軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

1103

「チッ!」

羅喉刀が砕け散る!

嵌めてあったダイヤモンドと星結晶を気にしている暇は無い。

多面結界があっても関係無しでマスティマは突っ込んで来るからだ!

思惑など最初からありはしない。

捌くのが間に合わなかったのはオレのミスだ。

そしてザドキエルの写身の特性を把握した時は手遅れだった。

こいつは屠った筈の仲間を蘇らせてしまう!

リザレクションがある、という事か。

しかもマスティマの変異体すらもそのまま回復させている!

面倒な。

それに手遅れじゃないって!

ここまで劣勢だったが、もう迷いはしない。

動きを確実に止めてやる!

(((((((マイクロ・ブラックホール!)))))))

(ミラーリング!)

天使のスローンに向け撃ち込む。

これだけで沈んでくれたらいいんだが、そこまで気を回していられない。

この場所は既に天使に悪魔、特にマスティマの死体が邪魔で戦い難くなっている!

オレ自身も空を飛んで戦った方が有利なのは分かっているが、それでいいのか?

未だにザドキエルの写身もガムキコトの写身も地上戦に付き合ってくれている。

いや、付き合わせている!

翼を先に叩き斬ってあったからだ!

(ショート・ジャンプ!)

ザドキエルの写身はそう大きくない。

オレより頭1つ背が高いだけだ。

そして無駄に美男子。

いや美女なのか?

どっちでもいいけど、梱包するぞ!

《この世界の有り様を見るがいい!》

《歪んだ世界、それ故に滅び行く世界だ》

《いずれは何もかもが崩れ去るであろう》

《そこに秩序は無い》

《混沌も無いのだ》

《愚かな者よ、足掻くがいい》

《汝自身が歪みに冒されようと自らの進む道を辿る事だ》

インフォを聞きつつ思う。

難解なんで翻訳してくれませんか?

何が言いたいのか、サッパリ分からん!

分かるのはどうやら勝っているであろう事だけだ。

そして周囲の死体も一瞬で消えて行く。

おかしな話だ。

天使にしても悪魔にしても、堕天使にしてもイベントモンスターの表記は無かったと思う。

ならば何かアイテムを残してくれてもいいと思うのだが。

ヘリポートの上には何も残っていません。

オレと配下の召喚モンスター、それにオリハルコン球が転がっているだけだ。

いや、何かが光っている。

どうやら羅喉刀にセットしてあったダイヤモンドと星結晶です。

ダメか。

それだけに経験値が稼げてないと泣いちゃいますよ?

《只今の戦闘勝利で【剣】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【刀】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【大刀】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【捕縄術】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【打撃】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【蹴り】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【関節技】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【投げ技】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【木魔法】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【灼魔法】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【掴み】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【精密操作】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【ロープワーク】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【軽業】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【投擲】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【耐久走】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【追跡】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【気配遮断】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【魔力遮断】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【武技強化】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【全耐性】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ヴォルフ』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》

どうやら泣かずに済みそうな予感がする。

ヴォルフはレベルアップしたばかりだ。

つまりは相応の経験値を稼いだ事の証左でもある。

でもオレの種族レベルは上がらないのか。

まあそこまで求めるのは贅沢に過ぎるかな?

全員、生き残っていた事を喜ぶとしよう。

ヴォルフのステータス値で既に上昇しているのは知力値でした。

もう1点のステータスアップは精神力を指定しましょう。

ヴォルフ 大神Lv75→Lv76(↑1)

器用値 51

敏捷値 118

知力値 51(↑1)

筋力値 68

生命力 68

精神力 51(↑1)

スキル

噛付き 疾駆 跳躍 回避 遠吠え 裂帛 神威

神和 霊能 霊撃 念動 憑代 隠蔽 追跡

夜目 匂い感知 気配遮断 魔力察知 魔力遮断

自己回復[大] 物理抵抗[中] 魔法抵抗[大]

MP回復増加[大] 耐即死 耐魅了 耐暗闇 分身

《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『黒曜』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》

戦闘中、ずっと平静でいられた訳じゃない。

援軍がいなくなって以降は特にそうだ。

それまでに空中母艦のスローン級はマイクロ・ブラックホールで沈めてはいた。

でも置き土産の艦載機は大量に放たれた後だったのです。

黒曜、それに護鬼は1度ずつ死亡判定になっている。

リザレクションが間に合っているのが救いだ。

いや、本当に間に合って良かった。

そうでなければオレも死に戻っていた可能性が高い。

ギリギリの勝負であったのだと実感出来ます!

黒曜のステータス値で既に上昇しているのは敏捷値でした。

もう1点のステータスアップは筋力値を指定しましょう。

黒曜 フォレストアイLv74→Lv75(↑1)

器用値 48

敏捷値 105(↑1)

知力値 78

筋力値 48(↑1)

生命力 48

精神力 78

スキル

嘴撃 爪撃 無音飛翔 回避 遠視 広域探査

夜目 反響定位 奇襲 危険察知 気配遮断

魔力察知 魔力遮断 空中機動 天耳 自己回復[小]

物理抵抗[中] 魔法抵抗[大] MP回復増加[大]

時空属性 光属性 闇属性 火属性 風属性

土属性 水属性 氷属性 呪眼 即死 祝福

耐暗闇 耐即死

《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『護鬼』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》

そして護鬼だが、金剛杵と羅喉刀も壊されていたみたいだ。

大苦戦だったからな。

妥協と言うよりも、今後に活かす事を考えよう。

後ろ向きではダメだ。

前向きに考えよう。

失った分の装備は与えておく。

金剛杵も羅喉刀も消耗品、その在庫に余裕はあるのだ。

惜しくなどない。

序盤に切り札を使う判断は良かった。

細かなミスがあったかもだが、カバー出来ていたのだ。

致命的なミスは無い。

それで満足出来る。

至らなかった所をどうするかは先々で改善したらいいだけなのだ。

護鬼のステータス値で既に上昇しているのは筋力値でした。

もう1点のステータスアップは生命力を指定しましょう。

護鬼 羅喉Lv74→Lv75(↑1)

器用値 85

敏捷値 85

知力値 49

筋力値 70(↑1)

生命力 70(↑1)

精神力 49

スキル

弓 手斧 剣 棍棒 刀 小盾 受け 回避

隠蔽 奇襲 変化 神威 瞑想 夜目 軽業

連携 精密操作 跳躍 平衡 気配遮断

気配察知 自己回復[中] 物理抵抗[中]

魔法抵抗[大] MP回復増加[中] 時空属性

光属性 闇属性 火属性 土属性 溶属性

流転相

《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『戦鬼』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》

戦鬼の戦い方は変わらない。

マスティマを弾にして投げていた形跡はもう消えていた。

いや、残っているのを忘れてはいけない。

装備の消耗がある。

今、襲われるような事になったら?

それを思うと心底ゾッとする。

ここでインスタント・ポータルを使っておくべきだろう。

戦鬼のステータス値で既に上昇しているのは筋力値でした。

もう1点のステータスアップは生命力を指定しましょう。

戦鬼 オーガロードLv74→Lv75(↑1)

器用値 63

敏捷値 81

知力値 18

筋力値 113(↑1)

生命力 113(↑1)

精神力 18

スキル

打撃 蹴り 噛付き 投擲 受け 回避

登攀 平衡 投げ技 関節技 体当たり

激高 剛力 夜目 掴み ダッシュ

跳躍 平衡 軽業 連携 物理抵抗[中]

魔法抵抗[中] 自己回復[極大] 耐石化

耐即死 耐麻痺 耐魅了 耐暗闇 毒耐性

回生

《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ティグリス』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》

(インスタント・ポータル!)

でも呪文は失敗?

何でだ?

仮想ウィンドウを展開してステータス操作をしながらだったにがいけないのか?

だが、その理由は広域マップで判明した。

ここはどうやら中継ポータル扱いであるらしい。

インスタント・ポータルを使う意味は無かったようです。

欺瞞の根源の東側に名前だけが表示されている。

慈悲の位、となっている。

どうやらここにはいつでも跳べるようなのだが。

何か仕掛けがありそうです。

理由は特に無い。

ただの勘ではあるんだが。

嫌な感じがします。

ティグリスのステータス値で既に上昇しているのは器用値でした。

もう1点のステータスアップは知力値を指定しましょう。

ティグリス 白虎Lv74→Lv75(↑1)

器用値 39(↑1)

敏捷値 114

知力値 38(↑1)

筋力値 85

生命力 85

精神力 38

スキル

噛付き 引裂き 回避 疾駆 跳躍 追跡

裂帛 霊能 天啓 強襲 隠蔽 夜目 気配遮断

魔力遮断 自己回復[中] 物理抵抗[大]

魔法抵抗[中] MP回復増加[中] 風属性

共振波 高周波 耐混乱 耐石化 耐即死

加護 風伯変

《称号【中庸を貫く者】を得ました!》

うむ。

これは見なくても分かる。

称号の中庸を呼ぶ者が上書きされたに違いない。

時刻は午後10時30分、少し早い気もするけど召魔の森に撤収しよう。

勿論、装備の修復もやっておきたい。

しかしこれは嬉しい誤算かな?

召魔の森の地下洞窟に匹敵する難易度の狩り場を確保した事になる。

こっちはポータルガードを連れて狩りは出来ないから、実質的な難易度はこっちの方が上だ。

中々、楽しめそうです。

失ったアイテムもあったが、これなら妥協出来る。

挽回出来るだけの余地は十分にあるだろう。

《これまでの行動経験で【錬金術】がレベルアップしました!》

修復も終了。

時刻は午後11時10分、

もう少し粘ってもみたいかったが、ここでログアウトしてしまいましょう。

また長々と徹夜になってしまいそうで怖い。

何、明日は早めにログインしたらいいのだ。

それで辻褄が合うと思えます。

ポータルガードの見直しはどうしよう?

海魔の島はいいとして、ここ召魔の森も見直ししたかったんだが。

留守番で守屋とスーラジがいるだけで、他の面々は狩りに出ている。

残念!

リグはポータルガードに戻しておきたかったんだが。

何、明日があるさ!

そんなに焦らなくてもいいのです。

《ポータルガードにより配備の召喚モンスター『出水』がレベルアップしました!》

《『出水』のステータスを確認して下さい》

《ポータルガードにより配備の召喚モンスター『シルフラ』がレベルアップしました!》

《『シルフラ』のステータスを確認して下さい》

《ポータルガードにより配備の召喚モンスター『葛切』がレベルアップしました!》

《『葛切』のステータスを確認して下さい》

《ポータルガードにより配備の召喚モンスター『スコヴィル』がレベルアップしました!》

《『スコヴィル』のステータスを確認して下さい》

ログインしました。

時刻は午前5時40分です。

いかんな。

早めにログインするつもりがいつもの時間だ。

いや、少し遅く思えてしまう。

全く、オレもダメな男だな!

自分で決めた事を守れないなんて!

それはそれとして、今日も色々と悩ましい。

ここ召魔の森の地下洞窟もまだ踏破し切れていないが、後回しかな?

先にW13マップの偽りの神樹だな。

樹上の欺瞞の根源か慈悲の位から移動しつつ狩りを進めてみたい。

出水 デモンズアポストルLv72→Lv73(↑1)

器用値 54(↑1)

敏捷値 105

知力値 70

筋力値 49(↑1)

生命力 48

精神力 69

スキル

噛付き 捕縄術 打撃 蹴り 投げ技 関節技

飛翔 浮揚 回避 受け 呪詛 空中機動

水中機動 水棲 広域探査 遠視 夜目 反響定位

気配遮断 魔力遮断 捕食吸収 暗殺術 物理抵抗[大]

魔法抵抗[中] 自己回復[大] MP回復増加[中]

変化 時空属性 光属性 闇属性 土属性 水属性

耐混乱 耐沈黙 呪眼

シルフラ ブループディングLv70→Lv71(↑1)

器用値 116(↑1)

敏捷値 58

知力値 32

筋力値 32

生命力 77(↑1)

精神力 38

スキル

溶解 侵食 体当たり 拘束 奇襲 形状変化

粘度変化 表面張力偏移 気配遮断 自己回復[中]

物理攻撃無効 魔法抵抗[大] 弾性強化[極大]

水属性 火属性 光属性 耐石化 猛毒 分裂

擬態 液状化 浸透圧

葛切 クリアウーズLv70→Lv71(↑1)

器用値 104(↑1)

敏捷値 93

知力値 35

筋力値 22(↑1)

生命力 73

精神力 24

スキル

溶解 侵食 体当たり 拘束 奇襲 形状変化

粘度変化 表面張力偏移 気配遮断 自己回復[中]

物理攻撃無効 魔法抵抗[極大] 弾性強化[大]

氷属性 火属性 闇属性 耐石化 猛毒 分裂

擬態 凍結化 結晶化

スコヴィル レッドジェルLv70→Lv71(↑1)

器用値 80(↑1)

敏捷値 28(↑1)

知力値 26

筋力値 106

生命力 85

精神力 28

スキル

溶解 侵食 体当たり 拘束 奇襲 形状変化

粘度変化 表面張力偏移 気配遮断 自己回復[中]

物理攻撃無効 魔法抵抗[大] 弾性強化[極大]

火属性 水属性 風属性 耐石化 猛毒 分裂

擬態 豪炎 炭化

ポータルガードは全員、いるようだ。

朝食は人形組の誰かに頼んでおいて先に見直しをしておこうか。

今日は普段通りのペースで好きに動いていい。

気分は楽にしていていいのだ。

「オッス!」

「あれ?」

「おはようございます、キースさん」

厨房に久重とスーラジはいたが、ミオと優香までもがいた。

それにこの音、何かが弾ける音がする!

揚げ物だな?

揚げ物、なんだな?

「今日はちらし寿司に天ぷらですよー」

「フィーナ姉達は闘技場にいるよ!呼んできて!」

「ああ、いいとも」

立っている者は親でも使え。

オレにとってもポリシーになっている。

立場が逆であっても否は無い。

何、ポータルガードの見直しをしながらでも出来る事だしな。

ミオと優香には金冠鶏の卵と腿肉を渡しておこう。

おかずに追加だ。

優香が無言で受け取ると極上の笑みを浮かべている。

言葉にせずとも分かってくれる所が有り難いですな!

観客席で対戦を眺めつつ、ポータルガードの見直しを終えました。

逢魔、雷文、パティオ、十六夜を外しました。

配備したのは黒曜、リグ、ティグリス、貴船です。

フィーナさん達は昨日のうちに闘技大会への出場権を得たらしい。

だが、今回の闘技大会は予選が大変なようだな。

既に出場を決めているユニオンは数える程、アデル達もヒョードルくん達もまだとはな!

アデル達に至っては昨日は獣魔の森で対戦三昧、今日も朝から対戦をしているみたいだ。

従ってここにはいない。

ヒョードルくん達は?

今、オレの隣にいます。

「対戦は食後にお願いしていいですか?」

「いいとも。こっちはポータルガードを入れていいのかな?」

「多分、大丈夫かと」

「あ、トロールキングは外して頂ければ」

「まあ、そうだよな」

トロールキングの酒船は体躯が大き過ぎる。

今回の闘技大会では試合会場が広くなっているが、それでも禁止なのは変わらない。

2つのパーティのユニオンでは試合会場は一片が80メートルになる。

5つのパーティのユニオンでは120メートルだ。

かなり広くなっているが、それでも酒船には狭い。

クォークもダメだな。

フィーナさん達の対戦が済めば朝食だ。

その後は対戦か。

ヒョードルくん、ヘラクレイオスくん、ゼータくん、それに駿河と野々村になる。

5つのパーティによるユニオンだ。

これもまた優勝候補に見える。

筆頭とも思えるが、普段からその戦い振りを見ているだけに欲目もあるかもしれません。

闘技大会の参加枠は初級、中級、無差別級で分けられている。

ユニオンは2つのパーティか5つのパーティで、6つのカテゴリーだ。

今回、この形になっている理由は何だろう?

単純に参加者の増加に対応して、試合数を抑える意図に見えるのだが。

同時にユニオン編成で戦う事を促進したいのかも?

何しろ5つのパーティが組んだユニオン同士の対戦とか、きっと見応えがある。

数が多過ぎて細かい所に目が行かないのが難点だけどね。

迫力は段違いだろう。

エフェクト付きで見るなら更に派手になる筈だ。

かなり楽しみです!

「フィーナさん、朝食ですよ!」

「了解、じゃあ行きましょうか」

剥ぎ取り作業をしている一同を見つつ思う。

フィーナさん達は数多くのフレンド登録者から対戦を申し込まれている。

今日も対戦三昧であるらしい。

だが、既に出場権を得ているのであれば手も空く事だろう。

アイテム整理はしてある。

細々とした物は売ってしまいたい。

その一方で今更なアイテム、魔晶石と魔水晶は手元に持っておきたい。

海魔の島を強化するのにも必要になる。

それに蜃帝真珠、色空竜の皮、金毛羊皮といった生産職垂涎のアイテムもある。

同時に闘技場のオベリスクに捧げる危険物候補でもあるが、そうするには惜しい。

単に売ってもいいけど、見返りが用意出来ないと断られる可能性も高い。

装備が必要な召喚モンスターを新規で追加するとか?

無いな。

今の布陣でも十分に数は揃っている。

オレ自身が欲しいと思える装備は怒りのツルハシの代替品だけだ。

うん?

そうだな、怒りのツルハシの代わりになる装備の依頼でもいいか。

どちらかと言えば鍛治の領域になるかと思えるが。

オリハルコン鉱は?

今は手元に無い。

全部、精錬してオリハルコンにしているからだ。

これを素材に作って貰おう。

ついでに工具も注文しておこうかな?

当然、オリハルコン製です!

「どう?」

「卵の天ぷら、いけますよ!」

「いや、そっちじゃなくて精算の方。支払えそう?」

「蜃帝真珠の分は払うわ! 絶対に、欲しい!」

「そう興奮しなくてもいいですから! 計算、終わらないですよ?」

オレは与作と共にまだ食事を続けている。

リックは食事と計算を同時並行しているからまだ食べ終えていません。

全部、食べ終えてからでも良さそうなものだが。

皆さん、オレが売りに出しているアイテムに食い付き過ぎる!

与作がオレよりも一歩早く食べ終えたようだ。

大きめのお椀にお茶を注ぐ。

その所作すらも豪快だ。

性格を良く表している。

「サキさん、革装備の加工は間に合いますかね?」

「多分だけど初戦には間に合わないのは確実」

「それでも欲しいですね。今、請けている依頼は?」

「アデルちゃん達の分があるのよねー」

どうやらこの面々で忙しくなりそうなのはサキさんとマルグリッドさんになりそうだ。

間違いなく、そうなる。

そして与えちゃいけない素材であったかも?

まあもう後戻りは出来ないし、しません。

そもそもこれは純然たる取引であるのだ。

「キース、依頼分の精算は後でいいのね?」

「ええ、まあ」

「了解。これは別口の買い取り分だけど、魔結晶じゃなくていいのかしら?」

「ええ、それで大丈夫です」

テーブルにはそこそこ大きめの皮袋が4つ置かれていた。

今日、売り捌いたアイテムの代金でもある。

1つには魔晶石、1つは魔水晶、1つは魔結晶に属性系の風結晶等でパンパンだ!

最後の1つは、マナポーションか。

中を覗くとスラー酒にソーマ酒まで入っている。

ヘルガが蜃帝真珠を得る為に放出していたのだ。

これって虎の子じゃなかったんだろうか?

他にも色々とあったみたいだけどさ。

「サキ、マルグリッドは加工作業に回るの?」

「勿論!」

「出来ればそうしたいわね」

「対戦でメンバーが欠けるけど、いいのかしら?」

「いいんじゃないですか?出場権はもう得てますし」

そう。

与作の言う通り、出場権を得ているのであればユニオンの対戦メンバーを組み替えてもいい。

むしろ装備の充実を図れるのであればそっちが優先だろう。

問題は連携面だが。

今日の対戦を見ている限り、そんなに心配しなくていいだろう。

与作は前衛の右端に位置し、時には側面を衝き、時には背後に回って戦っていた。

遊撃役に徹していたのだ。

相手は仏像シリーズ、その戦い振りは堅実でありつつもより積極的なものに変貌していた。

ミオと優香が抜けたいた形ではあるけど、基本は変わらないと思う。

「僕らの分も納期は合わせられますか?」

「大丈夫。サイズも分かっているし」

ヒョードルくん達も色空竜の皮で装備を作る事になったようだ。

アデル達は先行して依頼しているのも色空竜の皮製の防具になる。

召喚モンスター達の分までは手が回らないようだが、召喚主の防具の強化は最優先にすべきだ。

彼等が最初に陥落する事は戦力の大幅ダウンを意味する。

配下の召喚モンスター全てが対戦から除外になるのだから当然だ。

オレも食べ終えた。

堪能した。

両手を合わせて感謝を示す。

「じゃあ、対戦だな」

「ええ、お手柔らかにお願いしたい所ですが」

「それ、きっと無理!」

オレの代わりにミオが答えてしまっていた。

その通り。

意図的に手を抜くなんて、害になっても利があるとは限らないのだ。

闘技場にはヒョードルくん達が揃っていた。

駿河と野々村は分かり易いな。

共にスキュラクイーンが2体、ホーライ、オーケアニス、サイレンクイーン。

支援、それに搦め手を多めに思えるがこれでいいのだろう。

他の3名で戦列を組めるのだから相乗効果で呪歌の脅威が増すと思える。

ヒョードルくんのパーティは?

オーガロード、ストーンコロッサス、タロス、青竜、エルダーマンティコア。

ヘラクレイオスくんは?

バンパイアダッチェス、ファントム、スカルロード、スケルトンハーミット、スカルウィザード。

ゼータくんは?

大神、オーガロード、羅喉、オーディンガード、神将か。

面白いな!

自由度が上がるから、様々な組み合わせが考えられる。

だが、編成を見るだけで分かる事も多い。

基本、彼等3名のパーティで前衛の壁と後衛の火力を稼ぐ事になるのだろう。

それでいて手札の多さもある。

安定志向なのは間違いないな!

これに対して、こっちの布陣は?

パーティの方はヴォルフ、護鬼、戦鬼、獅子吼、鞍馬です。

ポータルガードから参戦するのは?

黒曜、ジェリコ、リグ、ティグリス、クーチュリエ、テフラ

岩鉄、待宵、虎斑、キレート、スパーク、クラック、ムレータ

コールサック、シュカブラ、シルフラ、葛切、スコヴィル。

そしてデミタス、白磁、マラカイト、貴船です。

要するにまだ朝の定常業務が続いている人形組以外、全員だ。

「か、数が多くないですか?」

「ん?合計したらそっちよりも少ないと思うけど」

「た、確かに。でも戦力差が!」

「それにスライム系、多くないですかね?」

「そうだろうな」

だが思い出して欲しい。

5名で組むユニオン、サモナー系で組むとしたら?

モンフォートのように、配下全てを蜂組で埋めてボーナスを貰う事だって出来る。

実際、ヘラクレイオスくんは配下をアンデッドで揃えて強化ボーナスを得ている。

配下を全てスライムで占めるような奇矯者がいたっていいじゃないの?

敵にして戦った経験があるから、分かる。

スライム系が群れたら、強い。

いや、強いというよりも対応が一気に大変な事になる。

系統の異なるスライム系が組むとその厄介さは格段に増すのだ。

それを味わってみるといい。

ヒョードルくん達の安定志向は分かる。

それが尖った特性を前にしたら、どうなるか?

オレには予想が出来る。

だが彼等が予想出来ているかどうか。

怪しいものだ。

「録画の準備はいいか?」

「「「「「はい!」」」」」

「フィーナさん、合図をお願いします」

「了解」

観客席にはサキさんとマルグリッドさんの姿が見えない。

依頼に着手する為、別行動になっているからだ。

残った生産職の皆さんに恥ずかしくない戦いを見せたいところだけどね。

きっと、酷い事にだけはならないと思う。

《只今の戦闘勝利で【連携】がレベルアップしました!》

「結構、粘った方じゃない?」

「ですね。それにしてもこれは酷い!」

「いや、こんなもんじゃない?」

観客席からの意見は聞き流しつつ思う。

まあまあ、かな?

対戦時間は10分は要しただろうか?

ヒョードルくん達は基本、堅実に戦うつもりであったのだろう。

方針は間違っていない。

連携だって悪くなかった。

オレが速攻を仕掛ける前提で迎撃を用意していた思惑が外れただけです。

オレがやった事は?

丁寧に、戦列の端から崩す。

その上で召喚主を集中して狙い撃ち、戦力を削る。

それだけとも言える。

呪文も上位はまるで使っていません。

レールガンやクェーサーといった所を使えば簡単に勝てるのだろうが、それでは無意味だ。

勝つにしても負けるにしても、戦訓が得られなければ唯の経験値稼ぎにしかならない。

「速攻で来ると思ってました」

「だろうね」

防御面では自信があったのだろうな。

幻影までをも使い、召喚主の位置を悟らせない手まで使っていた。

しかも壁の後ろでだ。

きっと罠も用意してあったと思う。

「相手も同規模の戦力だ。防御するにしても一点に攻撃が集中したら飽和する」

「確かに」

「でもこの布陣でもう登録済みですけど」

「手はあるさ。駿河、野々村!」

「は、はい!」

「何でしょう?」

駿河と野々村が姿勢を正す。

このユニオンでは彼等のような存在が鍵になりそうだ。

トリックスターとするには言い過ぎだけどね。

「牽制役が機先を制する形で動かないと出遅れるぞ?」

実は後衛で指揮役をしていたのはゼータくんだった。

今回の最も大きな敗因は駿河と野々村が指示待ちになってしまった事だろう。

独自の判断で動いていたら、もっと粘れた筈だ。

「で、肝心の出場権は?」

「まだ確保出来ないみたいです」

「今回、出場条件って厳しめなのかな?」

それはどうだろうね?

オレとしては疎外感のある話題でしかない。

個人的見解を述べるのは控えるとしましょうか。

それにオレには行かねばならない場所がある。

中継ポータルの慈悲の位に跳んでみよう。

空中戦が出来るようであればいいんだが。

今なら昼間であるし、目視でも確認出来ると思います。