軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

1話 ダンジョンポイント

『まず初めに、ダンジョンの拠点をお選びください。なお、1度決定すると今後拠点の変更はできません』

その声と共に日本地図が目の前に現れた。

右上に検索窓もあり、住所検索をするか地図にピンを刺す事で拠点の場所を決めるらしい。

左上には所持ダンジョンポイントが書かれており、左下には必要ポイントの記載がある。試しに東京駅にピンを刺してみたら必要ポイントが6万となった。

いや、スタートポイントの半分は多くないか。

次に北海道の山奥にピンを刺してみた。必要ポイントは1000。……さっきと差がありすぎでは?

他にもいろんなところにピンを刺してみて、なんとなくわかってきた。

人口が多い場所や人が集まる場所は必要ポイントが高く設定されていて、人口が少ない場所や行きづらい場所は低く設定されているようだ。

ちなみに日本の東側の海にピンを刺してみたら必要ポイントが100だった。

この時、同じ海でも日本の領海以外にはピンは刺せなかった。国外の土地は表示すらされない。あくまでも日本の領地や領海じゃないとダメなんだろう。

人が多い方か、少ない方か、どっちが正解なんだろう。

人類から侵攻されないためには水の中を選んだ方が良いはずなんだけど、それだと必要ポイントが低く設定されている事に納得がいかない。

他のサポートAIを選んでたらもっと詳しく教えてくれたんだろうか?早くもデルタタイプを選んだ事を後悔し始めた。

「質問したいことがありすぎる」

思わず声が出てしまった。

『マスターからの疑問を確認。質問を受け付けます』

えっ。

いや、質問受け付けてるのかよ。

助かるけどそういうのは最初に言ってくれないか?

本当に機能が必要最低限すぎる。

いろいろ文句を言いたいところだが、AI相手に怒っても仕方がないので、今1番気になってることを質問した。

「ダンジョンポイントってなんなんだ」

『回答。ダンジョンポイントとはダンジョンの運営に必要なポイントのことです』

いやそんな誰でもわかるような回答を言われても……

「もっと詳しい説明ないの?」

『回答。ダンジョンポイントとはダンジョンの運営に必要なポイントのことです。モンスターの設置、罠の設置、階層の拡張などダンジョンに関わる全ての事象に必要となります。また、ポイントの利用には買い切り型と継続型があり、例えば階層の拡張は最初の一回のみポイントを使用しますが、モンスターの設置には継続的にポイントを支払い続ける必要がございます』

なるほど。なんとなくこいつの性質がわかってきた。聞いたことしか答えないこの感じ、数年前に登場した初期のチャットAIだと思って質問すればいいんだな?

「さっきダンジョンポイントはもう配布されないって言われたけど、ポイントってどうやって入手すんの?」

『回答。人類がダンジョン内に留まっていた時間でポイントが入手できます』

「他に方法ある?」

『回答。人類がダンジョン内で死亡した時にポイントが入手できます』

「他には?」

『回答。ダンジョンのレベルが上がった際の報酬としてポイントが入手できます』

「他には?」

『回答。他のダンジョンの踏破を行った場合、その時踏破したダンジョンが所持していたポイントが入手できます』

それはめちゃくちゃ大切な情報では?

俺の他にもダンジョンマスターが居る事が確定したし、人類だけではなくダンジョンマスターも敵になる可能性がある。

にしても問い詰めて問い詰めて4回目でこの情報を出してくるなんてなかなか性格が悪いというか優しくないというか。

「他にもまだあったりする?」

『回答。現時点ではお答えできません』

それあるって言ってるようなもんじゃん。

とりあえずこのAIに質問をしまくる必要性がわかったので、他のこともどんどん質問してみる。

「ダンジョンの拠点を選ぶ際に必要ポイントが異なる理由は?」

『回答。今後のポイント入手のしやすさによって変化しています』

「ダンジョンレベルとは?レベルが上がる条件とかレベルが上がった時に何が起こるかを詳しく教えて」

『回答。ダンジョンレベルとはどのくらい人類に影響を与えたかの数値です。ダンジョンに訪れた人数などが経験値として換算され、レベルが上がります。ダンジョンレベルが上がると、ダンジョンポイントで入手できるアイテムや情報の幅が広がります。また、ダンジョンレベルはダンジョンマスターと連結しており、レベルが上がれば上がるほどマスターの能力も向上いたします』

「ダンジョンマスター同士で戦うことはある?」

『回答。可能性は否定できません』

「ダンジョンマスターと人類が戦うことはある?」

『回答。可能性は否定できません』

たくさん質問しまくった。そこで得た情報は覚えきれないのでスマホのメモにメモっておく。

そうしているうちに晩御飯に呼ばれたのでチュートリアルは一旦中断。というか質問していって拠点の位置がめちゃくちゃ重要だとわかったので、もっとよく考えてから拠点を決める事にした。

目の前に出ていた日本地図は消え、またチュートリアルを再開したい時はAIに声をかけるか、視界の端にあるら再生マークをタップすればいいらしい。

ダンジョンが人類に公開されるのは1ヶ月後の1月1日なんだから、もっと落ち着いた時にチュートリアルを進めよう。

次の日。

休める理由もないので普通に学校に行った。

人類にダンジョンが公開された後に俺がダンジョンマスターだとバレたくないからだ。

昨日の質問で怖い事を聞いた。

ダンジョンの敗北にまつわる話だ。

ダンジョンマスターとダンジョンコアは繋がっており、コアが破壊されたらマスターは死ぬし、マスターが殺されたらコアが壊れてダンジョンが無くなるらしい。

まさしくダンジョンと一蓮托生の命。

人類が手っ取り早くダンジョンを攻略するには、ダンジョンマスターの方を叩けば良い。

それだけではなく、人類の方にもレベルがあり、ダンジョンマスターの撃破が1番経験値が高いらしい。

そんな事が世間で認知されたら、ダンジョンマスターを探して殺そうとする動きも出てくるかもしれない。

もし俺の作ったダンジョンが攻略されてコアを壊されて死ぬならともかく、ダンジョンの関係ないところで殺されるのは嫌すぎる。

だから、絶対に俺がダンジョンマスターだということはバレないようにすると決めた。

疑われるのも危ういからな。ほら、こいつ怪しいから攻撃してみようとかいう奴が出てくるかもしれないし。本当に気をつけよう。

俺はなるべく普段通り過ごして、ダンジョンの操作は自分の部屋のみで行う事にした。