軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第22話

白い砂浜の上に敷かれたレジャーシート。

その上に愛理沙はうつ伏せになって横たわっていた。

水着の紐は解かれ、だらんとレジャーシートの上に垂れ落ちている。

由弦はそんな愛理沙の上に馬乗りになっていた。

「んぁ……」

由弦は日焼け止めクリームを愛理沙の白い背中に広げる。

由弦が手を動かすたびに、愛理沙は身をくねらせ、甘い息を吐く。

「ぁン……はぁ……」

「あのさ、愛理沙」

「ひゃん……な、何ですか?」

愛理沙は首だけを動かし、自分の上に乗っている由弦を振り返る。

僅かに上体が上向いたことで、胸の先端が見えそうになった。

「一々、エロい声を出すのはやめてくれ」

「だって、由弦さんの手つきが……それにくすぐったくて……」

「いや、わざとでしょ?」

由弦が呆れ顔で言うと、愛理沙はチロっと舌を出した。

「バレました?」

「演技か演技じゃないかどうかくらい、分かるよ」

由弦はそう言いながら愛理沙の腋に指を這わせた。

瞬間、愛理沙は体をビクっと動かした。

「ひぅ! あ、ちょっと……だ、だめっ……!」

先ほどとは異なり、大きく体を動かす。

足をジタバタさせ、腕を動かして由弦の手を止めようとする。

「今のは演技じゃなさそうだね」

由弦は手を止め、笑いながら言った。

「意地悪しないでください……」

愛理沙は唇を尖らせた。

そんなやり取りをしながら、二人は互いに日焼け止めクリームを塗り合った。

そして二人で海に向かう。

胸が浸かるところまでは歩き、そこからより深い場所へと泳いで移動する。

立った時に愛理沙の顎先が海面に付くほどの深さのところで二人は移動をやめた。

「涼しくて気持ちいいね」

「そうですね。あっ……」

ビクっと愛理沙は体を震わせた。

「どうしたの?」

「今、足に何かが触れました。……見てみます」

愛理沙はそう言うと額に着けていたシュノーケルを目に当てた。

口にパイプを付けてから、水の中に顔を入れる。

数十秒後、愛理沙は顔を上げた。

「すごいです、由弦さん。綺麗なお魚がいっぱいいます!」

愛理沙は興奮気味にそう言った。

由弦も新妻の勧めに従い、シュノーケルを付けてから海に潜った。

そこには美しいサンゴ礁と、カラフルな魚たちの楽園があった。

水の透明度が高いため、遠くまで見ることができる。

釣りが禁止されているためか、魚たちの警戒心も薄い。

由弦が手を伸ばしても逃げず、むしろ近寄ってくる個体もいた。

「本当に綺麗だね」

由弦がそう言うと愛理沙は眉を顰めた。

「……感動、薄くないですか?」

どうやら、由弦の反応は愛理沙の期待ほどではなかったようだ。

由弦は思わず苦笑する。

シュノーケリングが初めての愛理沙とは異なり、由弦は幾度か経験があるのだ。

初見でない分、愛理沙に比べれば感動は薄い。

もっとも、それを正直に言うほど由弦もバカではない。

「近くにもっと綺麗な人がいるからさ」

由弦がそう言うと愛理沙は頬を赤らめた。

「もう、お世辞はやめてください」

そして誤魔化すように、パシャっと由弦の顔に水を掛けた。

「やったな? ほら!!」

「あ、やめてください! もう、えい!!」

二人はピシャピシャと水を掛け合う。

そうやってイチャイチャしているうちに、由弦はふと気付く。

「……あれ? 愛理沙、胸!」

由弦は慌てて愛理沙に声を掛けた。

由弦の掛け声に愛理沙は首を傾げてから、言われるままに自分の胸を見下ろした。

「キャッ!」

小さな悲鳴を上げて、愛理沙は両手で胸を隠した。

それから辺りをキョロキョロと見渡す。

「ど、どこですか?」

「……あれじゃないか?」

由弦は波の上に浮く、黒い布切れを見つけた。

由弦は少し泳いでからそれを捕まえ、広げる。

「ちょっと、見ないでください。……それと、返して!」

「盗んだみたいに言わないでくれ」

由弦はそう言いながら愛理沙に布切れを渡した。

愛理沙は片手で胸を隠しながら、それを受け取った。

しかし中々、着ようとしない。

「着ないの?」

「あっち、向いてください」

「はいはい」

由弦は愛理沙に背中を向けた。

「もう、いいですよ」

由弦が振り向くと、そこにはしっかりと水着を身に纏った愛理沙がいた。

もっとも、水着の面積が小さいので肌面積にあまり変わりはなかったが……。

「そろそろ、上がりましょう」

「そうだね」

ひと騒ぎしたこともあり、少し疲労感を覚えた二人は海から上がることにする。

足がしっかりと付くところまで泳ぎ、それから歩いて移動する。

もう少しで腰から下が水から上がる……

というタイミングで、由弦はふと悪戯心に駆られた。

「愛理沙、こっちは大丈夫? なくなってない?」

「きゃっ! どこ、触ってるんですか! エッチ!!」

バシッ!!

大きな音と共に由弦の背中に手形が出来た。