圧する。

「どうですか?」

「丁度いい感じだね……」(あぁ……これ、良いかも)

愛理沙の体を揉むことには興味はあれど揉まれることにはさほど興味がなかった由弦だが、思ったよりも愛理沙のマッサージは気持ちが良かった。

意外と気が付かないうちに凝っていたのかもしれない。

「寝ちゃっても良いですよ?」

「うん……」

もっとも。

由弦の背中の上に乗っている愛理沙の臀部が気になって、眠るまでは行かない。

(愛理沙、割と大きいんだよな……)

由弦は先ほど、マッサージの時に見た愛理沙のお尻を思い出す。

愛理沙が一生懸命に由弦の背中を揉もうと、ぐいぐいと体を動かすたびに、ぐいぐいと愛理沙のお尻が由弦の背中の上で動く。

「次は足をマッサージしますね」

「ああ、分かったよ」

愛理沙は由弦の上から体を退かした。

由弦は少しだけ名残惜しい気持ちになった。

「やっぱり、張ってますね」

愛理沙はそんなことを言いながら、由弦の太腿をマッサージしていく。

それからさらに下へと降りて、ふくらはぎをマッサージする。

長距離走の影響で少しむくんだ足をマッサージしてもらうのは、とても気持ちが良い。

そして……

「痛っ!」

ビクン、と思わず由弦は足を動かしてしまった。

足裏を押された途端、鋭い痛みが走ったのだ。

それから由弦はすぐにハッとなる。

「すまん、愛理沙。……怪我はないか?」

「いえ、大丈夫です。こちらこそ、すみません。痛かったですか?」

「ま、まあ……」

正直、かなり痛かった。

だが……足つぼが痛いということは、それだけ体が不調ということ……なのかもしれない。

「続けてくれ」

「分かりました。……できるだけ、優しくやりますね」

今度は先ほどよりも弱めの力で、愛理沙は由弦の足裏を指圧してくれた。

やはり少し痛い。

だが痛いは痛いでも……ギリギリ気持ち良い感じの痛さだ。

「っく……」

「大丈夫ですか?」

「だ、大丈夫だ。そのまま……あっぐ……」

大丈夫ですか? と聞く割には容赦がない。

由弦は呻きながら、愛理沙に尋ねる。

「……さっきの、根に持ってる?」

「まさか。私はただ、由弦さんにマッサージをお返ししているだけです」

それってやっぱり根に持っているんじゃ……と思いながらも由弦はマッサージを受け続ける。

この程度の仕返しは可愛い物だし、それに痛いには痛いが、同時に気持ち良いのも事実だからだ。

一方の愛理沙は……

「この辺はどうですか?」

少し楽しくなってきてしまったのか、小さな笑みを浮かべながら由弦の足裏の“痛い場所”を探るように指圧していく。

そのたびに由弦はビクビクと体を震わせる。

「あぐぅ……も、もう少し、優しく……」

「えい!」

「ちょ、ちょっと! 愛理沙さん!!」

由弦が悶えると、愛理沙は楽しそうに笑った。

何だかとても楽しそうなので、やめてくれとは由弦は言いだせなかった。

あとついでにネット通販で足つぼマッサージ機を買おうと思った。

「……んっ?」

ふと、由弦は微睡みから目を覚ました。

僅かに薄めを開ける。

頭がはっきりしない。

(確か、マッサージを受けていて……)

どうやら途中で寝てしまったようだ。

由弦は寝惚け眼で、欠伸をしながら立ち上がろうとし……

自分の衣服が誰かに引っ張られていることに気付いた。

「……あっ」

それは美しい亜麻色の髪の少女だった。

可愛らしい寝顔と寝息を立てながら、ぎゅっと片手で由弦の衣服を掴んでいる。

由弦は思わず息を飲んだ。

(……結婚したい)

何て可愛らしい少女なのだろう。

由弦はそう思った。

天使か、もしくは妖精のような。

そんな愛らしさだった。

由弦は半ば無意識に愛理沙の頭へと、手を伸ばした。

その綺麗な髪を軽く撫でる。

サラサラとしていて、とても滑らかだ。

次に愛理沙の頬を指で軽く突く。

ぷにぷにと、白い肌に指が沈み込んだ。

一方の愛理沙はへらへらと、幸せそうな、能天気な表情で眠ったままだ。

「……」

由弦はそっと……愛理沙の胸部へと、薄いシャツを盛り上げている脂肪の塊へと、手を伸ばした。

薄い布地越しに、ツンツンと……指でそれを突いてみる。

その感触は……

とてもふわふわとしていた。

次に愛理沙の白く長い脚に視線を向ける。

そっと……

内股を指で撫でてみる。

「あっ……」

愛理沙が小さな呻き声を上げた。

由弦の心臓が跳ね上がる。

……が、しかし起きる様子はない。

由弦はホッと息をつき、そして今度はもう少し大胆に愛理沙の肌に触れてみた。

とてもすべすべとして、暖かかった。

元々毛が薄いのか、それともきちんと処理しているのか……おそらくその両方だと思われるが、とても滑らかで、産毛一つ生えていない。

いつまでも触っていたいくらいだった。

「……」(柔らかい)

次にずっと触ってみたいと思っていた愛理沙の臀部を掴んでみる。

むにむにと、触ってみた。

程よい硬さの筋肉と、柔らかい脂肪。

とても良い触り心地だ。

とはいえ、あまり触りすぎると起きてしまう。

由弦はそっと、足から手を離した。

そして愛理沙の表情を伺う。

僅かに肌は薔薇色に紅潮していた。

しかし起きる気配はない。

「綺麗だな」

愛理沙の表情を眺めながら。

由弦は思わず呟いた。

そっと、顔に掛かった髪を払ってあげる。

それから……ふっくらとした、艶っぽい唇を指で触れる。

リップクリームのようなものを塗っているようで、愛理沙の唇は柔らかく、しっとりとしていた。

緊張で心臓が大きな音を立てる。

由弦はゆっくりと、彼女の唇に自分の唇を近づけ……

「……さすがに不味いな」

寸前のところで由弦は我に返るのだった。