軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

76:いつものガゼボで

パン屋さんやスープ屋さんなど色々な屋台が出来ており、どこも盛況だった。お惣菜系のパン、サーモンのクリームスープやパンプキンスープなども買い込んで、ガゼボで食べることにした。

ガゼボは元から沢山あったので、どこか空いているところに座ろうと見回すと、おじいちゃんと使っていたところが空いていた。

「あっ! 空いてますね!」

「ん」

今日のデメトリオさんはよく微笑んでくれるな、なんて思いつつ買ったものをテーブルに広げ、侍女のハリーさんと、近衛騎士のジェロームさんが手分けして簡易の毒見をしてくれた。

毒見もだけど、味とか系統とか食べ合わせとか考えずに買って申し訳ない。

「ふふっ。形式的なものですので、ほとんどの者が気にしておりませんよ」

どうやら毒見をお願いしたときに、顔がしょんぼりしてしまっていたらしい。デメトリオさんが、チェスはあんなに強いのになぁと言いながら頭を撫でてくれた。なぜに子ども扱いなんですかと苦情申し立てをすると、今度は額にキスを落とされた。

――――まぁ、許そうかなっ!

「さて、このパニーニは、どう食べるのが正解なんだ?」

「そのまま、ガブーッと齧り付くのが正解です」

デメトリオさんはスパイシーチキンとチーズのパニーニと、スープに浸すのにオススメだと言われたバターロールを三個。私は生ハムとアボカドのパニーニにした。

毒見のためのナイフはあるけれど、郷に行っては郷に従えで、パニーニは齧りつくのが美味しいのだ。

半分くらい食べたところで、交換してお互いのを味見したり、スープをあーんしたりして、結構イチャイチャしてしまった。ただ、他のガゼボでも恋人たちや夫婦、友だち同士でも利用してる人がいて、それぞれ楽しそうに屋台メシを楽しんでいたので、これくらいのイチャイチャは許されそうだった。

「しかし、雰囲気は少し変わってしまったが、やはりここは落ち着くな」

食事を終えて、クレープやハリーさんが買い足してきてくれたカットフルーツなんかをゆっくりとつまみながら、楽しそうに話したり食べたりしている人たちを眺めていた。

確かに、おじいちゃんとデメトリオさんと出逢ったころは、閑散としていた。でも、今みたいな少しのざわめきの中にあるのんびりとした雰囲気も私は好き。

これからも変わること変わらないこと色々と出てくるだろうけど、それらをデメトリオさんと一緒に体験し、受け入れて歩んでいけたらいいなと思っている。