軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

1156

(シンクロセンス!)

儀式はまだ続いている。

正直、暇だ。

暇だけど出来る事はある。

この闘争の聖地の内部で魔神側が直接介入出来る要素は殆ど見出せない。

可能性があるとしたら?

儀式が失敗、王女様達がそのまま魔神化してしまうパターンかな?

その場合は間髪を入れずに殲滅しに行く事になるのだろう。

多分、師匠がいるのはその為の備えだ。

ならばここ、闘争の聖地の周辺を警戒するべきだろう。

黒曜ならば適任だ。

その目を借りて仮想ウィンドウで監視を、と思ってたのだが。

闘争の聖地の屋上はドーム状、そこにエルダードラゴンの長老様が横たわっている。

目は半開きだけど、寝てるようにしか見えない。

そんな長老様の隣でアイソトープは凜とした姿勢で周囲の警戒をしているようだ。

まあ命の恩人ですからね。

長老様の護衛はしっかりとやって頂きたい。

では、もう一方の転生煙晶竜はどうか?

長老様と同じ姿勢で横たわってやがる!

やはり目は半開きで寝ているように見える。

何をやっているんだか。

そう言えば煙晶竜は紫晶竜の先々代であるそうだ。

その時期にエルダードラゴンの長老様もいておかしくない。

エルダードラゴンは長命種であるようだから、直接見知っていていいと思うのだが。

会話をするのが大変だと思われるが、その辺りは明確になって欲しい所です。

だが、この有様では期待出来そうにありませんね!

(テレパス!)

一応、現状は報告しておくか。

フィーナさん達は周囲の警戒をしているらしい。

黒曜が見える範囲で異変は何も感じ取れなかった。

周辺を警戒しているプレイヤーはどうだろう?

フィーナさんの所には情報が集積されているに違いない。

報告のついでに確認しておこうかね?

『こっちは今の所、こんな感じよ』

「了解、このまま警戒を続けます」

テレパスを切る。

お互いにここまで、異常無し。

だがオレもフィーナさんも、そこに対して違和感がある事で共通している。

特にここ闘争の聖地があるN4E26マップ全体がおかしい。

魔物との遭遇情報が無い、というのは異常だ。

フィーナさんは探索範囲をマップ全体に拡大して警戒を続ける予定らしい。

今のうちにプレイヤー達は交代で小休止、長期戦も視野に入れ始めている。

確かにそうするだけの異様さではあるかな?

魔神達はどうやって仕掛けて来るのか。

疑問ではあるけど、もう確信があった。

魔神達はきっと襲って来る。

この雰囲気はそうに違いない。

何故かそう思えてますよ?

法儀式は滞りなく進行しているように見える。

黒曜も周囲に異変を感じ取っていない。

転生煙晶竜も長老様と共にゴロゴロしているようなんだが。

そろそろ緊張感を高めて欲しい所だ。

「どうじゃな?」

「今の所は異常無しです。それより来ていたんですね?」

「無論じゃ。援軍も要るじゃろうしの」

オレの横にギルド長が来てます。

そして後方にはダークエルフ達、これも援軍のうちなんだろう。

各々の表情は厳しい。

どうやら何かを感じ取っているのか、不安な表情の者までいる。

「どうやら、指輪の分離が始まったようじゃな」

「え?」

「魔方陣と魔法円の構成が変わっておる」

「分かるので?」

「法儀式は秘儀でもある。分かりはせんが概要は理解出来るとも」

ギルド長が杖で指し示す先には何かある。

王女様達の頭上に浮く、光り輝く石が2つか。

遠目では小さく、分り難いがそれが何であるのかは分かった。

魔結晶だ。

「あの魔法円と魔方陣、秩序法典の力なので?」

「うむ。幾重にも結界を張るには個人では不可能じゃが秩序法典はそれを可能にするらしいの」

「へえ」

「単独の結界ならば長時間維持するのは容易じゃが、あそこまで極端では個人では保たん」

確かに4名が発する魔力はどこまでも高まるような気配すらある。

何かの助けが無ければ魔力が枯渇してしまうだろう。

それ程の規模だ。

秩序法典は一体、どこまでの力を秘めているのか?

法騎士しか使えない点が実に惜しい。

「見よ! 指輪じゃ!」

王女様達の胸元から指輪が前へと飛び出した!

即座に頭上に浮いていた魔結晶が王女様達の胸元に飛び込んで行く。

周囲に展開していた魔法円と魔方陣が王女様達を中心に徐々に縮小、そして消えてしまった。

いや、王女様達の体に吸い込まれた?

センス・マジックの光景に切り換える。

まだ魔結晶の魔力は感じ取れるが、徐々に弱くなっているのが分かった。

でも何かが起きる兆候には見えない。

それにだ、どうしても連想してしまう。

魔竜化しかかったアイソトープを救うのに使われたのは魔結晶だった。

今、目の前で魔神化しかかった王女達にも魔結晶が使われている。

無関係には思えません!

跪いたままの王女様達がそのまま前へと倒れ込んだ。

だが、誰も動こうとしない。

何でだろう?

「王女達の手助けはいいので?」

「まだじゃ。本番はここからであろう」

その通りだった。

王女様達から分離した指輪はまだ空中に浮いたままだ。

その周囲を師匠と配下の召喚モンスター達が取り囲む。

まるでそれが魔物であるかのような扱いだ!

それに法騎士達の展開した魔法円と魔方陣はまだ残っている。

こうなる事を予見していたのか?

「指輪にも結界を?」

「必要であろうな。唯の魔人の指輪ではあるまい。迂闊に触る事も出来んじゃろ」

そうなのか。

オレが所持する魔人の指輪は結構な数がある。

ジュナさんなど、以前にとんでもない数を見せてくれたものだ。

あれらとはまた別物と考えるべきなのだろう。

「結界がおかしくないですか?」

「む?」

法騎士達の展開する魔法円が、そして魔方陣の幾つかがおかしい。

歪んでいる?

歪んでいるのは、指輪の周囲だけ。

理由は?

分からない。

分からないけど、いい雰囲気がしないぞ?

「いかん、歪みが生じておる!」

ギルド長が杖を掲げた、次の瞬間。

指輪を中心に2つの黒い球体が出現した!

あれは、何だ?

だが似た代物をオレは知っている。

黒曜竜が使って見せた門は黒い渦状星雲のようであった。

これは球状星団って所か?

「エイリアス!」

ギルド長の姿は2つに増えた筈だ。

オレは観客席から闘技場の内部に飛び降りていて、それを確認していない。

ヴォルフも一緒で見えていないけど待宵とキレートもいるだろう。

既に魔法円も魔方陣も、形を維持出来なくなりつつあるようだ。

急がねば!

師匠配下のキメラ達は?

法騎士達を回収、一時的に背中に乗せて退避する!

ダークキメラが王女達も回収、師匠も後退しつつ女教皇一行の護衛に回るようだ。

ならば良し。

あの黒い球体から、何かが来る。

確信したっていい!

先制してもいいよね?

「神降魔闘法!」「金剛法!」「エンチャントブレーカー!」

「リミッターカット!」「ゴッズブレス!」

既に先触れなのか、何かが出現していた。

黄金に輝く鎧兜、全身武装した姿は何者だ?

ゾディアック・ピスケス ???

英霊 ??? ???

??? ???

スキュラクイーン ???

魔物 ??? ???

??? ???

ゾディアック・アリエス ???

英霊 ??? ???

??? ???

ゴールドシープ ???

魔物 ??? ???

??? ???

ゾディアック・ピスケスとゾディアック・アリエスか!

ご丁寧な事に追従戦力付きだよ!

続いてゾディアック・カプリコーンにゾディアック・タウラスの姿が見えた。

追従戦力はアマルテイアとミノタウロス、これはもうお馴染みだな!

まだまだ追加がいるようだけど、もう確認はしなかった。

きっと他のゾディアックシリーズが追従戦力付きで投入されているのだろう。

ギリシャ神話関連の強敵が投入されつつあると分かれば、それで十分だ!

(フィジカルエンチャント・ファイア!)

(フィジカルブースト・ファイア!)

(フィジカルエンチャント・アース!)

(フィジカルブースト・アース!)

(フィジカルエンチャント・ウィンド!)

(フィジカルブースト・ウィンド!)

(フィジカルエンチャント・アクア!)

(フィジカルブースト・アクア!)

(メンタルエンチャント・ライト!)

(メンタルブースト・ライト!)

(メンタルエンチャント・ダーク!)

(メンタルブースト・ダーク!)

(クロスドミナンス!)

(アクロバティック・フライト!)

(グラビティ・メイル!)

(サイコ・ポッド!)

(アクティベイション!)

(リジェネレート!)

(ボイド・スフィア!)

(ダーク・シールド!)

(ファイア・ヒール!)

(エンチャンテッド・アイス!)

(レジスト・ファイア!)

(十二神将封印!)

(ミラーリング!)

全員を強化する。

見えていないけど、待宵とキレート、上にいる黒曜とアイソトープも強化出来ている筈。

見えている範囲で随行しているのはヴォルフだけだが戦力は大丈夫か?

十分だ。

ジュナさんも師匠も、各々に護衛対象がいる。

それでもゲルタ婆様がいるし配下のレプリカント達はジュナさんに準じる戦力だ。

ギルド長の支援も期待していい。

実際、頭上から降り注ぐ光はプリズムライトだ!

「キース!」

「師匠はそのまま後退を!」

左手には金剛杵、セットしてあったのは風魔法だ。

刃を展開、でもこっちが先かな?

(((((((六芒封印!)))))))

(((((((七星封印!)))))))

((((((十王封印!))))))

((((((フォース・フィールド!))))))

((((((プリズムライト!))))))

((((((ダーク・フォール!))))))

(十二神将封印!)

(ミラーリング!)

スキュラクイーンの歌が途切れ、動きも止まる。

狙い通り、と思ったが出現している連中に変化も見えた。

これは、何だ?

オーディンガード ???

戦女神 ??? ???

??? ???

スコルの分身 ???

魔物 ??? ???

??? ???

ハティの分身 ???

魔物 ??? ???

??? ???

フェンリル ???

魔物 ??? ???

??? ???

今度は北欧神話関係か?

混然一体となっててもう訳が分からん!

でもね、纏めて面倒見てやるよ!

(レールガン!)

(ミラーリング!)

オリハルコン球は巨大な壁のような何かに直撃した?

それが何者であるのか、オレは見ているぞ?

但し、海でだけど。

出現した勢いで天井に大穴を空けたその巨大な蛇身は、多分だがヨルムンガンドの分身。

その巨躯が、天井を突き破ろうとしているぞ!

「キースちゃん! 退きなさい!」

「ッ!」

ジュナさんに言われるまでもなかった。

こんな相手とまともに戦える筈もない!

遺憾であるが、後退する以外に選択の余地が無いようだ。

「キース、無茶をするでない!」

「お叱りは後で、それよりあれは何です?」

『歪みが流れ込んでいる、としか分からんな。それに周囲の魔力を吸い込んでもいる』

『我等のブレス攻撃も通じないとはな』

闘争の聖地は今や真っ黒な球体に覆われてしまっている。

周囲に展開していた面々は全員無事に退避しているが、状況がこれではね。

手が出せない。

いや、手を出していいものなのか?

紫晶竜を始めとしたドラゴン種の長達も困惑気味のようだ。

「ルグランちゃん、どうする?」

「監視を付け警戒する以外に手が思い浮かびませんな」

「確かに。まさかこうなるとはの」

ギルド長も師匠もこうなるか。

ドラゴン達ですら手に余る状況ではそうなるのも当然だろう。

『あの黒き球体の状況はどうか?』

『ハッ! 拡大は止まりました。現在は僅かに小さくなっているようです』

金紅竜の問いにクラウドドラゴンが答えていた。

小さくなっているという点を安心していいのかどうか、オレには判断はしかねる。

1つだけ言えるのはまともに戦闘へと発展しなかった事だろうか?

不満です。

大いに、不満ですよ?

『翠玉竜、地脈の流れを追えるか?』

『紫晶竜殿、途中で何もかも追えませぬ!』

『ぬう、何たる事か!』

ドラゴンの長達もどうしていいものか、分からないらしい。

珍しい反応、そんな中で泰然自若とした様子で黒い球体を見ているドラゴンがいる。

エルダードラゴンの長老様だ。

いや、単に状況を理解していないだけの可能性が高いな!

「封印に失敗したので?」

「いえ、陛下。法儀式に不備があったとは見えませぬ」

「では、何故でしょう?」

女王陛下は視線をジュナさんに転じて問う。

こういう場合は年の功に頼るべきだな!

口にするのは憚れますけど。

「指輪、ですわね」

「唯の魔人の指輪ではないと?」

「ええ。指輪が何かを触発した、と考えるべきでしょう。詳しく調べるには現物が必要ですけど」

「ジュナ様でも見抜けませぬか?」

「予想はありますが確実ではありません。どうも異なる空間との門のようですけど」

「門、なのですか? あれが?」

「ええ。恐らくは一方通行ですわね。見た事も聞いた事もありませんわ」

ジュナさんでも分からないか!

だがオレの目には類似する現象に心当たりがあった。

ブラックホールだ。

但し重力のではなく魔力のブラックホールだ!

『何かが出て来る! 注意せよ!』

翠玉竜の警告、そして続けて黒い球体からは何かが這い出して来ていた。

何だ?

淤母陀流神之影 ???

巨神 ??? ???

??? ???

阿夜訶志古泥之影 ???

巨神 ??? ???

??? ???

天之常立神之影 ???

巨神 ??? ???

??? ???

意富斗能地神之影 ???

巨神 ??? ???

??? ???

大斗乃辧神之影 ???

巨神 ??? ???

??? ???

宇摩志阿斯訶備比古遅神之影 ???

巨神 ??? ???

??? ???

ふむ。

驚きは無かった。

あの弥勒菩薩様との戦闘で追従戦力としていたのだ!

遠目に赤いマーカーが見えるのを眺めつつ思う。

空中戦にすべきかな?

ヨルムンガンドの分身 ???

魔物 ??? ???

??? ???

テュポーンの写身 ???

魔物 ??? ???

??? ???

ガイアの影 ???

巨神 ??? ???

??? ???

プルシャの影 ???

巨神 ??? ???

??? ???

ダイダラボッチの影 ???

巨神 ??? ???

??? ???

ユミルの影 ???

巨神 ??? ???

??? ???

共工の影 ???

巨神 ??? ???

??? ???

次々と巨神級の巨躯が出現、やはり空中戦にすべきか?

まだ距離はある。

布陣を変更するのも悪くない。

「どうやら、魔物が溢れて来るようじゃな」

『空にもおるぞ! 迎撃せよ!』

しまったな。

黒い球体から魔竜達が、ヴィゾーヴニルの影が飛び立って行くのが分かる。

それに地表に蠢くのは、何だ?

地上戦力もいるって事だな!

既に紫晶竜以下、ドラゴン達は高度を上げて空中戦に移行しつつある。

オレは、どうする?

「オレニューちゃんは法騎士達と一緒に後退!」

ジュナさんの周囲にもドラゴン達が降下していた。

だがこれは竜騎士達の騎乗竜だよな?

まさか女王陛下、戦闘に参加するつもりかな?

「キースちゃん、地上戦力を相手なさい!」

「了解!」

言われたから従ったのではない。

適材適所と思った訳でもない。

空中戦では獲物の分け前が少なそうだと思えたからだ!

だが、単なる地上戦でいいのか?

戦場を駆け回る速度、それに機動力を考慮するならば騎乗戦がいい。

待宵とキレートを帰還させよう。

極夜、そしてパナールを召喚しましょうか!

「人馬一体!」「金剛法!」「エンチャントブレーカー!」

「リミッターカット!」「ゴッズブレス!」

改めて武技を使い、駆け出す。

おっと、転生煙晶竜さんはどうしてる?

エルダードラゴンの長老様と共に身を寄せているようだ。

周囲には護衛であるのか、クラウドドラゴンとブロンズドラゴンもいる。

まあこの位置まで一気に攻め込まれる事も無いだろう。

「ハッ!」

パナールを駆って先行していたバオバブエントを追い越した。

そしてセンチネルゴーレム弐式も追い越す。

分かっている。

これらの戦力は味方であって敵ではない。

だが、オレから獲物を奪いかねない存在なのも確かだ!

紫晶竜以下、ドラゴン達に比べたらマシであるってだけに過ぎない。

おっと、呪文の強化を済ませておかないと!

地平線には半円状に見える黒い球体、そして土埃が帯になっているのが分かる。

これに似た風景を以前どこかで見たような?

どこだったかな?

どこでもいいけど、こういった機会は実に楽しそうだ。

ゾクゾクしますよ?

圧倒的戦力を相手に突撃するとか、こんな機会はそう多くは無いのだ!

逃してはならない。

(フィジカルエンチャント・ファイア!)

(フィジカルブースト・ファイア!)

(フィジカルエンチャント・アース!)

(フィジカルブースト・アース!)

(フィジカルエンチャント・ウィンド!)

(フィジカルブースト・ウィンド!)

(フィジカルエンチャント・アクア!)

(フィジカルブースト・アクア!)

(メンタルエンチャント・ライト!)

(メンタルブースト・ライト!)

(メンタルエンチャント・ダーク!)

(メンタルブースト・ダーク!)

(クロスドミナンス!)

(アクロバティック・フライト!)

(グラビティ・メイル!)

(サイコ・ポッド!)

(アクティベイション!)

(リジェネレート!)

(ボイド・スフィア!)

(ダーク・シールド!)

(ファイア・ヒール!)

(エンチャンテッド・アイス!)

(レジスト・ファイア!)

(十二神将封印!)

(ミラーリング!)

オレの頭上にアイソトープが来た!

黒曜は一旦ヴォルフの横へ、そして極夜の頭上へと後退する。

先導するのは飽くまでもヴォルフ、その役目を譲る気は無いらしいな!

((((((レビテーション!))))))

((((((((((テレキネシス!))))))))))

((((((((((マグネティック・フォース!))))))))))

(十二神将封印!)

(ミラーリング!)

オリハルコン球を20個も抱えていて重かっただろうか?

オレはそうでもないけどパナールは重かっただろう。

正直、済まなかった。

それにパナールが突撃し易いように相対距離を調整しておこう。

得物の蛇王の戟を《アイテム・ボックス》から取り出すのはその後でもいい。

そして少しだけ悩む。

切り札は、どうする?

どれも使える状態であり、オレのMPバーも十分だ。

レインフォースメンツ・オブ・モンスターとエクストラ・サモニングは候補から外そう。

味方の戦力は十二分に揃っている。

敵は数だけで言えば、それ以上かもしれません。

個々の戦力では?

悪いけど味方の方が圧倒的に上だろうな。

それだけに獲物が長時間、いてくれた方が楽しめる筈だ。

無理はしなくていい。

メタモルフォーゼも外そう。

仮に使う可能性があるとしたら【英霊召喚】とブーステッド・モンスターズかな?

もし【英霊召喚】を使うとしたら?

緋炎聖女か圧殺蹂躙だな。

騎乗戦であるのだし、相性はいいだろう。

それに他のプレイヤー達の介入もある筈だ。

フィーナさんなら大規模ユニオンを組み、どこかで迎撃をしていておかしくない。

オレの目標は?

あの黒い球体に出来るだけ接近、魔物が出て来る瞬間を狙って先制する事だ!

出鼻を挫くというのは実にいい方法だと思える。

それに黒い球体の中からこっち側が見えているのかどうかも判別出来るだろう。

蛇王の戟を握る手に力が篭もるのが分かる。

力が入り過ぎてるのは何故だ?

どうやら興奮を抑え切れていないらしい。

そんなオレの気持ちが分かるのか、パナールも相当な興奮状態に!

これは早々に鎮めないといけない。

絶対に、鎮めないといけない!

どうやって?

その方法は目の前の敵を屠り続ける以外に無いのでした!

(((((((メテオ・クラッシュ!)))))))

(((((((ミーティア・ストリーム!)))))))

(((((((クェーサー!)))))))

((((((ダークマター!))))))

((((((ヘイルストーム!))))))

((((((マイクロ・ブラックホール!))))))

(ミラーリング!)

恐ろしい。

何がかと言えば、地上で蠢く戦力の中に厄介な面々がだ!

天之御中主神之化身、高御産巣日神之化身、神産巣日神之化身。

写身じゃないのが救いだが、それでも厄介である事には変わりが無い。

黒い球体の中、そして向こう側にまで攻撃は通っていないのは明白だ!

天之御中主神之化身、高御産巣日神之化身、神産巣日神之化身はまだまだいる。

出来るだけ活躍させてはいけない。

今も目の前で天之常立神之影が再生されていた。

クソッ!

間に合わなかったか?

「フンッ!」

蛇王の戟でゾディアック・サジタリウスを襲う。

フェンリルが邪魔をしようと動くが、残念だったな!

ダーク・フォールとインスタント・テクトニクスの影響でまともに動けていない。

それは他の地上戦力も同様だ。

黒い球体に出た次の瞬間にはこっちの仕掛けた罠へと勝手に嵌まってくれている。

思惑通り過ぎて怖い程だよ!

どうも黒い球体の中からこっちは見えてないらしい。

そしてこっちから黒い球体の中にレールガンを撃ち込んでもみた。

だが、ダメージを喰らった個体が出現する事が無い。

この黒い球体そのものを攻撃するのは無意味かよ!

撃ち込んだオリハルコン球はアポーツで回収出来ている。

中は一体、どうなっているんだか。

そして思う。

アポーツの呪文ってチートじゃないかな?

便利過ぎる!

(((((((アースフォルト!)))))))

(((((((ラーヴァ・フロー!)))))))

(((((((バックドラフト!)))))))

((((((エンブリットルメント・エリア!))))))

((((((ミーティア・ストリーム!))))))

((((((ボールダー・トス!))))))

(ミラーリング!)

また、来たか!

少し距離を置いて視界を転じている間だけで次々と追加戦力が来る。

足止めを兼ねて溶岩谷に落とすのもこれで何回目だ?

もう数える気になれません!

それにこの黒い球体からは全方位に向けて魔物を出現させているらしい。

出現と同時に足止めが出来てはいるけど、完璧には程遠い。

スコルの分身、ハティの分身、そしてフェンリルが来る!

その先頭には黄金の牛と化したゾディアック・タウラス、スキュラクイーンもいる!

不吉な歌が合唱になって聞こえる。

だがそれも途切れた。

アイソトープのブレスが浴びせられ、オレに迫っていた戦列が止まる。

そこに黒曜が氷の槍を浴びせ、群れは統率を失った。

ヴォルフが、そして極夜がそこへ突っ込む。

しまった。

オレとパナールは出遅れたぞ?

(((((((ソーラー・ウィンド!)))))))

(((((((プラズマ・ブラスト!)))))))

((((((グリーンハウス・エフェクト!))))))

((((((アシッドミスト!))))))

((((((デッドリー・ポイズンミスト!))))))

((((((パンデミック!))))))

(ミラーリング!)

広域呪文も何を使えばいいのやら!

オレだけが局地戦闘になっている模様なのだが、戦況はどうなっているんだろう?

これでは混戦の中にいるのと変わらない。

だが、オレが望む戦いの様相でもあった。

全部、屠ってやる。

獲物がまるで途切れないこの戦場が愛おしかった。

そしてオレの体もここで退く事を許しはしないのです!

《只今の戦闘勝利で【ポールウェポン】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【召喚魔法】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【時空魔法】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【光魔法】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【火魔法】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【闇魔法】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【木魔法】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【塵魔法】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【灼魔法】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【連携】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【保護】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【馬術】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【気配遮断】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【魔力遮断】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【身体強化】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【精神強化】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【高速詠唱】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【武技強化】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【魔法効果拡大】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【魔法範囲拡大】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【呪文融合】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【耐暗闇】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【獣魔化】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で職業レベルがアップしました!》

《只今の戦闘勝利で種族レベルがアップしました!任意のステータス値2つに1ポイントを加算して下さい》

『小さき友よ、平気か?』

「ええ!」

水晶竜にはそう答えたが、平気では無いな。

黒い球体から出現する魔物は途絶えた。

センス・マジックが一切効かないし、クレヤボヤンスも無効で中の様子は知れない。

声を大にして言いたい。

もっと魔物を寄越せよ!

基礎ステータス

器用値 85(-77)

敏捷値 85(-77)

知力値 125(-113)

筋力値 85(↑1)(-77)

生命力 85(↑1)(-77)

精神力 125(-113)

《ボーナスポイントに2ポイント加算されます。合計で20ポイントになりました》

戦果は?

そんなの関係無いね!

確かなのは敵味方入り乱れての乱戦続きで今は体が重たい。

それだけだ。

何を仕留めたのかすらも把握してはいない。

ただ、雄叫びを上げながら暴れていたような気がする。

記憶も霞が掛かっているかのように曖昧だが、体が覚えていた。

どうやらまだ、疼いている。

これはどうした事だ?

《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ヴォルフ』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》

『水晶竜、一旦退くぞ! 戦闘は終息した!』

『これはどうするのだ?』

『今すぐに出来る手は無い! いいから、退け!』

時刻は?

午前11時20分になっている。

そろそろ昼飯にすべきタイミングか。

黒い球体の周囲を水晶竜とブロンズドラゴンと周回してたら叱られちゃいました!

金紅竜と白金竜です。

確かに彼等の言う通り、戦闘は終息しているのだろう。

だが、惜しい。

本当にこれで終わりですか?

ヴォルフのステータス値で既に上昇しているのは筋力値でした。

もう1点のステータスアップは生命力を指定しましょう。

ヴォルフ 大神Lv82→Lv83(↑1)

器用値 53

敏捷値 122

知力値 53

筋力値 70(↑1)

生命力 70(↑1)

精神力 53

スキル

噛付き 疾駆 跳躍 回避 遠吠え 裂帛 神威

神和 霊能 霊撃 念動 憑代 隠蔽 追跡

夜目 匂い感知 気配遮断 魔力察知 魔力遮断

自己回復[大] 物理抵抗[中] 魔法抵抗[大]

MP回復増加[大] 耐即死 耐魅了 耐暗闇 分身

《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『黒曜』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》

『これを放置すると?』

『そうは言っておらぬ! 封じる策を講じる事になろう。だが時間が要る!』

水晶竜は目に見えて戦いに飢えている様子を見せていた。

金紅竜の言葉にも不満を示し続けていた。

黒い球体に体を寄せようとする度にブロンズドラゴンに阻止されてもいる。

確かにこの中へと突っ込んだら危ないのだろう。

オリハルコン球はアポーツで回収出来たが、水晶竜を同様に回収は出来ない。

それはオレ自身にも言える。

中に突っ込んじゃダメだ。

単に死に戻るだけの可能性が高いぞ!

黒曜のステータス値で既に上昇しているのは敏捷値でした。

もう1点のステータスアップは生命力を指定しましょう。

黒曜 フォレストアイLv80→Lv81(↑1)

器用値 50

敏捷値 107(↑1)

知力値 80

筋力値 50

生命力 50(↑1)

精神力 80

スキル

嘴撃 爪撃 無音飛翔 回避 遠視 広域探査

夜目 反響定位 奇襲 危険察知 気配遮断

魔力察知 魔力遮断 空中機動 天耳 自己回復[小]

物理抵抗[中] 魔法抵抗[大] MP回復増加[大]

時空属性 光属性 闇属性 火属性 風属性

土属性 水属性 氷属性 呪眼 即死 祝福

耐暗闇 耐即死

《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『極夜』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》

水晶竜は地表ギリギリを滑空しつつ、黒い球体から離脱して行く。

オレもその後に続きつつソーマ酒を服用、ステータス異常を解消しておこう。

どうやら出直した方がいいみたいだ。

不満は?

当然だがある。

獲物の数はまだいい。

何で魔神がいないのよ?

魔人すらいない。

そこが不満なのでした!

極夜のステータス値で既に上昇しているのは筋力値でした。

もう1点のステータスアップは生命力を指定しましょう。

極夜 ケルベロスLv107→Lv108(↑1)

器用値 39

敏捷値 117

知力値 38

筋力値 87(↑1)

生命力 87(↑1)

精神力 38

スキル

噛付き 回避 受け 体当たり 疾駆 跳躍

激高 夜目 聞耳 危険察知 追跡 隠蔽

連携 捕食融合 捕食吸収 自己回復[大]

物理抵抗[中] 魔法抵抗[中] MP回復増加[微]

ブレス 火属性 風属性 光属性 闇属性

猛毒 毒無効 耐麻痺 耐暗闇 回生

《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『パナール』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》

「状況はどうなってます?」

『掃討は終えてある。討ち漏らしはあるまい』

『それにあの球体の追跡は容易だ。地脈の流れが途切れる事を知覚出来ればよい』

「追跡、ですか?」

『うむ。ゆっくりとではあるが移動しておる。あっちだな』

白金竜は指し示す方位は?

オレが予想していたのは西だった。

かなり遠いけど、そっちにはサニアの町だってあるからな。

だが、違った。

東なのです!

何で?

意味が分からない!

パナールのステータス値で既に上昇しているのは生命力でした。

もう1点のステータスアップは器用値を指定しましょう。

パナール スレイプニルLv80→Lv81(↑1)

器用値 70(↑1)

敏捷値 87

知力値 36

筋力値 87

生命力 101(↑1)

精神力 36

スキル

噛付き 踏み付け 突撃 受け 回避 疾駆

夜目 耐久走 奔馬 跳躍 蹂躙 蹴り上げ

重装 危険察知 騎乗者回復[小] 自己回復[極大]

物理抵抗[中] 魔法抵抗[中] MP回復増加[中]

時空属性 光属性 闇属性 風属性 土属性

雷属性 耐混乱 耐魅了 耐即死

インフォはここまでのようです。

アイソトープのレベルアップは無いか。

そこは残念!

そして少し離れた事で戦況が見え易くなっていた。

確かに黒い球体が移動しているのは確かであるようだ。

視線を転じると酷く破壊されている闘争の聖地が見えた。

そして戦力が集結している様子も分かる。

バオバブエントもセンチネルゴーレム弐式も目立つ。

ドラゴン達も当然だが、目立つ。

それだけではないようだ。

召喚モンスターのキングトロール、獣皇亀がいるようだな。

獣皇亀よりもやや小さい亀は霊帝亀かな?

魔物で見た事が何度もあるし、多分霊帝亀だろう。

遠目だけど間違いない。

どうやら戦力を糾合、黒い球体の様子を見ている段階かな?

このまま黒い球体が東へ去ってくれるかどうかも明確では無い。

そして今後、監視を付ける事も必要になるのだろう。

厄介な事だ。

オレも貼り付いて様子見をしないといけないのかね?

いつ出現するか分からない魔物を待つのって苦手だ。

やはりあの黒い球体そのものを潰したい所であるのだが。

どうやったらいいんだ?

いい考えは全く浮かばないのでした!