軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

11話 スキル

コカトリスの能力で石になった者は別に死んだわけじゃない。

状態異常、石化になっただけであって、状態異常を治せるスキルを使うか、状態異常を治せる魔法薬をぶっかければ元に戻る。

もっとポイントが大量に必要なバジリスクとかだと石化して即死なんだが、1万ポイントのコカトリスならそんなもんだ。

俺の想定では、パーティでダンジョンを挑んだ時に最初に足を踏み入れた者が石化。石化した仲間を持ってパーティは一時撤退、というパターンになるはずだった。

でもダンジョンマスターがソロでここまで来るとは思わないじゃん?

石化した人は当然自分で動けない。だから誰かが何かしないと永遠にあの場所に女の石像があることになる。

……それはちょっと邪魔だな。

俺は自分のダンジョンに初めて踏み入れることにした。

ダンジョンに行くにあたって、準備するものがある。

スキルだ。

俺は今までスキルを一つもとってこなかった。単にポイントを使いたくなかったからだ。

人類はスキルポイントというのでスキルを取る。最初にいくらか持っている他、レベルが上がる時にもらえる。取れるスキルは適性があるやつのみだ。

ダンジョンマスターはというと、ショップ画面でどんなスキルでも買える。ただし全部高い。

例えば、人類で人気のスキル、回避はスキルポイント1で取れるのに対して、ショップだと1万ポイント必要になる。

スキルは最低1万ポイントから。使えるスキルとなると3万、5万は当然かかり、中には1000万ポイント以上も必要なスキルがある。

今の俺はダンジョンレベルが24で、レベルが上がるたびに1万ポイント貰ってきた。スキルを取るのに最低でも1回のレベルアップ分必要と思うとやっぱり取得に二の足を踏む。

そもそもダンジョンに入らなきゃスキルなんて無駄になるしな。

今回は自分のダンジョンだから危険は少ないものの、流石にスキルの使える人類がいる場所に行くわけだし、何もしないで中に入るのは危険だ。

ショップ画面を開いてめぼしいスキルがないか探す。

画面をスクロールしていって思う。やっぱり1万ポイントからってのが取る気無くすなぁ。

いい感じそうなスキルを見つけては効果を見て次に行く。いろいろ見ていって目に止まったのは隠遁者というスキルだった。必要ポイント数は5万と今の俺には高い。でもそれだけ効果が魅力的だった。

スキル:隠遁者

効果:指定した人物の姿が他者から見えなくなる。

10秒間に1魔力消費。

他のダンジョンに入る時にも使えるんじゃないだろうか、これ。

便利すぎる。取ろう。

『スキル:隠遁者を獲得しました。ステータスに反映されます。』

その声と共に、不思議とスキルの使い方が頭に入ってくる。

自分の姿を隠したい時はそのまま隠遁者と唱えればいいし、他者の姿を隠したい時はその人物に触れながら隠遁者と唱えればいいみたいだ。

このスキルをとったことにより俺のダンジョンポイントは残り69万8326になった。

1度スキルを買ったことにより、感情のタガが外れたのかどんどんいろんなスキルが欲しくなる。

まて、落ち着け俺。確かに安定して探索者が来るようになって、1日に10万前後のポイントがもらえるのが普通になってきた。

ポイント残高が50万を超えた時は心の中では喜んだものだ。今の調子なら100万まで貯められるとも思った。

ダンジョンの構成を今日まで変えなかったことからポイントに余裕はある。ただ、欲しいって感情だけでスキルを取りまくったらあっという間にポイントは無くなる。

新しく階層作りたいし、防衛対策として強いモンスターを置いておきたい。

……あと3つ。多くても取るスキルはあと3つにしよう。

さっきより一層悩みながら画面と睨めっこする。

選び出してから気づけば1時間以上経っていた。

「よし、決めた」

最終的に選んだスキルはコレだ。

スキル:改竄

効果:選んだ対象を任意のものに誤認させる

1箇所につき100魔力消費

スキル:初級風魔法

効果:初級の風魔法が使えるようになる

スキル:拘束

効果:対象を魔法の紐で拘束する

10秒間に1魔力消費。

改竄は隠遁者と似ているが、俺のステータスを誤魔化すために取った。それくらいしか用途がないが、種族がダンジョンマスターというところを見られたくないので必要だと判断した。

探索者の間ではファンタジーによく出てくる鑑定スキルを取る人がいるからな。鑑定は人やモンスター、アイテムの詳細。つまりステータスを見る能力だ。対策しておかないと。

ただ、改竄とついでに隠遁者も看破というスキルを使われるとバレる。看破すら誤魔化せるスキルは見当たらなかったから今は諦めた。

続いて初級風魔法。シンプルに攻撃手段として取った。

風魔法のいいところは発動した魔法が視界に映らないところだ。まぁそれでコントロールしにくくて不人気になってるんだけど。フレンドリーファイア怖いもんな。

拘束は侵入してきたダンジョンマスターとせっかくならお話ししたいなって思って取った。触れた相手を光の輪で拘束できる。相手が縄抜けスキル持ってたり、レベル差がものすんごいあったりしない限りは通じる。

死んだら元も子もないので、何かあったらすぐ取るスキルを頭に入れつつ、この3つのスキルを追加で取得した。

5万、1万、8万で合計14万ポイントだ。

さっきと同じくAIのアナウンスがあってから、使い方が頭に入ってくる。

3つ一気に取ったからか若干気持ち悪い。もし今後戦闘中に新しくスキルが必要になった状況になっても、一度にたくさんスキルを取るのは避けよう。

あとは装備なんだが……まぁ今回は必要ないか。

他のダンジョンマスターと話すのに素顔はちょっと怖いから道中で顔を隠せる何かを買ってから行こう。