軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第6話 田中、アダマンタイトを探す

「みなさんこんにちは、田中誠です。今日もダンジョン配信を始めたいと思います。よろしくお願いいたします」

"こんシャチケン"

"こんにちは〜"

"待ってた"

"生きがい"

"お、始まってる"

"勝ったな、飯食ってくる"

"まだ始まったとこだぞw"

"初手勝ち確は草"

" 約束された勝利の社畜(エクスカリーマン) "

配信を始めると、たくさんのコメントが流れ出す。

同接の人数は6000万人。今日もたくさんの人が見に来てくれているな。

最初こそ緊張していたけど、最近は配信ボタンを押す手も震えなくなってきたな。俺も配信慣れしてきたということか。

まあ実際に視聴者が前に現れると緊張するんだけどな。カメラ越しなら現実感がないので大丈夫なんだが。

"今日はなにすんの?"

"楽しみ"

"田中ァ!"

"あ、今日は一人なんだ"

"コラボもいいけどソロも好きやで"

"結論、なんでもおk"

「えー、みなさんもしかしたらご存知かもしれませんが、私の愛用している剣が折れてしまいました」

"あーあれねw"

"あれは笑った"

"綺麗に折れたよな"

"ニュース速報にもなったし知らない奴いないだろw"

"まあシャチケンの怪力によく耐えた方だよな"

「ですので今回は剣を直すための素材を採りに来ました。この剣の素材『アダマンタイト』は希少素材なのでなかなか見つかりませんでしたが、このダンジョンにある確率が高いことが分かり、やって来ました」

"把握"

"そういうことだったのか"

"剣くん復活するんだめでたい"

"ちょっと待って、アダマンタイトって言った?"

"言ってたな"

"なにそれ"

"アダマンタイトって超レアな金属だぞ!? あれ使ってるとかマジ!?"

"そんな珍しいんだ"

"ググったら小さな 欠片(かけら) でも三百億円の値がついたとか出て草"

"小学生の値段設定かな?"

アダマンタイトは珍しい金属だ。コメントで話題になるのも当然か。

小さな欠片程度の大きさであれば所持している企業もあるみたいだが、頼んでも手放してはくれないだろうしそれを買い取る余裕もない。自分で採りに行った方が早いだろう。

"そういえば今日もリリちゃんはお留守番?"

"確かにいないね"

"てか最近配信に出てないよね"

"りりたそに会いたい"

"てけり!"

コメントにリリの姿を求めるものが多くなる。

心配をかけてしまうかと思って、休眠状態になってからは配信に映してなかった。でも健康状態に問題がないと分かったんだから、配信に出してもいいかもいしれないな。

「リリならここにいますよ」

ポケットからリリを取り出して、ドローンのカメラに見せる。

リリは相変わらずころころした球体の姿になっていて、寝息を立てながら寝ている。

"リリちゃんだ!"

"かわよ"

"なにこれ、コロコロしてて可愛過ぎる!"

"可愛過ぎて気分悪くなってきた"

"動かないけど大丈夫なの?"

"寝てるんじゃない?"

"寝てるとこんな感じなんだ"

リリの今の姿を見て、心配する視聴者も現れる。

ヘタに誤魔化してもいいことはないので、今の状況を端的に説明する。

「――――ということなんです。健康には問題ないみたいなので安心してください」

"ほっ、それならよかった"

"なんで休眠してるんだろ"

"成長期なんでしょ"

"草"

"でも進化とかはできそうw"

"サナギ状態ってことか"

"スーパーショゴスになりそう"

"ネーミングセンスが壊滅的すぎるw"

"俺はリリちゃん増殖説を推すね"

"増えたら一人ください"

"まあ大事じゃなくてよかった"

みんなひとまず納得してくれたみたいだ。

早くまた元気になってくれると嬉しいんだけど、いつになるだろうな。

「さて、ではそろそろダンジョンに潜ろうと思います。今日入るのは『 目黒(めぐろ) 磁鋼巣(じこうそう) ダンジョン』です。一昨日誕生したばかりのダンジョンで、まだ内部の調査はあまり進んでいません」

俺は一歩、中に踏み出す。

すると目の前の景色が開き、磁鋼巣ダンジョンの内部構造が目に入る。

「これはなかなか……大変そうだな」

目の前に出現したのは、迷路のように入り組んだダンジョン。

まるでアリの巣のように穴がいくつもあり、どこがどう繋がっているのか全く分からない。

これは内部の調査が進まないのも当然だ。